マイカーローンの最高借入額は、今回確認した銀行の公式商品の例では三菱UFJ銀行のネットDEマイカーローンの3,000万円が最も大きく、千葉興業銀行・北洋銀行・三十三銀行は2,000万円、南都銀行は1,000万円でした。三菱UFJ銀行は2025年10月1日の申込分から、上限を1,000万円から3,000万円に引き上げています。
ただし、この金額は商品として借りられる枠の上限です。実際に借りられる額は、車の見積額、借り換えるローンの残高、収入にもとづく審査、すでに借りているローンの残高で決まり、上限額まで借りられる保証はありません。3,000万円を10年で借りると、三菱UFJ銀行の表示金利や仮定の金利で計算して、毎月約28万〜31万円の返済になります。この記事では、公表されている上限額と実際に借りられる額の違い、高額で申し込むときに用意する書類を、2026年10月18日に確認した5行の例で整理します。全国の全商品を調べたものではありません。
目次
まず、各行の公式ページと商品説明書で、借入金額の範囲と、金額によって変わる条件を確認しました。
表1 確認した銀行マイカーローンの借入金額と金額で変わる条件(2026年10月18日確認)
| 銀行・商品 | 借入金額 | 借入期間 | 金額によって変わる条件 |
|---|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 ネットDEマイカーローン | 50万円以上3,000万円以内 | 6か月以上10年以内 | 金利は借入金額の区分で変わる。201万円以上は収入証明書が必要 |
| 千葉興業銀行 マイカーローン | 10万円以上2,000万円以内 | 6か月以上15年以内 | 1,001万円以上は金利の範囲が別(下限が低い) |
| 北洋銀行 マイカーローン | 10万円以上2,000万円以内 | 6か月以上15年以内 | 1,001万円以上は変動金利のみ。保証会社が三井住友カードの場合は1,000万円が上限。500万円までは所得証明書類が不要 |
| 三十三銀行 マイカーローン | 10万円〜2,000万円 | 6か月以上15年以内 | 購入と同時のカー用品は50万円以内 |
| 南都銀行 マイカーローン | 10万円以上1,000万円以内 | 10年以内 | 確認した資料では記載なし |
出典:各行の商品ページ(三菱UFJ銀行・千葉興業銀行は2026年10月1日現在、三十三銀行は2026年8月3日現在)、三菱UFJ銀行の上限引上げのお知らせ、北洋銀行の商品説明書(2025年4月1日)。北洋銀行の所得証明書類の扱いは、申込時に満20歳未満の人を除きます。
3,000万円の上限は全国から申し込める三菱UFJ銀行の例です。2,000万円の3行のうち、千葉興業銀行と三十三銀行は営業地域内に住むか勤める人、北洋銀行は道内に居住地と勤務先の両方がある人が対象です。上限額の大きさは、高級車や輸入車、キャンピングカーなど高額な車を1本のローンで買えるかどうかに関わります。ただし、上限額が大きい商品ほど誰でも多く借りられるわけではありません。次の見出しで、上限まで借りられない理由を順に見ていきます。
公式ページに書かれた上限額は、その商品で貸し出す金額の最大値です。一人ひとりが借りられる額は、次の4つの条件で上限より小さくなります。
マイカーローンは使いみちが決まったローンなので、借入額は車の購入代金などの必要額が上限になります。千葉興業銀行は「お借入金額はご利用予定金額の範囲内」と明記しています。三菱UFJ銀行は、使いみちを確認する書類として、氏名・金額・振込先が書かれた見積書や注文書の提出を求めています。600万円の車を買うなら、3,000万円の商品でも借りられるのは600万円までです。
諸費用やオプションも対象になりますが、範囲は商品ごとに違います。三菱UFJ銀行は見積書に記載された付帯経費を対象とし、諸費用やオプション代金に使えるのは購入時だけです。三十三銀行は車と同時に買うカー用品を50万円以内とし、北洋銀行は購入と同時の申込みなら関連用品50万円までを見積書なしで上乗せできるとしています。見積書に載っていない費用は借りられないと考え、必要な費用は見積書に入れてもらってください。中古車の諸費用の扱いは「中古車の支払総額に含まれる諸費用は銀行マイカーローンで借りられる?」で詳しく説明しています。
借り換えの場合は、借り換えるローンの残高が上限です。三菱UFJ銀行と千葉興業銀行は、どちらも借り換えの借入額を現在の残高以内としています。残高が250万円なら、上限3,000万円の商品に借り換えても借りられるのは250万円までです。北洋銀行の商品説明書は、借り換えとその他の資金の併用はできないとしており、借り換えに別の費用を上乗せすることはできません。
三菱UFJ銀行は、マイカーローンの借入総額を、すでに利用中の残高を含めて3,000万円以内としています。さらに、ネットDEローン(マイカー・リフォーム・教育など)の合計も、利用中の残高を含めて3,000万円以内です。同じ銀行でリフォームローンを1,000万円借りている人が新たにマイカーローンを申し込む場合、商品の枠として残るのは2,000万円です。
北洋銀行は4社の保証会社のいずれかの保証を付けるとし、保証会社が三井住友カードの場合は上限が1,000万円になります。また、1,001万円から2,000万円の借入れは変動金利だけの取扱いです。同じ商品でも、どの保証会社の審査を受けるかや、固定金利を選ぶかどうかで、借りられる上限が変わります。
上限額まで借りた場合の返済額を確かめます。借入期間は三菱UFJ銀行の上限である10年、元利均等返済、ボーナス返済なしとし、金利は全期間変わらないものとして計算します。金利は年3.5%と年4.5%の2通りを仮定しました。どちらも計算のための仮の数字です。
表2 3,000万円を10年(120回)で借りた場合の試算(仮定)
| 金利(仮定) | 毎月の返済額 | 年間の返済額 | 利息合計 |
|---|---|---|---|
| 年3.5% | 296,658円 | 3,559,896円 | 5,598,960円 |
| 年4.5% | 310,915円 | 3,730,980円 | 7,309,800円 |
計算式:毎月の返済額=借入額×月利÷(1−(1+月利)のマイナス返済回数乗)、月利=年利÷12。毎月の返済額は円未満を四捨五入し、年間の返済額は毎月の返済額×12、利息合計は「毎月の返済額×120−借入額」で求めた概算です。
年3.5%でも、毎月の返済は約30万円、年間で約356万円になります。年収1,000万円の人なら、マイカーローンだけで年収の3割を超える金額です。住宅ローンなどほかの返済があれば、負担はさらに重くなります。利息合計は年3.5%で約560万円となり、借入額の2割近くに達します。
三菱UFJ銀行は、借入金額によって金利を4つの区分に分けています。2026年10月1日現在の表示は、200万円以下が年3.50%、201万〜500万円が年2.95%、501万〜1,000万円が年2.45%、1,001万〜3,000万円が年2.375%です(変動金利・保証料込み)。千葉興業銀行も、1,001万〜2,000万円の金利の範囲を年2.1%〜4.8%とし、10万〜1,000万円の年2.7%〜4.8%より下限を低くしています。
表3 三菱UFJ銀行の表示金利(2026年10月1日現在)がそのまま適用された場合の10年返済の試算
| 借入額 | 表示金利 | 毎月の返済額 | 利息合計 |
|---|---|---|---|
| 500万円 | 年2.95% | 48,165円 | 779,800円 |
| 1,000万円 | 年2.45% | 94,043円 | 1,285,160円 |
| 2,000万円 | 年2.375% | 187,405円 | 2,488,600円 |
| 3,000万円 | 年2.375% | 281,108円 | 3,732,960円 |
計算方法は表2と同じです。変動金利のため、借入後に金利が見直されると返済額は変わります。適用される金利は借入時点の月の金利で、申込時点の金利ではありません。
表示金利がそのまま適用されても、3,000万円を10年で返すと毎月約28万円、利息は約373万円です。金利の区分は借入額で決まるため、区分の境目の近くでは結果が逆転することがあります。表示金利どおりなら、500万円を年2.95%で10年借りると利息は779,800円ですが、頭金を1万円減らして501万円にすると年2.45%の区分に入り、利息は643,800円、総支払額も約13万円少なくなります。ただし、借入額は見積額などの必要額の範囲内に限られ、区分を下げるために必要額を超えて借りることはできません。境目に近い人は、頭金の額を変えた場合の総支払額を、銀行のシミュレーションで比べてください。
借入額が大きいと、収入を証明する書類の提出が必要になります。確認した資料にある主な書類は次のとおりです。
表4 確認した資料に記載された主な提出書類
| 銀行 | 収入の確認書類 | 使いみちの確認書類 |
|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | 201万円以上の場合に、源泉徴収票、住民税決定通知書、確定申告書第1表・第2表、納税証明書その1・その2などのいずれか | 氏名・金額・振込先が書かれた見積書など(注文書があれば注文書) |
| 千葉興業銀行 | 源泉徴収票、住民税決定通知書など | 見積書、注文書、購入契約書など |
| 北洋銀行 | 500万円までは不要(申込時に満20歳未満の人を除く) | 見積書・注文書など、販売業者への振込先 |
| 南都銀行 | 源泉徴収票、所得証明書など | 見積書など |
三十三銀行は、WEB申込みでは運転免許証と見積書の写真を例として挙げています。各行とも、ここにない書類の追加提出を求める場合があります。
三菱UFJ銀行は、本審査や借入れの後に車検証などの提出を求める場合があるとしています。借り換えでは、契約書、初回から最終回までの返済予定表、直近3か月の返済実績がわかる通帳などと、車検証または自動車検査証記録事項が必要です。電子車検証には所有者の記載がないため、自動車検査証記録事項を出すよう案内しています。
自営業の人は、源泉徴収票の代わりに確定申告書や納税証明書で所得を示します。三菱UFJ銀行の申込条件では、事業所得の人は前年度の申告所得が200万円以上であることが必要です。高額の申込みでは、申告所得が少ないと借入額が希望に届かない可能性があるため、直近の申告内容を確認してから申し込んでください。
今回確認した5行は、いずれもマイカーローンに担保を求めていません。三菱UFJ銀行・千葉興業銀行・北洋銀行・南都銀行は保証人も原則不要とし、保証会社の保証を付けます。3,000万円の車を買う場合も車に担保は設定しないため、返済できるかどうかは、本人の収入や返済負担をもとに保証会社と銀行が審査します。
申込みの最低条件も確認しておきましょう。三菱UFJ銀行は、前年度の税込年収が200万円以上、勤続(営業)年数1年以上を条件とし、年金収入だけの人は対象外です。外国籍の人は永住許可が必要です。千葉興業銀行は勤続年数や年収による制限はないとする一方、パート、アルバイト、学生を対象外としています。ただし、これらは申し込める条件で、条件を満たしても希望額が通るとは限りません。三菱UFJ銀行・三十三銀行・南都銀行は、審査の内容や詳細には回答できないとしています。
高額の申込みでは、使いみちと名義の条件にも注意が必要です。三菱UFJ銀行は、購入車両の売買契約書の名義がローンの申込者本人であることを求め、事業用・転売用・賃貸用の車には使えません。決められた使いみち以外に使ったことがわかれば、契約違反として一括返済を求められます。千葉興業銀行は、ほかの金融機関のローン(ディーラーローンなど)との併用はできないとしています。銀行ローンとディーラーローンに分けて借りる前に、併用の可否を確認してください。
申込額は、見積書の支払総額から頭金と下取り額を引いた金額にするのが基本です。オプションや諸費用を入れるなら、それらが見積書に載っていることを確認します。まず必要額を正確に出し、上限額は目安にとどめてください。
次に、表2のような試算で、毎月と年間の返済額を確かめます。高額の車では、ローンの返済に加えて任意保険料や自動車税、整備費も大きくなります。年間の返済額と維持費の合計が家計に収まるかを確認し、収まらなければ車の価格帯や頭金を見直してください。
事前審査の後に車種や金額が変わると、審査をやり直す場合があります。三菱UFJ銀行は、申込内容が契約時に変わった場合は再審査を行う場合があるとし、審査結果の有効期限を3か月としています。北洋銀行の商品説明書も、契約前に借入金額や期間が変わると再審査や再申込みになる場合があるとしています。金額が増えそうなときは、早めに銀行へ連絡してください。仮審査後に購入額が変わった場合の手順は「マイカーローンの仮審査後に車種や購入額が変わったら?」で扱っています。
高額の車をローンで買うときは、銀行のマイカーローンとディーラーローンを、借りられる額、金利、車の所有者の扱いで比べます。千葉興業銀行のように、銀行ローンとディーラーローンの併用を認めない商品もあるため、どちらか一方で必要額をまかなえるかが判断の分かれ目になります。南都銀行は、ディーラーローンでは完済まで車の所有権が販売店側に残ると説明しています。希望額を複数の銀行でいくらまで提案されるか比べたいときは、CrowdLoanで保証会社の事前審査を受け、届いた提案の金利や借入可能額を見比べる方法があります。マイカーローンの事前審査の有効期間は3か月です。融資の可否と条件は保証会社と金融機関が審査し、CrowdLoan自体は融資の審査をしません。提案が届くとは限らず、表示される金利や借入可能額は目安で、金融機関の最終審査で変わることがあります。個人間売買で車を買う人は、CrowdLoanのマイカーローンを利用できません。また、すでに三菱UFJ銀行などの取引銀行で高額の借入枠や金利を確認できており、その条件で決めている人は、その銀行に直接申し込むほうが手続きは少なくて済みます。
高額の借入れを考えている人から出やすい疑問に答えます。
三菱UFJ銀行では、同行のマイカーローンの残高と、ネットDEローン(マイカー・リフォーム・教育など)の残高を含めて3,000万円以内です。同じ銀行で別のネットDEローンを利用中なら、新たに借りられる枠はその分だけ小さくなります。他行の借入れの扱いはこの枠の説明には書かれていませんが、ほかの借入れがあることは審査の判断材料になると考えておくのが安全です。
使えません。借入額は見積額などの必要額の範囲内で、千葉興業銀行・北洋銀行・南都銀行は融資金を購入先へ直接振り込みます。三菱UFJ銀行は、決められた使いみち以外への利用がわかった場合は一括返済を求めるとしています。
上限額まで借りられるとは限りません。北洋銀行はよくある質問で、借入れできるかどうかは年収そのものより「年収に対して、無理のない返済プランかどうか」が重要だと説明しています。三菱UFJ銀行のように勤続年数1年以上を条件にする商品もあり、審査の内容は公表されていません。希望額が通らなかった場合は、頭金を増やすか、借入額を下げて申し込み直すことになります。
商品によって変わります。三菱UFJ銀行は1,001万円以上の区分の表示金利が最も低く、千葉興業銀行も1,001万円以上の金利の下限を低くしています。一方、北洋銀行は1,001万円以上だと固定金利を選べません。金額の区分ごとの条件を、申込み前に確認してください。
調査日:2026年10月18日。各行の公式ページと商品説明書を確認しました。借入金額、金利、必要書類は変わることがあります。試算は仮定の条件で計算した目安です。
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