認知症の医療・介護に必要なお金は、病状だけでなく、暮らす場所、利用するサービス、所得、家族の支援体制で変わります。全国平均をそのまま自分の予算にするのではなく、医療費・介護費・生活費を分け、公的制度を利用した後の自己負担を確認しましょう。
この記事の目的と確認日:医療・介護費用と相談先を整理する一般的な情報です。診断や治療の選択、個別の法律・税務判断に代わるものではありません。症状や治療は医療機関、制度の適用は保険者・自治体、財産管理は専門家にご相談ください。掲載情報は2026年9月9日に確認しています。
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認知症では認知機能の低下によって日常生活に支障が生じますが、症状やできることは人によって異なります。診断を受けたことだけで「何もできない」と決めつけず、本人が望む暮らしや支援を一緒に考えることが大切です。家族だけで対応を抱え込む必要もありません。

原因となる病気にはアルツハイマー病、レビー小体病、脳血管障害、前頭側頭葉変性症などがあり、治療や支援は一律ではありません。物忘れや生活の変化が気になるときは、かかりつけ医やもの忘れ外来に相談してください。介護や生活の相談は地域包括支援センターでも受け付けています。
相談先:厚生労働省「認知症に関する相談について」。本人の意思を尊重する支援については同省の認知症施策も参照できます。

生命保険文化センターの2024年度「生命保険に関する全国実態調査」では、過去3年間に介護経験がある人の介護費用は次の通りでした。これは認知症に限定した調査ではなく、2026年の施設料金表でもありません。
| 調査項目 | 平均額 |
|---|---|
| 住宅改造・介護用ベッド購入などの一時的な費用 | 47.2万円 |
| 月々の介護費用(全体) | 9.0万円 |
| 月々の介護費用(在宅) | 5.3万円 |
| 月々の介護費用(施設) | 13.8万円 |
出典:生命保険文化センター「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」(2024年度調査、2人以上世帯)。在宅と施設は別の集計であり、5.3万円と13.8万円を加える計算はしません。支援の内容や地域差があるため、実際の予算はケアプランや施設の見積書で確認します。
訪問介護や通所介護などの保険対象サービスは原則1~3割負担です。ただし、要介護度ごとの支給限度額を超える利用や保険対象外のサービスは別途負担になります。食費、光熱費、通院交通費、消耗品も含めて家計を見積もりましょう。
福祉用具の貸与・購入や住宅改修には対象品目・工事、申請などの条件があります。紙おむつなどの消耗品がすべて介護保険で購入できるわけではありません。購入や着工前にケアマネジャーと自治体へ確認してください。
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、有料老人ホーム、グループホームなどでは、役割や入居条件、料金の仕組みが異なります。運営法人だけで「公営・民営」に分けて費用を判断することはできません。なお、介護療養型医療施設は2024年3月末で廃止されており、現在の候補として案内しないよう注意が必要です。
| 見積書の項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 入居時の支払い | 敷金・前払金の有無、償却・退去時の返還条件 |
| 毎月の固定費 | 家賃・居住費、管理費、食費、光熱費 |
| 介護サービス費 | 保険の自己負担、加算、外部サービスや保険外サービスの料金 |
| 別途かかる費用 | 医療費、薬代、日用品、通院付き添いなど |
「月額○万円」に介護費が含まれるかを確認し、同じ費用を二重に加算しないようにします。前払金は必ず全額戻るものではなく、契約ごとの返還条件を読む必要があります。施設の制度は厚生労働省の介護サービス利用料の解説や介護医療院の案内でも確認できます。

外来診察、画像検査、薬、入院などで金額が変わるため、認知症なら毎月一律に数万円かかるとはいえません。医療費の総額と窓口で支払う自己負担額も別の数字です。医療機関には予定する検査・治療の保険適用と自己負担の見込みを確認しましょう。

アルツハイマー病の治療には症状に対する薬のほか、レカネマブ、ドナネマブといった抗アミロイドβ抗体薬があります。これらはアルツハイマー病による軽度認知障害または軽度の認知症など、条件を満たす人が対象です。すべての認知症や進行段階で使える薬ではなく、病気を完治させるものでもありません。
対象の判断にはアミロイドの確認などの検査が必要で、治療中には脳の浮腫や出血などへの注意とMRI等の管理が求められます。薬代だけでなく検査・通院の負担も含め、専門医に効果の見込みとリスクを確認してください。出典:国立長寿医療研究センター「抗アミロイドβ抗体薬」について。
生活環境の調整やリハビリテーションなどの支援も、本人の希望や状態に合わせて検討します。音読や音楽など特定の活動で必ず認知症が改善する、と一律に効果を約束することはできません。
| 制度 | 対象と注意点 |
|---|---|
| 高額療養費 | 保険診療の自己負担が所得・年齢等に応じた上限を超える場合。食事代や差額ベッド代などは対象外 |
| 高額介護サービス費 | 対象となる介護サービスの自己負担に月額上限。食費・居住費、福祉用具購入、住宅改修などは対象外 |
| 食費・居住費の負担限度額認定 | 対象の介護保険施設等を利用し、所得・預貯金等の条件を満たす場合。すべての高齢者住宅で使えるわけではない |
| 高額医療・高額介護合算療養費 | 医療と介護の年間自己負担を合算する制度。同じ医療保険の世帯などの条件がある |
高額療養費は2026年8月からの見直しがあるため、古い上限額の計算例をそのまま使わず、加入する健康保険で確認してください。マイナ保険証等で窓口負担を上限までにできる場合もあります。医療と介護の合算は月ごとの給付等を差し引いて計算するため、同じ支払いが二重に返金される制度ではありません。
制度の確認先:厚生労働省「高額療養費制度」、横浜市「高額介護サービス費」、協会けんぽ「高額介護合算療養費」。介護保険の申請先や必要書類は居住地の自治体で確認しましょう。

本人の年金などの収入、預貯金、生活費、既存の保険契約を整理し、介護に回せる金額を確認します。公的医療保険・介護保険は現金化できる保有資産ではありません。民間保険も診断だけで必ず給付されるとは限らず、支払条件・待機期間・給付額を約款や保険会社で確認する必要があります。
予算表では「毎月の収入-生活費-医療・介護の自己負担」と、入居時費用や住宅改修などの一時費用を分けて記入すると不足額が見えます。平均費用と平均期間を掛けた数字だけで必要な貯蓄額を決めず、利用するサービスの変化にも備えましょう。
家族信託は、契約で定める財産を目的に沿って管理・処分する仕組みです。任意後見は、判断能力が不十分になった場合に備え、生活や財産管理などの代理事務を公正証書で契約しておく制度で、家庭裁判所が任意後見監督人を選任してから効力が生じます。
どちらも「利用すれば相続税や贈与税が必ず安くなる」という制度ではありません。契約の対象・権限・費用、判断能力に応じて利用できる手続きが異なります。本人の希望を確認し、弁護士・司法書士などに相談してください。税務は税理士等にも確認します。出典:法務省「信託Q&A」、法務省「任意後見制度」。
資金が不足するときは、まず地域包括支援センター、自治体、医療機関の相談窓口に、公的支援や支払いについて相談しましょう。ローンは受け取ったお金を返済する必要があり、毎月続く赤字を借入れだけで補うと家計の負担が増えることがあります。
ローンを比較する場合は、介護費・住宅改修費など希望する使い道が対象か、申込条件、適用金利、手数料、返済総額を確認してください。クラウドローンでのローン検討についても、利用条件と各金融機関の商品概要を確認することが必要です。申込みや提案は融資の確約ではなく、審査や実行までの期間は金融機関・申込内容で異なります。
認知症に備える第一歩は、一律の費用相場を覚えることより、本人が望む暮らしと使える支援を確認することです。地域包括支援センターや医療機関に相談し、医療費・介護費・生活費の見積もりを分けて整理すれば、家族で負担や役割を話し合いやすくなります。
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認知症の診断を受けた場合の介護費用について心配されている方も多いでしょう。この記事では、認知症とは何か、そしてその介護にどれくらいの費用がかかるかを詳しく解説しています。介護保険や地方自治体の助成制度を利用することで、一部の費用を軽減できますが、完全にはカバーしきれない部分もあります。そのため、早期からの準備が非常に重要です。認知症の介護に関する知識を深め、賢く費用を管理する方法を学びましょう。