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私立高校の併願で入学金はどうなる?延納・辞退時の返金と募集要項の読み方

私立高校を併願するときは、入学金を公立高校の合格発表より前に払うのか、後まで待てるのかが最初の分かれ目です。待てる学校もあれば、待てない学校や条件付きの学校もあり、いったん払った入学金は返らないという記載が多く見られます。全国一律の決まりはなく、各校の募集要項が基準になります。

この記事は、2026年10月7日時点で確認できた私立4校の2026年度募集要項と、文部科学省・日本政策金融公庫の公開資料をもとに、延納の読み方と資金の備えを整理します。4校は読み方を示す例で、地域や学校の傾向を代表するものではありません。授業料の支援制度の説明は最小限にとどめます。

まず「入学手続時」と「入学後」に分ける

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募集要項の学費欄は、払う時期で二つに分かれていることが多くあります。入学手続時に納めるお金と、入学後(4月中など)に納めるお金です。巣鴨高校の2026年度要項では、入学手続時に入学金350,000円を払い、入学後の4月中に、施設費200,000円などを含む合計263,000円を納める形でした。

併願で気をつけたいのは前者です。合格発表から短い期間で払う入学金の扱いが、公立高校の結果が出る前の資金に直結します。入学後に払う費用は、進学先が決まってから準備しても間に合います。

4校の要項で見た延納と返金の違い

次の表は、各校の公開要項から、延納と返金に関する記載を抜き出したものです。

学校併願の入学手続延納に関する記載入学金・返金の記載
巣鴨高校(東京)2月13日〜17日。出願時の入試区分で選ぶと、公立高校の合格発表の翌日15:00まで延期できる延期時の手続金は不要。2次募集や後期日程の発表時までの延期はできない入学金350,000円。納付した入学金は返金できない
駒込高校(東京)併願受験生は、各都県の公立高校の合格発表翌日の正午まで(東京・神奈川・埼玉・千葉。ほかの府県は相談)一般(B)の「第一志望申請書」には「入学手続きの延納はできません」と記載入学金250,000円(2025年度実績)。「入学保障対価」で、辞退しても返金しない
追手門学院大手前高校(大阪)高校入学生の併願は3月18日(木)12:30まで抜粋した要項には延納の記載を確認できなかった入学手続時に入学金250,000円と学習費80,000円を納入(別に約3,000円)。辞退した場合の入学金は返金しない
明星高校(東京)入学金決済サイトで支払い。期間内に完了しないと手続を辞退したものとして扱う延納の記載を確認できなかった入学金250,000円。一度納めた入学金は理由を問わず返金できない

表のとおり、延納の有無、期限の基準、条件は学校ごとに違います。巣鴨のように出願時の入試区分で選ぶ方式では、出願の時点で延納を選ぶかどうかを決める必要があります。要項には、延期を選ばなかった受験者を合格判定ライン上で優遇するという記載もあり、延納の選択が合否の判定に関わる可能性があります。

駒込は、同じ学校の中でも入試区分によって延納の扱いが分かれていました。併願受験生は公立の発表翌日の正午まで待てますが、第一志望として申請する区分では延納できません。学校名だけでなく、受ける入試区分ごとに確認することが大切です。

募集要項で確認したい項目

要項は、同じ内容でも学校ごとに用語が違います。「延納」と書かない学校もあり、「手続延期」「手続期限」などの語で探すと見つかります。次の6項目を、志望校ごとに表に書き出しておくと、見落としを防げます。

確認項目要項での探し方見落としたときの影響
入学手続の期限(日付と時刻)「入学手続」「手続期間」欄期限までに完了しないと辞退扱いになる(4校とも同旨の記載)
延納できる入試区分「延納」「手続延期」「併願」「第一志望」第一志望や専願の区分では延納できない場合がある
延納の基準日公立の合格発表の何日後・何時までか駒込は翌日正午、巣鴨は翌日15:00。2次募集や後期を含むかも学校で違う
延納時に払う手続金手続金の有無・額手続金が必要なら、その分は先に用意する
入学金・施設費などの返還条件入学金の注記、納付金の表入学金は返金なしの記載が多い。入学後に払う費用の扱いは別に確認する
辞退の連絡方法「辞退」の記載、連絡先手続を終えた後の辞退は、決められた窓口へ連絡する必要がある学校がある

地域によっても事情は変わります。駒込の要項は東京・神奈川・埼玉・千葉の公立発表日を基準にしつつ、ほかの府県は相談としていました。県外の学校を受けるときは、受験する学校の所在地と、自分が受ける公立の発表日が一致しているかを確認してください。

返金のルールをどう考えるか

入学金が返らないという記載の背景には、私立大学の在学契約を扱った最高裁判所の判決(平成18年11月27日)があります。文部科学省は、この判決を受けて、大学・短期大学・高等専門学校・専修学校・各種学校に通知(平成18年12月28日)を出しました。通知には、3月31日までに入学辞退の意思を示した人には、原則として納付した授業料などの返還に応じることを明確にするよう書かれています。ただし、専願や推薦入試で合格して在学契約を結んだ人は、この扱いから除かれています。入学料については、入学し得る地位の対価という性質があり、特別な事情がない限り、返還義務を負わないという整理です。

この判決と通知の対象に、高等学校は挙がっていません。高校にそのまま当てはめて「返金される」「されない」と判断することはできません。高校の場合は、各校の要項と、学校が示す辞退・返還の手続きが基準になります。入学金以外の費用の扱いは、要項に書かれていなければ学校へ問い合わせるのが確実です。

平均の額にも注意が必要です。学習費調査(令和5年度)で、私立高校(全日制)の「入学金等」は年額平均80,290円でしたが、この区分には、併願で実際には入学しなかった学校へ払った費用や入学検定料も含まれます。要項で見た入学金は25万〜35万円で、平均とは水準が違います。見積もりは平均ではなく、志望校ごとの要項の額で組み立ててください。

併願で一時的に必要になる資金の見積もり

延納できない学校を併願すると、公立の結果が出る前に入学金を払うことになります。たとえば、入学金350,000円の学校と250,000円の学校の両方で、延納せずに手続きをしたとします。払う額は合計600,000円です(仮定の組み合わせで、実際の出願パターンではありません)。進学しない側の入学金は、要項に返金不可と書かれていれば戻りません。

この資金は、延納や出願区分の選び方で小さくできます。また、私立高校の授業料に対する就学支援金(2026年度は全日制で年額45万7,200円が上限)は、授業料に充てる支援です。入学金には使えません。

手元の資金で足りないときは、日本政策金融公庫の教育ローンが選択肢になります。公庫のページでは、入学金や授業料などの学校納付金、受験費用が使いみちに含まれ、入学時の費用は合格発表前でも申し込めます。受験費用は、学校に合格する前でも利用できるとされています。入学資金は、原則として入学する月の翌月末まで融資を受けられます。

注意したいのは時間です。公庫は、申込み完了から審査結果まで通常10日前後、融資金の振込までさらに10日前後かかるとしています。入学シーズン(10月〜3月)はもっと長くなる場合もあるため、必要な時期の2〜3か月前の申込みが目安です。入学金の期限が合格発表の数日後なら、合格を待たずに早めに動く必要があります。2026年10月7日時点の公庫のページには、2026年9月28日からインターネット申込みに日本公庫ダイレクトへのログインが必要になること、10月10日から11日にかけてサービス停止期間があることも掲載されていました。申込み方法は変わることがあるので、手続きの前に公式ページを見てください。

借りる場合の目安として、入学金35万円を年4.05%の固定金利で3年返済にすると、毎月の返済額は約10,341円、利息の合計は約22,283円です。600,000円を5年返済にすると、毎月約11,063円、利息の合計は約63,807円になります(いずれも保証料を含まない仮定の試算です)。公庫の金利は2026年7月1日現在の年4.05%で、お借入れの日の金利が適用されます。

支払い方法は順番に比べる

併願の資金は、自己資金で足りるか、学校の延納・分納で足りるか、授業料以外の費用に支援制度を使えるか、それでも足りない分を教育ローンで補うか、の順に考えると整理できます。借りる前に、延納の条件と手続金の有無を要項で確認すれば、そもそも借りずに済む場合があります。

教育ローンは、公庫のほかに銀行の商品もあります。使いみち、金利、保証会社の条件、入金までの日数は商品ごとに違うため、同じ借入額・返済期間で総額を並べて比べると違いが見えます。審査の結果によっては、希望どおりに借りられないこともあります。

CrowdLoan(クラウドローン)では、希望の借入額や用途を登録すると、銀行から融資の提案を受けられます。公庫の教育ローンや学校の延納・分納と並べて、返済額と入金時期を比べる材料として活用してみてください。

出典

巣鴨高等学校「2026年度 生徒募集要項」(PDF、2026年10月7日確認)

駒込高等学校「2026年度 募集要項」(PDF、2026年10月7日確認)

追手門学院大手前高等学校「生徒募集要項 & 出願情報登録の手引き 2026年度入試」(PDF、2026年10月7日確認)

明星高等学校「生徒募集要項 2026」(PDF、2026年10月7日確認)

文部科学省「大学、短期大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校の入学辞退者に対する授業料等の取扱いについて(通知)」18文科高第536号(PDF、2026年10月7日確認)

文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」結果の概要(PDF、2026年10月7日確認)

文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(PDF、2026年10月7日確認)

日本政策金融公庫「教育ローン(教育一般貸付)」ご利用条件・金利(2026年10月7日確認)

日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)」トップ(2026年10月7日確認)

日本政策金融公庫「よくあるご質問 国の教育ローン」(2026年10月7日確認)


POINT

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