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「寒冷地仕様」はそうでない車と何が違う?特徴・メリット・注意点などを解説

四季の変化が美しい日本ですが、土地が南北に長い分、北日本と南日本では気候にも大きな差があります。
そのような事情から、北海道や東北・北陸など、雪や寒さが厳しい土地では、購入できる車の仕様も「寒冷地仕様」となっているものが多く見られます

雪が降る地域、冬場に-10℃以下まで気温が下がる地域においては、暖かい地域から車を持ち込むと故障等につながるリスクもあるため注意が必要です。
この記事では、寒冷地仕様の特徴に触れつつ、メリットや注意点などを解説します。

「寒冷地仕様」の車とは

寒冷地仕様と呼ばれる車は、一般的に「寒い地域でも快適に乗れる車」のことを指します。
いわゆるオフロード仕様のように、道が見えないような雪深い場所をグングン進んでいくような車のことではなく、あくまでも一般的なラインナップを寒冷地で走りやすいようにしたものが該当します。

多くの場合、寒冷地仕様車は-10℃以下になるような地域においても、スムーズにエンジンがかかるような装備を搭載しています。
事実上、寒冷地で車を運転するのであれば、ほぼ選択の余地がない仕様といえるかもしれません。

寒冷地仕様の車に見られる主な特徴

寒冷地仕様の車は、気温が下がっても、雪が降っても、スムーズにエンジンをかけて走れるような機能を備えています。
以下にご紹介する通り、装備も標準仕様に比べて冬の諸事情を考慮しているため、車に詳しくないドライバーでも安心して運転できるでしょう。

バッテリーの容量が大きい

寒冷地仕様において、重要かつ特徴的な装備の一つが、標準仕様に比べて容量が大きいバッテリーです。
バッテリーは、エンジンをかける際に欠かせないものですが、寒さによって化学反応が弱まるという難点があり、冬場はエンジンがかかりにくくなることも珍しくありません。

そこで、寒冷地仕様では容量が大きいバッテリーを搭載することで、多少性能が落ちても問題なくエンジンがかかるよう配慮されています。
ちなみに、寒冷地で走るディーゼル車の場合、バッテリーを2基搭載しているケースも見られます。

オルタネーターの発電量が大きい

自動車で電気を使用する際は、バッテリーの容量だけでなく、オルタネーターの性能も重要です。
オルタネーターとは、自動車で使用する電気を発電する部品のことで、こちらも寒冷地仕様と標準仕様で違いが見られます。

例えば、標準仕様のアンペア数が100Aの車があった場合、寒冷地仕様では130Aに強化されたオルタネーターを装備していることもあります。
詳細は後述しますが、寒冷地仕様の場合はヒーター機能を利用する場面も多いことから、寒冷地仕様の電力使用量に対応できるような装備は必要不可欠なのです。

「冬ワイパー」がある

雪が降ることがほとんどない地域では、基本的にワイパーを夏場・冬場で交換することはないでしょう。
しかし、寒冷地では雪が降るケースを想定して、冬場は「冬ワイパー」に交換するのが一般的です。

冬ワイパーは、寒さ・雪を考慮して作られたワイパーのため、雪を拭き取るのに適したタフな設計となっています。
凍結や錆を防止するため、金属部分がゴムで覆われていたり、雪を拭き取るためのラバー部分が分厚くなっていたりするのも特徴です。

ヒーター機能が充実している

寒冷地仕様では、気温が低く雪が降っている状況においても、運転手が快適に運転できるようヒーター機能が充実している傾向にあります。
例えば、ワイパーが凍結してしまうケースに備え、フロントガラスのワイパー接触部に電熱線を搭載している車もあります。

サイドミラーの結露・くもりを除去するため、ミラーヒーターを搭載している車は、吹雪いている中でも視界を保つのに便利です。
なお、各種ヒーター機能に関しては、車種によっては寒冷地仕様においてもオプションになっている可能性があるため、購入前に確認しておくことをおすすめします。

エンジンオイル・冷却液にも違いが見られる

エンジンオイルや冷却液(クーラント)に関しても、寒冷地仕様で採用されているものは、標準仕様と異なります。
低温の環境においてはエンジンオイルの温度も低下するため、その分粘度が硬くなってしまうことから、寒冷地仕様では冬場の走行に向いたオイルが使用されています。

エンジンオイルの粘度に関しては、世界中で「SAE粘度表示」という表記が用いられており、例えば「0W-20」や「10W-30」といった形で表記されます。
低温環境下においては、Wの前に書かれた数字が重要な情報となり、0Wは-35℃、10Wは-25℃の環境に適応していることを示しています。

また、冷却水は寒冷地仕様と標準仕様で「濃度」に違いがあり、濃度が薄い冷却水は寒冷地で凍ってしまうおそれがあります。
そのため、寒冷地仕様は基本的に濃度50%のものを採用しており、標準仕様は30%となっている車が多いようです。

その他の寒冷地仕様の特徴

先にあげた特徴以外にも、寒冷地仕様に搭載されている装備は数多く存在します
ドライバーの快適性だけでなく、自車の後部を走る車両に向けた装備もあり、一例としてリアフォグランプがあげられます。

積雪した路面を走っている車は、雪を巻き込むような形で走行しなければならないため、天候によってはストップランプ・テールランプが見えにくいことがあります。
そこで、より照度の高いランプとして、リアフォグランプが搭載されている車があるのです。

また、寒冷地特有の道路事情に配慮した例としては、降雪地に散布されている融雪剤「塩化カリウム」対策として、車両の下回りに防錆機能の高い塗装を施したケースがあげられます。
その他、暖かい空気を出すため、ヒーターラジエータの容量が大きくなっている車があるのも、寒冷地仕様の特徴の一つに数えられるでしょう。

寒冷地仕様の車に乗るメリット

寒冷地仕様は、一般的に寒冷地で車に乗るための選択肢として用意されていますが、比較的温暖な地域で暮らしている人であっても、あえて寒冷地仕様を選ぶメリットは存在します。
以下、寒冷地仕様の車に乗るメリットについて、主なものをいくつかご紹介します。

雪深く寒い場所に車で出かけられる

全国各地で気候や降雪量が異なる日本においては、移動する場所によって路面状況が変わることがあります。
冬場に山間部に移動すれば、必然的に降雪や低温の影響を受けやすくなるため、標準仕様では事故・スタックのリスクなどが高まるでしょう。

しかし、あらかじめ寒冷地仕様を選んでおけば、すでに寒冷地で運転しやすい装備が搭載されているため、冬場のレジャーでスキー・スノーボードなどを楽しみたい場合に便利です。
例えば、東京近郊に住んでいる人が車でスキー場に向かう場合、天気次第ではタイヤをスタッドレスに、ワイパーを冬用に交換するだけで出かけることも十分可能です。

もちろん、寒冷地独特の運転技術は必要になってきますが、少なくとも標準仕様で移動するよりは安心して運転できるはずです。

天候の変化に対応しやすい

冬場に北日本に向けて車を走らせる場合、地域によっては雪が積もっているところもありますし、逆にそれほど雪が降っていないところもあります。
同様に、走行時の気温や天候にも差があるため、標準仕様で車を走らせる際はこれらの不確定要素に配慮してメンテナンスを行わなければなりません。

例えば、標準仕様の場合、エンジンオイルも冷却水も寒冷地を想定していない粘度・濃度のものが採用されています。
北日本への移動だけのために、エンジンオイルや冷却水を交換するのは、あまり経済的でないように感じてしまう人も多いはずです。

この点につき、寒冷地仕様は購入した時点で寒冷地用のエンジンオイル・冷却水が採用されているため、移動前に交換を検討する必要がありません。

車内を暖かい状態に保ちやすい

寒冷地であろうとなかろうと、寒がりな人にとっては、車のヒーターをONにしていても冬場の車内は寒いと感じるかもしれません。
もし、自分が普段から車内で寒さを感じやすいことを自覚している場合は、寒冷地仕様を購入した方が暖かく過ごせるでしょう。

寒冷地仕様は、ヒーターの性能が強化されている分だけ、車内を暖かい状態に保ちやすいのが特徴です。
シートヒーターなどと合わせて使用すれば、身体をしっかり温めることができるはずです。

そんな車のヒーターは、車内を循環する冷却水が「本来捨てるために吸い上げたエンジンの熱を再利用して車内を温める」仕組みとなっているため、エンジン始動直後は暖かい空気が送風口から出ず寒い思いをすることがあります。
寒冷地仕様の車の中には、その点を改善するため、エンジン始動直後に暖房を補助してくれるスタートアップヒーターを備えた車種もあります。

寒冷地仕様の車に乗る際の注意点

寒冷地仕様は、標準仕様で車を走らせることが多い地域であっても、有効に活用できることが分かりました。
しかし、万人にとって寒冷地仕様が最適解になるとは限らないため、実際に購入を検討する際は以下の点に注意しましょう。

標準仕様に比べて価格が高い

寒冷地仕様は、基本的に「標準仕様の車をベースにグレードアップしている」車であるため、標準仕様に比べて10万円前後高くなることが予想されます。
転勤の機会が多い・全国各地を車で旅行する予定があるなど、色々な都道府県を移動する機会が多い人にとっては、10万円を投資してでも安心を買うことにつながるかもしれません。

このように、寒い時期に寒い地域を走る上では、確かに大幅なリスク削減につながる寒冷地仕様ですが、基本的に暖かい地域でしか車を走らせない場合は“宝の持ち腐れ”になってしまうでしょう。
暑い時期が長ければ長いほど、強力なヒーターが役に立つ機会は限られますし、あえて寒さに強いオイルや冷却水を選んで交換し続ける意味もないはずです。

標準仕様を購入後に寒冷地仕様にするのは難しい

標準仕様の車を購入した後、何らかの理由で寒冷地仕様への改造が必要になった場合、それは可能かどうか疑問に思った方も多いでしょう。
結論からいうと、寒冷地仕様は「新車で購入する際のオプション」であることから、基本的に新車で寒冷地仕様を選ばなければなりません。

新車のオプションの中には、購入時でなければ装備できないものが数多く存在しており、寒冷地仕様もその中の一つです。
よって、寒冷地仕様が欲しいと思った場合、中古車で寒冷地仕様のものを選ぶケースを除き、新車購入段階で決定する必要があります

仮に、標準仕様の車を寒冷地仕様に近づけたいと考えるなら、次のような限定的な方法しか選べないため注意しましょう。

  • 容量が大きなバッテリーを積む
  • 濃度の濃い不凍液に交換する など

寒冷地仕様を買うなら「クラウドローン」で安心!

寒冷地への転勤などが急に生じた際、寒冷地仕様の車を手に入れるためには、基本的に「新しい車に買い替える」以外の選択肢がありません
そのような場合は、金融機関が取り扱っている“金利が低いローン”を探しやすい「クラウドローン」の利用がおすすめです。

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転勤後に車を購入する場合は、転勤先の近くにある金融機関の情報をチェックするのにも役立ちます。

まとめ

寒冷地仕様の車は、バッテリー容量やオルタネーターの機能が高く、冬用ワイパーやヒーター機能なども充実しており、寒い地域での走行に適しています。
雪道や低温といった状況でも安心して運転でき、車内も暖かく保てるメリットがあります。

ただし、標準仕様より価格が高い傾向にあり、購入後に寒冷地仕様に改造するのは難しい点に注意が必要です。
急に寒冷地で車が必要になった場合は、金融機関が取り扱う金利の低いローンを探せる、クラウドローンの利用をご検討ください。


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