2024年05月10日
副鼻腔炎は薬で治るケースも多いですが、鼻ポリープ(鼻茸)があったり症状が改善しないと手術を勧められることがあります。しかし、費用や入院などが心配で、手術をためらう方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、副鼻腔炎の手術や手術前後の検査、内科的治療の費用を紹介。高額療養費制度や医療費控除といった費用負担を抑える方法や、生命保険や医療保険、県民共済などの給付についても解説します。
目次
副鼻腔炎は蓄膿症とも呼ばれ、風邪やアレルギー鼻炎などをきっかけに鼻の周囲にある空洞(副鼻腔)で炎症が起きることで発症します。主な症状は、鼻づまり・鼻水・後鼻漏(鼻水がのどに流れる)・頭痛・顔面痛・嗅覚障害で、発症から数週間以内を急性副鼻腔炎、2~3ヵ月以上を慢性副鼻腔炎といいます。
急性副鼻腔炎は薬などの治療で回復するケースがほとんどですが、慢性副鼻腔炎になると鼻の中に良性のポリープ(鼻茸)ができ、取り除く手術が必要になることもあります。また、薬の効果を高めたり再発を防ぐため、複数の空洞に分かれている副鼻腔をつなげたり、副鼻腔の入口を広げるなど、膿を出しやすくする手術もおこなわれます。
副鼻腔炎の手術は内視鏡による日帰り手術が一般的で、3割負担の場合の自己負担額は、副鼻腔炎のみであれば片側約4~7万円、両側約8~14万円程度が目安です。
アレルギー性鼻炎を緩和する手術を同時におこなうことも多く、この場合は両鼻で30万円程度かかります。また、病変が複数の副鼻腔に広がっている場合などは1~2泊程度の入院が必要となり、さらに追加の費用が発生します。
副鼻腔炎で耳鼻科を受診してもすぐに手術を勧められるのはまれで、まずは保存療法を実施するのが一般的です。初診時の費用は初診料や検査料、処置費用、処方せん料、薬剤料で5,000~1万円程度が目安です。
急性副鼻腔炎の場合、抗生物質や炎症を抑える薬の投薬のほか、鼻の中の膿を吸出したり、超音波によって細かい霧状にした薬剤を鼻から吸い込むネブライザー治療などがおこなわれます。これらの治療により、1週間~1ヵ月程度で治ることが多いです。
慢性副鼻腔炎の場合は、急性副鼻腔炎と同様の治療に加えてマクロライドという抗生物質を2~3ヵ月服薬するのが一般的です。これらの保存療法により、軽度の副鼻腔炎であれば手術なしで治るケースも少なくありません。
副鼻腔炎の手術前には複数の検査が必要です。また、手術後も定期的な検査をおこなうため、検査費用も確認しておきましょう。
術前検査の費用(3割負担の場合の概算)
検 査 料 | 副鼻腔CT検査 | 約4,000円 |
---|---|---|
ファイバースコープ検査 | 約2,000円 | |
呼吸機能検査 | 約600~1,000円 | |
血液検査 | 約5,000円 | |
心電図検査 | 約500円 | |
胸部レントゲン検査 | 約500円 |
副鼻腔炎の手術日が決まったら、その2~3週間ほど前に上の表のような検査を実施します。検査の項目は病院によって異なりますが、3割負担の場合の自己負担額は1.5~2万円程度が目安です。なお、体調や持病などによっては、上記以外の検査が必要になることもあります。
副鼻腔炎は再発しやすいため、手術後の検査も重要です。術後1ヵ月程度は毎週、その後は次第に間隔を開けながら1年程度は通院します。経過観察での検査内容は病院により異なりますが、ファイバースコープ検査や副鼻腔CT検査などが必要に応じて実施され、トータルの検査費用は3割負担で1.5~3万円程度です。
このほかに再診料や処置費用、処方せん料、薬剤料もかかります。1回の受診で必要な金額はもらう薬の種類によって左右されるため、吸入ステロイドなど高額な薬が必要な場合は1万円を超す場合もあります。
副鼻腔炎の手術費用は、医療制度などを活用することで負担軽減が可能です。手術を受ける前に確認しておきましょう。
大病院の外来の混雑緩和のため、紹介状を持たずに200床を超える病院を受診すると、診察料のほかに7,000円以上の「選定療養費」が上乗せされます。選定療養費は全額自己負担で、消費税もかかります。
紹介状を作成してもらうには「診療情報提供料」として3割負担で750円の自己負担が必要ですが、まずは地域のかかりつけ医を受診した方がいきなり大病院に行くよりトータルの費用は安くなります。
生命保険や医療保険、県民共済などは、契約内容によっては日帰り手術でも給付金の対象となる場合があります。保険等に加入している方は契約書で確認しましょう。
なお、給付手続きに診断書が必要な場合は、1通あたり4,000円程度必要です。診断書の作成には通常10~2週間程度かかるため、手術前に給付金の請求方法を確認しておくとスムーズです。
高額療養費制度とは、1ヵ月(1日から月末まで)に医療費を一定額以上支払った場合、上限を超えた額が払い戻される制度です。上限額は上の表のように年収によって異なります。
還付の申請方法は加入する公的保険制度によって異なり、手続きなしで自動的に振り込まれる場合もあります。不明な場合は自身が加入する保険制度の問い合わせ先に確認してみましょう。
<限度額適用認定証で窓口での負担も軽くできる>
高額療養費の還付には3ヵ月程度かかるため、一時的に家計を圧迫することも。上限を超えることがあらかじめ分かっている場合は限度額適用認定証の利用がおすすめです。
限度額適用認定証は自身が加入する保険制度に申請すると交付され、保険証とあわせて提示することで、窓口負担を限度額までに抑えられます。
医療費控除とは、1年間で支払った医療費が一定額を超えたとき、手続きすることで税金が還付される制度です。
医療費控除の対象となるのは「その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費」で、保険金や高額療養費などで補填される分は差し引きます。この合計金額から10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%)を引いた額が「医療費控除額」で、課税所得から最大200万円まで差し引くことができます。
本人だけでなく同一生計の家族の医療費も合算が可能で、医療費控除の明細を添付して確定申告することで還付を受けられます。還付額は所得税率によって変わるため、基本的に家族の中で最も所得が高い人が申告すると良いでしょう。
好酸球性副鼻腔炎は鼻の中に鼻茸が多発し、手術してもすぐに再発する慢性副鼻腔炎です。根治が難しく長期の通院が必要なことから、厚生労働省の難病指定を受けています。
好酸球性副鼻腔炎の確定診断を受けたら、保健所に診断書などを提出して受給者証をもらうことで、医療費の助成が受けられます。医療費の自己負担割合割合が3割から2割に引き下げられるほか、1ヵ月あたりの上限額も高額療養費制度に比べて低くなります。
副鼻腔炎が悪化すると頭痛や味覚障害などを引き起こし、日常生活に支障をきたすこともあります。また、放置すると炎症が目や脳にまで及び、合併症を引き起こすこともあります。「手術を勧められたけれど手元にお金がない」という方は、銀行の医療ローンやフリーローンを検討してはいかがでしょうか。
医療ローンとは用途を医療費に限定したローンで、一部の銀行で取り扱っています。一方、フリーローンは用途を限定せず利用できるローンで、ほとんどの銀行で借りられます。どちらも審査があるため誰でも利用できるわけではありませんが、消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングに比べると金利は低めです。
医療ローンやフリーローンの金利は銀行によって異なるため、なるべく低金利のローンを選ぶには複数のプランを比較する必要があります。手間をかけずに低金利なローンを探したい方は「クラウドローン」の利用がおすすめです。
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副鼻腔炎は保存療法で治る場合も多いため、まずは早めの受診がおすすめです。手術が必要になった場合も、多くは内視鏡による日帰り手術で治療できます。ただし、進行すると病変が広がり、入院による手術が必要になる場合もあります。
手術費用は高額療養費制度の利用で、自己負担を1ヵ月の上限額までに抑えることができます。また、医療控除により、1年間の医療費負担も軽くできます。
加入する生命保険や医療保険、共済などによっては、手術給付金の対象になることもあるため、手術前に契約内容をチェックしてみましょう。
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