2023年12月01日
近隣とのトラブルを避けるために防音対策をしたり、最近ではテレワークのための静かな環境作りのために防音工事を検討する人もいるのではないでしょうか。同じ防音工事でも、外部からの音を遮断するための防音、または内部からの音を外に漏らさないための防音など種類はさまざまです。そのためには、目的に合わせた防音工事が必要です。ここでは防音工事の種類、防音工事の費用の相場について解説します。また、補助金の対象となる工事についてもご紹介しますので、防音工事を検討している方は参考にしてください。
目次
外から入ってくる騒音を防ぎたい、楽器の音を外部に漏れないようにしたい、マンションなどで階下に響く子どもの足音などの生活音をふせぎたいなど、防音の目的にはさまざまなものがあります。また、建物全体として外部からの音を遮断する、部屋一室だけを防音にする、一部分の空間を防音にするなど目的に合わせて、工事範囲も異なり、10万円以内でできる工事もあれば、数百万円かかる工事もあります。
車や電車などの騒音、公園などから聞こえてくる子どもの声など、外部から入ってくる音の対策には「窓ガラスへの防音対策」「換気口への防音対策」「壁の防音対策」という方法があります。それぞれの対策について詳しく解説をします。
窓は部屋の中でも騒音が入ってきやすい場所です。外から入ってくる音を防ぐためには、窓に防音対策をすることが効果的です。
窓の防音対策としては「窓に内窓を設置する工事」と、「既存の窓を防音効果のある窓に変える」という2つの方法があります。
<二重窓にする防音工事費用:5~12万円>
既存の窓の内側にもう1枚窓を設置する二重窓は、二重の窓で音を遮ることに加えて、窓と窓の間に空気の層ができクッションのような役割を果たし、非常に高い防音効果をもたらせてくれます。
窓を二重にする工事費用は1箇所につき5~12万円程度。窓の幅や、新しく設置する内窓の窓ガラスのグレードにより変わってきます。
二重窓は断熱や省エネ対策もできるため、防音対策以外の効果もあります。
<既存の窓を防音ガラスに入れ替える:5~15万円>
既存の窓ガラスを防音ガラスに入れ替えることで、窓の防音効果を高めることができます。二重ガラスより防音力は劣りますが、既存のサッシを使う工事であれば、費用を抑えることができ、工期も短く済みます。
工事費用は、ガラスのグレードによって変わりますが、一般的に1箇所5~15万円程度です。また、二重窓と合わせて防音ガラスを使用すれば、より防音性を高めることができます。
外気を取り入れる換気口(ダクト)からも騒音は入ってきます。
換気口の防音工事には「既存の換気口を防音仕様のものに交換する工事」、「屋外のカバーを交換する工事」、「吸音材を入れる工事」などがあります。どの工事を採用するかにより費用は異なりますが、排気口の防音としてよく採用されている換気口交換であれば2~5万円程度が相場です。
木造住宅の場合、防音性が低いため、壁の防音工事をすることで外部からの音の侵入を防ぐことができます。
壁に使用される防音材には、音を吸い込んで小さくする「吸音材」、音を透過させずに跳ね返す「遮音材」、音の振動を隣の部屋に伝えない「防振剤」があり、防ぎたい音の種類に合わせて適切な防音材を選び、壁の内側に工事を施します。
壁の防音工事の費用は部屋の広さや部屋数などによって異なりますが、6畳程度の部屋の一面に防音工事を施す場合で20~30万円程度が相場となります。
集合住宅では足音などが階下に伝わり、騒音トラブルに発展するケースもあります。防ぎたい音の種類や、建物に合わせた工事が必要になります。階下に音が響かないようにする防音工事について解説をします。
比較的簡単にできる床の防音工事は、既存の床を防音材の入ったフローリングやカーペットに張り替える工事です。防音材が階下に響く音を遮り、室内からの音漏れを防ぐことができます。
防音材が入った床の張り替え費用は、使用する床材によって異なりますが、6畳程度広さであれば5万円程度からが目安です。
また、既存の床を剥がさず床の上に施工ができるケースでは安く済みます。
子どもが走る足音、物落とした時の音など衝撃を伴う音の場合、フローリングやカーペットを張り替える防音工事だけでは防ぐことができない可能性があります。そのようなケースには床材の下に防音材を入れて、遮音性の高いフローリングやカーペットに交換し二重床にすることで、より防音効果を高めることができます。
建物の構造により施工できる工事が異なり、大がかりな工事になるため費用は30万円以上かかる想定が必要です。
楽器を演奏する、カラオケをする、大音量で映画を見る、など自身が生じる音を外部に漏らさないために、また完全に音を遮った静かな空間が欲しいというときには防音室を検討する場合もあると思います。防音室にはユニット型の防音室を室内に作る方法と、既存の部屋に防音工事を行う方法があります。
ユニット型の防音室は、高い防音性を持つひとつの部屋のようなもので、室内の一角に設置をすることができます。組み立て式のものも多く、サイズは0.5畳程度の小さなものから4畳を超える大きなものもあります。
大きさや防音性能の高さなどによって本体価格が異なり、50万円程度のものから高いものでは200万円を超えるようなものまでさまざまな種類があります。設置には本体価格のほかに組立て費用など工事費用がかかります。
音楽スタジオ、シアタールームなど防音された広い空間が必要な場合には、部屋全体に防音を施し、防音室を作るという方法もあります。
壁、床、天井、窓、ドアなど全ての箇所に防音工事を施すため費用は高額になります。防音の目的により、どのような防音性能の工事が必要かを見極めた工事が必要です。部屋の広さや、防音性能により費用は異なりますが、一般的に200~500万円程度が相場です。
賃貸物件の場合、原則として退去時に原状回復しなければならないため、大家さんの許可なく窓や壁の防音工事をすることはできません。どうしても防音工事が必要な場合には大家さんと相談をしましょう。
工事をせずにできる防音対策としては、防音シートや遮音パネル、吸音材などを壁に貼ることで壁の遮音対策ができます。
また、防音カーテンなどは1万円程度、遮音カーペットなら1~5万円程度で購入可能です。
防音を目的に行う工事は、確実な防音効果をもたらすために適切な材料と工事が必要となるため費用が高くなりがちです。費用を抑えるために、国や地方自治体が行っている補助金制度の利用も検討してみましょう。
二重窓にする工事は防音効果だけでなく、住宅の断熱性を高めることができ、冷暖房の使用を抑えることにつながるため、CO2排出削減のための補助金制度の対象にもなる可能性があります。
国の補助金制度のほか、地方自治体が独自に行っている補助金制度もあるので、二重窓の工事に利用できる補助金制度がないのか、確認をしてみましょう。条件によっては2つの補助金の併用も可能なものもあります。
補助金は上限に達した場合受付を終了している場合もあるので、申請の時点で補助金制度が有効であるか必ず確認をしましょう。
<国が行っている補助金制度>
地域によっては、特別な騒音が発生する地域と認定されて、防音工事に対する補助金制度が利用できるケースがあります。
<防音工事補助金制度が対象となる地域>
このケースでは助成金対象の地域が限られており、助成対象となる施工内容や補助金額にも決まりがあります。自宅が対象となるか、またどの工事が対象となるか、自治体や防音工事業者に確認をしてみましょう。
防音工事を依頼する工務店やリフォーム業者によっては信販会社と提携したリフォームローンが利用できる場合もあります。審査も比較的通りやすく、防音工事の契約と合わせて手続きができるためスムーズに契約ができます。
また、リフォームローンは銀行や信用金庫、JA、ネットバンキングなどさまざまな金融機関で取り扱っています。ご自分で金融機関への申し込みが必要になり、また審査も提携ローンより厳しめですが、金利は提携ローンと比べて低めです。借り入れの条件は金融機関によって異なるので、ご自分がいつも利用している金融機関や地元の金融機関など、いくつかの金融機関と比較検討してみましょう。
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防音工事は防音の目的に合わせて効果のある施工が必要です。施工方法によって大きく費用も異なるため、防音の知識を持ったリフォーム業者と相談し予算に合わせた施工方法を検討してください。
防音工事では国や地方自治体の助成金や補助金などを利用できる場合もあります。助成の対象となる工事内容や条件を確認しておきましょう。
また、防音工事では条件によって金融機関のリフォームローンも利用できるので、ご自身に合ったプランで防音工事を行ってください。
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近年、テレワークや音楽活動の増加に伴い、防音工事に対する関心が高まっています。この記事では、防音工事の種類や費用、さらには助成金の情報まで幅広く解説しており、効果的な防音対策を検討している方にとって大変参考になる内容です。外部からの騒音防止だけでなく、内部音の漏れを防ぐ方法も紹介されているため、具体的な状況に合わせた防音対策が可能です。静かな生活環境を求める方は必見です。