2022年11月28日
大人になってから歯列矯正をしたいと思い立っても、その治療費の高さに断念してしまったという方も多いはず。そこで今回は、歯科矯正の費用の実態とともに、高額な治療費に利用できる支払い方法をくわしく解説。デンタルローンとクレジットカード払いでは、どちらがお得に支払えるのかをシミュレーションしていきます。まだ、歯科矯正を諦める必要はありません。自分に合った最適な支払い方法を見つけていきましょう。
目次
矯正方法 | 費用の目安 |
ワイヤー矯正(表側矯正) | 60万~100万円 |
ワイヤー矯正(裏側矯正) | 100万~150万円 |
マウスピース矯正 | 80万~120万円 |
大人の歯科矯正にかかる期間はおおよそ1~3年。治療内容は歯科医院ごとに決めることができる保険適用外の自由診療のため、かかる費用も矯正方法や使用する器具、歯並びの状態や治療期間などによって大きな違いが生まれます。
<ワイヤー矯正(表側矯正)>
ワイヤー矯正は、金具などの器具を歯の表面に装着してワイヤーの力で歯を動かす一般的な歯列矯正方法です。費用相場は60万~100万円と、他の矯正方法に比べて安めにできるのが特徴です。
<ワイヤー矯正(裏側矯正)>
裏側矯正とは、歯の裏側(舌側)に金具などの装置を取り付ける審美性の高い矯正方法です。技術の難易度が高いことや調整期間の長さから、費用相場は最も高く100万~150万円程度かかります。
<マウスピース矯正>
マウスピース矯正は、ひとりひとりに合わせて作られたマウスピースを毎日装着して歯を移動させていく歯列矯正です。手軽さと審美性で人気が高まっています。費用相場はメーカーによって異なりますが、80万~120万円程度です。
最も手間のかからない支払い方法は、やはり現金一括払いです。治療の初回に一括で払うことができるのなら、難しい手続きは不要です。分割手数料や金利もかかることはなく、治療費のみを支払います。
しかし、歯列矯正にかかる費用は少なくとも数十万円、使用する装置や技術によっては、150万円程度かかることも。よって、現金一括払いには、家計の大きな負担にならないまとまったお金が必要になります。
提携デンタルローンは便利な支払い方法のひとつ。信販会社などと患者、そして信販会社と提携している歯科医院の3者の間で契約を結びます。歯科医院でおこなわれる矯正治療の費用を、信販会社などに一度立替払いしてもらい、元金と利息を分割した一定の金額を月々返済していきます。これらの申込手続きが全て歯科医院の窓口でおこなえることも、提携ローンならではの利点です。
<提携ローンの金利相場は年5%程度>
歯科治療専用の提携デンタルローンの金利の相場は年5%程度と比較的低く設定されており、歯科医院によっては、金利手数料を負担してくれることも。その場合は「一定の分割回数までは無金利」などの利用条件もありますが、お得に利用できる可能性が高まります。
目的別ローンのひとつである銀行のデンタルローンを利用することも考えられます。このローンでは、患者と各金融機関との2者間で契約を結びます。患者自身が歯科医院に矯正にかかる費用の見積書の作成を依頼し、銀行の窓口やWEBなどで直接申込み手続きをおこないます。
<銀行のデンタルローンの金利相場は2.5~8%>
銀行のデンタルローンの金利の相場は2.5~8%。各金融機関や借入人の状態、借入金額によって決まりますが、場合によっては、提携ローンよりも低めの金利でお得に利用できるケースもあるようです。ただし、銀行のデンタルローンは、提携デンタルローンよりも審査が厳しい傾向にあります。
<もしものためにフリーローンの検討も>
デンタルローンを扱っている銀行の数は、あまり多くありません。提携ローンがない場合や借入希望の銀行にデンタルローンがない場合に備えて、フリーローンも合わせて検討することをおすすめします。デンタルローンに比べると金利が高めではありますが、審査に通りやすいのが特徴です。
一部の歯科医院でしか取り扱われていませんが「院内分割」も活用できます。「院内分割」の最大の魅力は、多くの場合で審査が無く、無利子で利用できるところ。歯科医院独自のシステムであるため、分割回数などの利用条件はさまざまですが、どの歯科医院でも、治療終了月までに治療費を完済する契約を結びます。大人の歯列矯正の治療期間は約1~3年と長くなる傾向にあるので、場合によっては、最も便利に利用できるかもしれません。
高額になることが多い矯正治療費の支払いには、クレジットカードを利用できる歯科医院が増えています。すでにクレジットカードを持っている方であれば、審査も不要で手続きなしで手軽に分割払いがおこなえ、1回払いであれば手数料も無料、さらには矯正治療の支払いでカードのポイントやマイルを貯めることもできます。
<クレジットカードの金利は12.0~15.0%>
しかし、クレジットカードの金利は12.0~15.0%と、デンタルローンよりもかなり高めです。さらには、最大分割回数が24回程度と短く、治療費によっては月々の返済額が高額になってしまう可能性も。クレジットカードの利用にあたっては、利用条件を改めて確認し、無理のない返済計画を立てることをおすすめします。
提携デンタルローン | 銀行のデンタルローン | クレジットカードの分割払い | |
金利 | 5%程度 | 2.5~8%程度 | 12.0~15.0% |
申し込み | 歯科医院で申し込み可能 | 銀行窓口やオンラインで申し込み | すでにクレジットカードを持っていれば不要 |
審査 | 必要 | 必要 | すでにクレジットカードを持っていれば不要 |
最大分割回数(返済期間) | 84回が一般的 | 10~15年程度(銀行により異なる) | 24回が一般的 |
矯正治療におけるデンタルローンとクレジットカード払いの利用には、それぞれに一長一短の特徴があります。デンタルローンの利用には事前の審査があり、18歳以上の安定継続した収入のある方でないと利用することはできません。しかし、デンタルローンの返済期間は長く設定できるため、月々の負担を低く抑えることが可能です。一方のクレジットカードの金利は高く、返済期間も短いですが、すでにカードを持っているなら手続きなしで手軽に使えます。
歯列矯正のおおまかな費用は歯並びの症状や治療方法によって異なりますが、全体の矯正であれば80〜120万円程度の費用が必要となります。
そこで、歯科矯正にかかる月々の支払額はどの程度まで抑えられるかを確認するために、100万円を一般的な最大分割回数で返済していくケースをそれぞれの支払い方法でシミュレーションしてみました。
提携デンタルローン | 銀行のデンタルローン | クレジットカードの分割 | |
金利 | 5% | 5% | 12% |
分割回数(返済期間) | 84回 | 10年 | 24回 |
毎月の返済額 | 14,133円 | 10,606円 | 47,073円 |
返済総額 | 1,187,172円 | 1,272,720円 | 1,129,752円 |
クレジットカードの分割払いは、金利も高く支払い期間も短いため、毎月の返済額がかなり大きくなります。一方のデンタルローンは、返済期間を長く設定できるため、毎月の返済額を抑えることができますが、長期的な分割で手数料が増えてしまうこともわかります。
今回は頭金0円で計算しましたが、頭金を用意することができれば、月々の支払額をさらに抑えることも可能です。
これまで歯列矯正にかかる費用や支払いシミュレーションなどを見てきましたが、まだ迷っている方も多いはずです。ここからは、ローンを利用して歯科矯正を受けることのメリットとデメリットを確認しながら検討していきましょう。
ローンを利用して歯科矯正を受けることの最大のメリットは、手元にまとまったお金がなくても、最良な治療を無理なくすぐに始められるところにあります。歯科矯正は治療期間が長いため、早く始めればその分早く終えることができる上、審美的にも機能的にも満足のいく生活が手に入ります。必要なお金を貯めてからと思っていると、その絶妙なタイミングを逃してしまうかもしれません。
<デンタルローンなら他のローンより低金利>
デンタルローンは歯科治療に用途を限定した目的別ローンであるため、クレジットカードの分割払いやフリーローン、またはカードローンよりも比較的低金利で利用できます。よって、無理のない返済計画を立てることも可能です。
ローンを利用することのデメリットはやはり、利子が発生して支払総額が増えてしまうこと。歯科医院によっては、提携ローンの金利を負担してくれることもありますが、基本的には金利が発生し、その分の費用が増えることはあっても減ることはありません。
<ローンは誰でも使えるわけではない>
ローンは、審査を通過しなければ利用することはできません。ローンの利用の前提条件は、18歳以上で安定した収入があることです。さらに、銀行のデンタルローンの審査はカードローンなどよりも厳しく、返済能力の有無はもちろん他のローンの借り入れとのバランスや信用情報などを細かく判断します。また、学生やアルバイト、主婦の方の場合には、安定した収入のある保護者や配偶者などの連帯保証人が必要です。
場合によっては、最も低金利で利用できる銀行のデンタルローンですが、残念ながら取り扱いのある銀行はあまり多くありません。そのため、フリーローンやカードローンを合わせて検討することをおすすめします。
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大人の歯列矯正を迷う最大の理由は、高額な費用がかかることです。しかし、ローンを利用すれば、まとまったお金がなくとも諦めることや妥協することもなく、すぐに最良な歯列矯正の治療を受けることができます。早めに治療を開始すれば、早く審美的にも機能的にも健康な歯を手に入れることができるのです。
ただし、ローンの利用は慎重に行うことが大切です。より低金利のローンを選ぶとともに、無理なく返済できるかを忘れずに確認してから借入れましょう。
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歯列矯正は、高額な治療費がかかるために躊躇する方も多いですが、デンタルローンやクレジットカード払いなどの支払い方法を活用すれば、治療を受けることが可能です。デンタルローンは低金利で長期分割が可能であり、クレジットカード払いは手軽に利用できますが、金利が高めです。一方、銀行のデンタルローンは低金利でありながらも、審査が厳しいことがあります。支払い方法を選ぶ際には、月々の負担や金利を考慮して選びましょう。