2024年10月29日
一昔前の自動車市場では、自動車のスタンダードな車種といえば「セダン」という意見が一般的でした。
しかし、近年ではSUVがその存在感を増してきており、現代における“定番”的な存在になりつつあります。
一見、ボディサイズが大きく取り回しが悪そうに思えるSUVですが、なぜ多くのドライバーから人気を集めているのでしょうか。
この記事では、SUVが世界中で選ばれる理由について、近年話題の「EV」との相性にも触れつつ解説します。
目次
SUVとは、正式名称を「Sports Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)」といい、これを日本語に訳すと「スポーツ用多目的車」といった意味合いになります。
アウトドアなどの用途で利用しやすく、レジャー用品もたくさん積めるよう、荷室も広めの設計になっています。
セダンなどの車種に比べて、最低地上高が高く作られており、オンロードだけでなくオフロードも走れるのが特徴です。
また、4WDの車種など、悪路走破性に優れるモデルも多く見られます。
一口にSUVといっても、実際にはその用途・構造によって、大きく以下の5種類に分けられます。
コンパクトSUV | ●主に、排気量660cc以上、全長約4,400mm以下のサイズのSUVが該当する ●日常利用に適したサイズ感で、SUVの運転に自信がない人でも運転しやすいのがメリット |
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ミドルサイズSUV | ●主に、全長約5,000mm未満で、コンパクトSUV以上のサイズが該当する ●オンロード・オフロードのいずれにも対応できるが、どちらかというと街乗りのニーズが高め |
フルサイズSUV | ●ミドルサイズSUVを超えたものが該当する ●悪路走破性の高さ、室内空間の広さを兼ね備えているのが特徴 |
クロスオーバーSUV | ●SUVと他のボディタイプを組み合わせた車種をいう ●オンロード性能を強化したものが多く、ラグジュアリー感のあるデザインを特徴としているモデルもある |
クロスカントリーSUV(クロカン) | ●強力な悪路走破性を備えた車種で、林道や岩場のような本格的なオフロードを走行する性能が高い ●オフロードでの安定した走行を支える「ラダーフレーム」が特徴の一つ |
あまりアウトドアに車を利用しない、出かける範囲が限られる人は、小さめのSUVを選べば問題ないでしょう。
逆に、趣味に多用することを想定している人や、車自体のデザイン性にこだわる人などは、フルサイズSUV・クロスオーバーSUVなどの選択肢を検討することになりそうです。
様々なタイプのSUVが登場していることからも分かる通り、SUVは多くのドライバーのニーズを満たす形で進化を続けてきました。
そのような事情もあり、以下のような理由から、SUVを支持するドライバーは世界中に数多く存在しています。
SUVの大きな特徴の一つとして、室内空間が広く設計されている点があげられます。
比較的小さいサイズのものでも、ラゲッジスペースには相応の荷物を積める構造になっており、ボディサイズが大きくなれば、それだけ多くの荷物を積載できます。
また、ボディサイズが大きいSUVの中には、3列シートを搭載しているものもあります。
荷物ではなく“乗員”を増やせるため、ミニバンと似た使い勝手を実現できるのも、SUVを選びたくなるポイントの一つです。
シートアレンジ次第では、さらに荷室を広げられるため、アウトドアの趣味にも活用しやすいはずです。
ハイブリッド・クリーンディーゼルなどの車種が登場していることも、ドライバーにとっては魅力の一つに数えられます。
雪道や未舗装路などの路面状況においても、SUVは難なくスムーズに走ることができ、ハンドリングも安定している傾向にあります。
モデルによっては、悪路を走ることを想定したモードを搭載しているものや、路面状況に応じた機械式の副変速機を備えているものなどがあります。
例えば、日常生活ではオンロードを走るためのモードを、休日にアウトドア目的で林道を走る場合はオフロード向けのモードを、ドライバーが意図的に選択することができるのです。
もちろん、市販されるすべてのSUVに搭載されているわけではありませんが、「路面状況を問わない」という意味での走行性能が高いのは、ドライバーに強い安心感を与えます。
ただし、オンロード主体で走るのか、それともオフロードも走る機会があるのかによって、車種を選ぶ必要がある点には注意しましょう。
スポーツ用多目的車であるSUVは、全体的に力強い・アクティブな印象を与えるデザインのものが多く見られます。
簡単に言い換えると「カッコいい」車が多いため、車は見た目も重要だと考えているドライバーにとっては、非常に魅力的な車種の一つに分類されるでしょう。
用途や想定ユーザー層に応じて、エクステリア・インテリアのデザインに幅があるのも、SUVのメリットです。
例えば、主に都市部を走ることを想定しているモデルの場合は、ラグジュアリー感やスタイリッシュさを追求したデザインとなっています。
逆に、アウトドアでの利用を想定しているモデルは、無骨とも思えるようなデザインが採用されているケースが多く見られます。
軽自動車のSUVを探してみると、可愛らしいポップなデザインのものも見つかります。
そもそも、SUVというジャンルがどこで生まれたものか歴史を紐解くと、1960年代のアメリカで誕生したといわれています。
もともとは、ピックアップトラックをベースに、荷台に“シェル”と呼ばれる屋根を被せて、多用途に使用できるようにしたのが始まりとされます。
その後、ユーザーのニーズを汲み取る形で進化を続ける中で、今なお多くのドライバーから支持される居住性の高さ・安定した走行性能を実現するに至りました。
加えて、SUVに「ステータス性」を付加するメーカーも登場するなど、プレミアム志向が加わったこともSUV人気を後押ししています。
将来的には、先進安全装備に代表されるような新機能を搭載することも期待されており、SUVは今後更なる進化を遂げる可能性がある車種といえます。
SUVが世界中で選ばれる理由について触れる上では、近年話題となっている「EV」との相性の良さについても説明が必要です。
ボディサイズを考えると意外に思えるかもしれませんが、実は、SUVはEVに適したボディタイプなのです。
SUVの人気が高まり、世界的に広がり始めた頃、メーカー側は次世代の車である「EV」の開発にも目を向けている状況でした。
しかし、当時のメーカーはEV専用のプラットフォームを作ることを想定しておらず、その一方で開発の必要に迫られていました。
そこで、多くのメーカーは「将来的にEV製造が必要になった際、速やかにEVとして転用可能なモデル」について考えなければならず、そこでSUVに注目が集まりました。
車高の高さを活かし、バッテリーを床に敷いて対応できるSUVは、EVへの転用が容易だと判断されていたのです。
SUVがEVに適したボディタイプだと考えられているのは、EVが「車に関連する最先端のサービス」と相性が良いことも一因です。
例えば、車の進化の方向性を示す用語として「CASE」というものがありますが、CASEとは以下の頭文字をつなげたものです。
Connected(コネクテッド) | ●「車の通信機能が強化される」こと ●車内エンターテイメントの充実、事故時の通報システムなどが、具体的なサービスの方向性として想定される |
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Autonomous(自動運転) | ●運転手が不要な「完全な自動運転」のこと ●自動ブレーキやクルーズコントロールなどが前段階として知られる |
Shared & Services(シェアリングとサービス) | ●車を複数のユーザーで共有するサービスのこと ●いわゆる「カーシェアリング」などが具体的なサービスとして知られる |
Electric(電動化) | ●車の電動化、つまり「EV」など環境に配慮した車のこと ●二酸化炭素排出量削減のため、EVのシェアを増やす意味合いで用いられることが多い |
このような方向性で車を進化させるにあたっては、必然的に多くの電力を要するため、大きなバッテリーを積みやすいSUVが適していると考えられるのです。
他の車種と比較して、SUVは車高が高く設計されていますが、このような設計は走行中のロール(横揺れ)の原因となります。
ただし、この弱点は、主にガソリン車など「エンジンを積んでいる」SUVに当てはまるものです。
SUVタイプのEVは、バッテリーを車体底部に搭載する構造となっているものが多く見られます。
バッテリーが車体底部に搭載されると、バッテリーの重量により重心が下がり、結果として走行時の安定性を高めることにつながります。
ある意味、SUVの弱点は、EV化によってある程度克服できるものと考えられます。
車の新しいスタンダードとして、人気が高まっているSUVではありますが、誰にとってもメリットが大きい車とは言い切れません。
以下、SUVの購入を検討するにあたって、注意しなければならない点をいくつかご紹介します。
軽自動車やコンパクトカーに比べると、SUVは乗り手を選ぶ傾向があります。
特に、背丈の小さい子供や、乗車時にひざや腰に負担がかかりやすい高齢者は、SUVのように車高が高い車だと乗り降りがしにくいかもしれません。
また、ドライバーが車を運転する場合、車高の高さは前方をスムーズに見渡すことに役立つ反面、ボンネットよりも下の状況が見えにくい傾向にあります。
近くに子供や動物がいても、それに気付かず事故を起こすリスクが考えられるため、運転技術に自信がない人は運転を控えた方が安心できるかもしれません。
バック時を想定すると、ボディサイズが大きいSUVの場合は、車庫入れなどに手間取る可能性も考えられます。
その他、重い荷物を積まなければならない場合は、ラゲッジスペースまで荷物を高く持ち上げる必要があるため、その点も人によっては不便に感じられるでしょう。
購入するモデルにもよりますが、走行性能や耐久性を重視して作られているSUVは、総じて購入費用が高額になる傾向にあります。
また、タイヤサイズも大きい車が多いため、人によっては購入時の初期費用をどのように工面するかが課題となります。
加えて、ボディサイズが大きいSUVの場合、ガソリン車だと燃費も馬鹿にならず、想定外のランニングコストが生じる可能性も十分考えられます。
予算面で心配がある人は、カーローンを組むなどの選択肢を検討せざるを得ないでしょう。
購入時の負担を少しでも軽減したいのであれば、ディーラーなどでおすすめされる金利の高いカーローンを利用するのではなく、金融機関で取り扱っている“金利の低い”ローンの利用がおすすめです。
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SUVは、広い室内空間と悪路も走れる走行性能、そして多様なニーズに応えるデザインなどがウケており、世界中で人気を集めています。
EVにも適したボディタイプで、バッテリーを床下に搭載することで重心が下がるなどもメリットから、多くのメーカーがSUVタイプのEVを製造・販売しています。
しかし、車高が高い分乗り降りがしにくいなどのデメリットがあり、大きいサイズになるほど価格も高くなる傾向にあるため、自分だけでなく「家族のこと」を考えた上で購入を検討しましょう。
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