ローンがまだ残っている状態の車なのに、事故を起こしてボロボロになってしまったら、多くのドライバーは落ち込んでしまうことでしょう。
ドライバーの心理としては、事故を起こして愛車に乗れなくなったとしてもローン返済の義務がなくなるわけではないため、修理して乗り続けたいと思う人は多いかもしれません。

しかし、ローンを上手に活用することで、事故車を修理して乗り続ける以外に「新しい車に乗り換える」という選択肢を選ぶこともできます。
この記事では、ローンを組んでいる車で事故に遭った際、ドライバーが選べる選択肢について解説します。

ローンを組んだ車で事故に遭った場合の主な選択肢

ローンを組んだ車で事故に遭い、車が大破するなど何らかの問題が生じた場合、大きく分けて次の2パターンの選択肢が考えられます。

• ローンを清算（一括返済）する
• ローンを清算（一括返済）しない

以下、それぞれのパターンについて解説します。

ローンを清算（一括返済）するパターン

車が事故に遭い、その車に乗れないなどの理由からローンを清算する場合、清算後は次のうちのいずれかを選択するのが一般的です。

• 廃車手続きをする
• 廃車買取業者に買取を依頼する

以下、上記2パターンについて解説します。

廃車手続きをする

事故に遭った車が全損状態であるなど、修理そのものが難しい状況であれば、廃車にするしかないのが現実です。
車を購入する際にディーラーなどでローンを組んだ場合、いったんローンを一括返済して、車の所有権をドライバーに移してから廃車手続きを進めます。

ただし、金融機関でローンを組んだ場合は、お金を借りたドライバー本人が車の購入先にお金を支払うことになるため、必ずしも一括返済を金融機関から求められるとは限りません。

廃車買取業者に買取を依頼する

廃車手続きを進める場合、自力で運輸支局まで出向いて手続きするのは時間的に厳しいため、廃車買取業者に買取を依頼する方法もあります。
自力で廃車手続きを行うのと同様に、一括返済はしなければならないものの、廃車手続きに関しては廃車買取業者が代行してくれます。

車として乗り続けるのは難しい場合であっても、パーツ単体で見れば価値が付くものもあるため、全損扱いの場合は廃車買取業者に相談してみましょう。
ただし、修理しないと乗れない状況ではあるものの、車自体にはまだ価値があるケースの場合は、中古車買取業者に相談する方法もあります。

ローンを清算（一括返済）しないパターン

車が事故に遭い、その車に乗れなくなったからといって、誰もが一度にローンを清算できるとは限りません。
事故車のローンを清算できない場合は、次のような選択肢の中から、自分にとって最善の方法を選ぶことになります。

• 修理工場で修理してもらってから乗り続ける
• 廃車手続きをしてから、新しい車を買わずにローンを支払い続ける
• 中古車・廃車買取業者に買い取ってもらってから、新しい車を買わずにローンを支払い続ける
• 車を新たに購入して、ローンの組み換えを行う

以下、それぞれの選択肢について解説します。

修理工場で修理してもらってから乗り続ける

事故を起こしてしまったものの、損傷が比較的軽度で修理費用もそれほどかからなければ、修理工場で修理してもらい、引き続き同じ車に乗り続けることもできるでしょう。
具体的な修理代金を一律でまとめることはできませんが、バンパー・ドアのへこみといったダメージなら、概ね10万円以下で修理してもらえるものと考えられます。

ただし、全損ではないものの損傷の度合いが激しかったり、エンジン・フレームなど車の重要箇所に損傷があったりする場合は、中古車を購入できるくらいの修理代を覚悟しなければなりません。
そのようなケースでは、今後のことを考えて、廃車・売却を検討するのが妥当といえます。

廃車手続きをしてから、新しい車を買わずにローンを支払い続ける

金融機関でカーローンを組み、その後事故を起こしてしまった場合は、所有者がドライバーになることが一般的です。
その場合は、まず廃車手続きを済ませてから、新しい車を買わずにローンを支払い続ける方法もあります。

もう乗らない車のために残債を支払い続けるのは、少なからず負担になりますが、再度事故を起こすリスクは低くなります。
仕事で使用しなければならないなど、車がどうしても必要な理由がないのであれば、次の車を急いで購入しなくてもよいでしょう。

中古車・廃車買取業者に買い取ってもらってから、新しい車を買わずにローンを支払い続ける

事故に遭った車自体にまだ価値があるなら、いったん中古車・廃車の買取業者に買い取ってもらい、まとまったお金を得る方法もあります。
その上で、新しい車を買わず、売却代金をローンの支払いに充当できれば、返済の負担も軽くなるでしょう。

車を新たに購入して、ローンの組み換えを行う

すべての金融機関・ディーラーに当てはまる話ではありませんが、場合によっては「ローンの組み換え」を実施することにより、新しい車を購入できます。
ローンの組み換えとは、新たに乗り換える車のローンに対して、事故を起こした車の分のローン残価を上乗せし、最終的にローンを一本化することです。

ドライバーとしては、一括返済の負担なく新しい車に乗れるメリットがある反面、すでにローンがある状態で新しいローン契約を組むことになるため、その分審査に通る可能性は低くなります。

保険に加入している場合は車両保険・新車特約が役立つ

事故を起こした際に加入していた自動車保険（任意保険）のプランによっては、車両保険の保険金が受け取れる場合があります。
その金額によっては、残っているローンの返済も可能になるため、事故を起こしたら加入している自動車保険のプランを見直してみましょう。

例えば、新車を購入して「新車特約」に加入している場合、車が全損したとしても、新しい車に乗り換える分だけの費用を保険金でカバーできるかもしれません。
新車特約に加入していなかったとしても、加入している車両保険によっては、修理費用の一部、または全額を補てんできる可能性があります。

ただし、いったん車両保険を利用してしまうと、翌年度の保険料も上がってしまいます。
よって、保険を使用するかどうかは、今後のことも考えて慎重に検討しましょう。

ローンを組んだ車が事故に遭ったら買い替えた方がいい？

ドライバーによっては、ローンの返済以前に「そもそも事故に遭った車に乗り続けるのは大丈夫なのか？」と不安を感じる人もいるでしょう。
この点に関しては、車の状態や年式などを総合的に判断して、今後も乗り続けるかどうか決めることをおすすめします。

買い替えるより修理した方がよい場合

事故に遭った車の損傷が、それほどひどくない場合は、まず修理を検討しましょう。
具体的には、損傷の程度が次にあげるレベルのものであれば、修理して乗り続けても問題ないと判断されるケースが多く見られます。

• 車のフレームなど骨格部分が損傷しておらず、修理後の走行に支障をきたさないことが予想される
• 修理費用が10万円程度で収まる

意外かもしれませんが、中古車市場で「事故車」にあたるかどうかは、単純に事故に遭ったかどうかではなく、車の骨格部分を損傷したかどうかで判断されます。
よって、中古車市場で事故車に該当しないレベルのダメージなら、きちんと修理すれば乗り続けても支障はないと考えてよいでしょう。

年式も重要なポイントの一つ

事故に遭った車を修理して乗り続けるかどうか判断する上では、その車の年式も重要なポイントの一つになります。
年式が新しい車は、修理が必要になった場合であっても、比較的部品が手に入りやすい傾向にあります。

逆に、年式が古い車の場合、自動車メーカーがその車のパーツを在庫として持っていない可能性も考えられます。
前モデルのパーツを流用できるケースもありますが、何か不具合が生じるたびにパーツがあるかどうか心配することになるおそれがあるため、年式の新しさも判断材料に含めるとよいでしょう。

買い替えてしまった方がよい場合

修理するよりも買い替えてしまった方がよい場合としては、基本的に修理した方がよい場合の逆のケースが該当します。
以下のような問題がある場合は、いっそのこと買い替えてしまった方が、後悔は少ないはずです。

• エンジン・フレームといった重要箇所が損傷している
• 複数の箇所が破損・故障しており、修理代が100万円以上になる

車の骨格部分に損傷がある車に乗り続けると、そうでない車に比べて不具合が生じる確率が高いとされており、その後事故を起こさなくても色々な問題が生じるものと考えられます。
一見何の問題もないように見えても、車が歪んだ状態で走り続けることになるため、ある日予期せぬトラブルが生じることもあります。

保険金がもらえるなら「当面乗る車」を買う選択肢もある

事故により保険金がもらえるのであれば、それをローン返済に充てた上で、当面の間乗るための車を中古車から探す方法もあります。
修理に100万円前後かかるような場合、それなら状態の良い同額の中古車を購入した方が、コスト面でもコンディションの面でも安心できるはずです。

中古車市場で人気がない色の車や、フルモデルチェンジ前の車種などを選べば、格安で乗れる車を探すことも十分可能です。

ローンが残っている車の買い替え時は、ローンの組み換えがオススメ

ここまで、ローンを組んでいる車で事故に遭った場合の主な選択肢をいくつかご紹介してきましたが、ローンが残っている車を買い替えたい場合は、可能であればローンの組み換えを選びたいところです。
以下、ローン組み換えのメリットや注意点について解説します。

ローン組み換え時のメリット・注意点

現在残っている事故車分のローンに、新しい車のローンを加える形でローンの組み換えを行うと、一括返済をする必要がなくなります。
その上で、新しい車に乗ることができるため、ローンが組めれば一括返済に比べて経済的負担が大幅に軽減されます。

しかし、ローンを組み換えるとそれだけ月々の返済額も増えてしまい、これまでよりも返済負担が増すことは覚悟しなければなりません。
また、誰でもローンの組み換えができるわけではなく、組み換えた後のローンを支払える能力がある人でなければ、そもそも組み換えという選択肢が選べません。

その他、ディーラーに所有権がある車で事故を起こしてしまった場合は、引き続きそのディーラーで車を買うことになる可能性がある点にも注意が必要です。

金融機関に相談するなら「クラウドローン」

ローンの組み換えを検討している場合、ディーラーに相談するよりも、カーローンを提供している金融機関に相談した方が低金利でローンを組める可能性があります。
もし、新たに金融機関でローンの組み換えを検討しているなら、全国各地の金融機関から提案を受けられる「クラウドローン」の利用がおすすめです。

クラウドローンは、ディーラーや信販会社などに比べて安い金利が適用される「全国の金融機関」が取り扱うカーローンの提案を受けるのに最適です。
審査に必要な最小限の情報をWeb上で入力するだけで、条件を満たした金融機関から提案を受けられるため、銀行に出向くことなく希望のプランを検討できます。

まとめ

まだローンが残っている車で事故に遭った場合、ローンを清算するかどうかで判断が分かれます。
事故の程度によっては修理して乗り続けることもできますが、全損の場合は廃車・買取といった方法も選ばなければなりません。

ディーラーなどでローンを組んでおり、ローンの一括返済が難しい場合は、カーローンの組み換えを検討するのも良い方法です。
ただし、審査の難易度が厳しくなり、返済額も増加することが予想されるため、金融機関など少しでも金利を安くできるような借入先を選ぶことが大切です。

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