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多子世帯の大学無償化(2026年度)の対象・上限・対象外費用と、入学前に確認したい現金と減免時期

多子世帯の大学無償化は、授業料と入学金を「国が定めた上限額まで」減免する制度で、現金が支給されるわけではありません。2026年度の私立大学の上限は、授業料が年70万円、入学金が26万円です。国公立大学は授業料54万円、入学金28万円です。所得制限はなく、子ども3人以上を扶養している間は第1子から対象になります。ただし、施設設備費・実験実習料・諸会費などは対象外で、授業料や入学金が上限を超える分も自己負担です。さらに、認定までの時期や、すでに納めた入学金の扱いは大学ごとに異なります。この記事は2026年10月7日時点の文部科学省・JASSO・各大学の公開情報にもとづく一般的な整理です。2027年度入学の条件は、必ず公表される最新の資料で再確認してください。

対象校・対象者・上限額を整理する

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文部科学省のFAQ(令和8年9月16日更新)では、支援の対象は、国の要件を満たした確認大学等です。大学、短期大学、高等専門学校(4・5年生)、専門学校が含まれます。対象校の一覧は文部科学省のサイトで公開されているため、志望校が載っているかをまず確かめます。減免額は、各学校の授業料等が減額される形で、国が学校に費用を支給します。

学校種国公立:入学金国公立:授業料私立:入学金私立:授業料
大学28万円54万円26万円70万円
短期大学17万円39万円25万円62万円
高等専門学校(4・5年)8万円23万円13万円70万円
専門学校7万円17万円16万円59万円

金額は年額の上限で、実際の減免額は上限と、その学校の授業料・入学金のうち小さいほうになります。たとえば入学金が20万円の私立大学なら、入学金の減免は20万円までです。26万円全額を受けられるわけではありません。

対象になる「多子世帯」は、生計維持者の住民税上の扶養親族となる子どもが3人以上いる世帯です。大学院生も扶養している間は人数に数えられ、第1子が大学院へ進んで扶養が続けば、第2子以下は引き続き対象になり得ます。第1子が大学を卒業して就職しても、すぐには外れません。文部科学省のFAQでは、毎年10月に前年12月31日時点の扶養状況を確認するため、令和8年3月に卒業した第1子がいる場合、第2子以下は令和9年9月まで多子世帯と判定されることがあるとされています。

一方、きょうだいに一定以上の収入があると扶養から外れ、人数に数えられません。令和8年度の住民税を使う判定からは、申込者本人以外の特定親族(合計所得金額95万円以下、給与収入のみなら160万円以下)を、学校を通じて提出する申告書で確認します。アルバイトをする学生本人についても、収入が一定額を超えると扶養する子どもと認められず、対象外になる場合があります。

いつの時点の家族構成で判定されるか

子どもの人数は、申込みの時期によって基準日が変わります。高校3年生で申し込む予約採用は、申込前年の12月31日時点の情報です。入学後の春の在学採用は、申込前々年の12月31日時点で見られます。秋の在学採用は、申込前年の12月31日時点の情報です。きょうだいの誕生や就職などで人数が変わった家庭は、春と秋のどちらで申し込むかで結果が変わり得ます。春に対象外でも、秋に再度申し込める点はJASSOのリーフレットにも書かれています。

申込みは、予約採用が高校3年時の4月下旬から、在学採用は春が4月から、秋が9月からです。学校ごとに締切が違うため、日程は在籍する学校の奨学金窓口で確認します。給付型奨学金とは別に、多子世帯は授業料等の減免だけの対象になる人も申込みが必要です。また、世帯の資産は、多子世帯の授業料等減免の場合、3億円未満が基準とされています。

対象外になる費用と、給付型奨学金との違い

減免の対象は授業料と入学金だけです。日本政策金融公庫の資料も、いわゆる高等教育無償化で減免となる費用は入学金と授業料で、受験費用、教科書代、通学費用、パソコン購入費、自宅外通学の住居費用などは含まれないと説明しています。施設設備費、実験実習料、諸会費、教材費、下宿の初期費用も同様に別途必要です。

給付型奨学金は別の仕組みで、世帯の収入に応じて満額から4分の1まで支給額が変わります。多子世帯でも収入が基準を超える場合、給付型奨学金は支給されません。JASSOの公開資料では、私立大学の第4区分(多子世帯に限る)の月額は、自宅通学が9,600円、自宅外通学が19,000円です。年額にすると115,200円と228,000円で、授業料の減免とは別枠です。「無償化」という言葉から生活費まで出ると受け取らないよう注意してください。

貸与型奨学金との併用もできますが、無利子の第一種奨学金は、授業料等の減免や給付型奨学金を使う場合に、振り込まれる額が少なくなったり、0円になったりすることがあります。有利子の第二種奨学金には、こうした調整はありません。

私立大学の平均額で自己負担を試算する

文部科学省の調査(令和7年度入学者の私立大学昼間部)による初年度納付金の平均額に、減免の上限をあてはめると、無償化後も残る負担額が見えてきます。これは全国の平均値による仮定の試算で、個別の大学の請求額とは一致しません。授業料の区分や名称は大学で異なるため、必ず募集要項の納付金表で置き換えてください。

区分(令和7年度平均)授業料入学料施設設備費合計減免の上限を適用した最大の減免額残る自己負担(3費目)
私立・文科系学部850,392円219,951円141,892円1,212,235円919,951円292,284円
私立・理科系学部1,195,313円245,362円161,378円1,602,053円945,362円656,691円

文科系の式は、授業料850,392円のうち上限70万円までと、入学料219,951円(上限26万円以内)を足して919,951円、合計1,212,235円から引いて292,284円です。理科系は授業料が上限を495,313円超えるため、同じ式で656,691円が残ります。この表の合計には実験実習料などは含まれていません。理科系の総計は1,716,714円なので、実験実習料やその他を足すと自己負担はさらに増えます。無償化でも、理科系の初年度に70万円前後が残る可能性がある点を見落とさないでください。

入学前に必要な現金と、戻る時期の調べ方

入学金の納付期限は入学前にあることが多く、減免の認定は、入学後の申込みでは間に合わない場合があります。制度上、予約採用で採用候補者になっていれば、入学金や授業料の納入が猶予される場合があると、文部科学省のFAQに書かれています。ただし「場合がある」とされており、全校共通の保証ではありません。また、国公私立大学入学者選抜実施要項(令和9年度)は、制度の利用希望者が申請してから認定されるまでの間、学校が授業料の納付を猶予することを原則とすると定めています。

入学料の扱いは、大学の案内を読むと違いが分かります。大阪大学は、入学料の減免は入学直後の申請時期に認定された人に限り、在学採用の春や秋の申請で、すでに納めた入学料が遡って減免されることはないと案内しています。慶應義塾大学は、多子世帯でも申請しなければ減免されないとし、入学金の減免額は20万円で、対象は2026年4月入学者のみとしています。早稲田大学は、入学前予約採用か入学直後の学期に採用された場合に入学金(本学の場合20万円)の減免を受けられると案内しています。つまり、「いつ認定されたか」で入学金の扱いが変わると考えて、志望校ごとに確認する必要があります。

すでに納めた授業料や入学金がいつ戻るか、あるいは後から減免として差し引かれるかは、国が一律に決めたものではなく、大学が運用します。次の項目を、入学手続の前に学生窓口で確認しておくと、必要な現金の見通しが立ちます。

確認することなぜ必要か
入学手続時に納める金額と期限減免が決まる前に、現金で払う額が決まる
予約採用候補者の場合の納付猶予の有無と範囲入学金・授業料が猶予されるかは学校が決める
入学金は在学採用でも減免されるか大学によって、入学直後の認定に限る場合がある
納付済みの授業料の返金または相殺の時期・方法国が学校に支給する形で、返金時期は学校ごとに異なる
減免されない費目の分納・猶予制度施設設備費などは自己負担。支払い方法の選択肢になる

減免でカバーされない分の資金をどう組み立てるか

日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は、減免される入学金・授業料を原則として融資の対象にしていません。公庫のFAQにそう書かれています。一方で、入学金・授業料以外の受験費用、教科書代、パソコン購入費、自宅外通学の住居費用などには使えます。減免の対象にならない施設設備費や実験実習料、下宿の初期費用の資金を、教育ローンで補うという考え方になります。

また、公庫の金利は令和8年7月1日現在で年4.05%です。子ども3人以上の世帯で世帯年収500万円(所得356万円)以内の場合、年4.05%から0.4%下がると公庫のページにあります。仮に100万円を元利均等・10年(120回)で借りると、年4.05%なら月10,148円、総返済額はおよそ1,217,795円です。年3.65%なら月9,959円、総返済額はおよそ1,195,081円で、差は約22,700円です。保証料は含みません。優遇に当たるかどうかは、公庫の条件で個別に判断されます。

資金の集め方を比較するなかで、CrowdLoanのような選択肢の情報も確認できます。いずれも審査があり、承認や金利を事前に約束するものではありません。条件は申込み前に必ず公式の案内で確認し、返済できる範囲で検討してください。

出典・調査日

調査日:2026年10月7日。制度は年度ごとに見直されるため、申込み前に最新の公式資料と学校の案内を確認してください。


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