2023年11月13日
昨今、学び方も変化してきた影響もあり、通信制高校の生徒数も年々増加傾向にあります。なかには、通信制高校で学びながら、スポーツに励む全国レベルの運動選手もいるでしょう。
この記事では、通信制高校の学費の相場などについて詳しく説明していきます。公立か私立などによっても費用は変わりますが、高校進学においては、ある程度まとまった費用が必要になります。
学費の負担軽減制度についてもご紹介していきますので、通信制高校の進学を検討している親御さんは、ご参考にされてください。
目次
公立 | 私立 | |
---|---|---|
入学金 | 500円程度 | 2〜5万円程度 |
授業料 | 1~3万円程度/年 | 18~20万円程度/年 |
諸経費 | 3万円程度/年 | 3~10万円程度/年 |
通信制高校の公立と私立の学費を比較すると、ある程度の差があることがわかります。文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、全日制の公立高校に通う高校生1人あたりにかかる教育費は、年間約51万円なのに対し、全日制の私立高校に通う高校生は年間約105万円にもなるため、全日制に比べると通信制高校は安めの傾向と言えます。
通信制高校の学費は、入学金、授業料、諸経費がかかります。それぞれの内訳について、次に詳しくご説明していきます。学校の場所によっては、スクーリングの交通費などもかかりますので、余裕を持った費用の用意をしておくと良いでしょう。
通信制高校の入学金は、公立で500円程度、私立で2~5万円程度かかります。自治体にもよりますが、全日制の公立高校の入学金は5,550円または5,650円、全日制の私立高校は平均16万円程度かかると言われています。
通信制高校の授業料は、履修する科目や単位数に応じて決まることが多く、通常、1単位あたりの料金が設定されています。
公立の通信制高校では、1単位につきおよそ300円〜1000円ほどかかり、高校卒業に必要な単位は74単位以上必要になります。年間の取得目標単位数を25単位に設定した場合、1年間に1~3万円程度の授業料が必要になります。
一方、私立の通信制高校では、1単位6,500〜12,000円が目安となるため、3年間で卒業を目指す場合、1年間に16万円以上必要になります。
経済的な理由などにより、年間の授業料を抑えたい場合は、年間の取得単位を少なくして、3年以上かけて74単位を習得することも可能です。
そのほかの諸経費としては、教科ごとに必要なテキストや学習教材、通信費、スクーリング費用などがかかります。教材費は、年間2万円程度かかり、オンライン授業がある場合は、パソコンやタブレットといった通信環境が必要になります。
くわえて、通信制高校ではスクーリング、すなわち学校に登校して直接先生から授業を受ける必要があり、宿泊を伴う合宿スクーリングや集中スクーリングが実施される学校もあります。公立の通信制高校では2週間に1回のスクーリングが主流であり、私立の通信制高校は、通学回数が選べるケースが大半です。
交通費や宿泊費、食事代なども別途必要になってくるため、スクーリングにかかる費用を前もって調べておくと良いでしょう。
基本的に独学である通信制高校は、途中で挫折してしまうことが多いため、一般的には、通信制高校と同時にサポート校へ入学して、三年間で高校卒業資格を取得を目指します。サポート校は全国に200校以上あり、学習塾や予備校、専門学校が運営しています。多くの学校が担任制や少人数制であり、カウンセラーも常駐している学校もあります。
登校の頻度によっても費用は変動しますが、サポート校費用の目安としては、入学金込み・初年度で登校ペース:週1回約30万円、週3回約55万円、週5回約80万円ほどかかります。
サポート校の費用は、通信制高校の費用とは別に必要となるため、近隣のサポート校の学費をチェックしておくことをおすすめします。
通信制高校の学費は、家計にもある程度の負担を与えるため、少しでも費用を抑えたいもの。
それでは次に、学費を抑える3つの制度をご紹介していきます。お子様が利用条件にあてはまるか、ご一読ください。
高等学校等就学支援金とは、高校の授業料に充てるための返還不要の就学支援金のこと。支給条件に当てはまれば、通信制高校の教育費の軽減や無償化にすることができます。
支給条件は、日本国内に在住し、高等学校等に在学しているお子様が対象であり、高校等を卒業した生徒及び通信制は4年を超えて在学している生徒や、一定の基準を超過した収入がある世帯のお子様は対象外です。
くわえて、年収590万円または910万円未満の世帯が対象目安になりますが、世帯構成などが判定の際に考慮されます。詳細は文部科学省のHPをご覧ください。
支給額においては、通信制の公立高校の定額授業料の場合は月額520円、単位制授業料の場合は1単位につき336円支給されます。通信制の私立高校の定額授業料の場合は月額9,900円、単位制授業料の場合は、1単位につき4,812円が支給されます。通信制の私立高校においては、世帯所得や学校により加算支給される場合もあります。
都道府県によっては、通信制の私立高校において加算支給される場合もあります。例えば、東京都においては、国の就学支援金とは別に、年額およそ26万円を上限に助成を受けられます。さらに扶養する23歳未満の子が3人以上いる世帯においては、お子様一人につき年額およそ6万円の助成を受けることができます。
奨学金には、返済不要の給付型奨学金と卒業後に返済する貸与型奨学金の2タイプがあります。返済不要の奨学金のなかには、成績や家庭環境、生活状況などを本部へ報告する場合もあります。
次にいくつか奨学金を紹介しますので、ご参考にされてください。
高校生等奨学給付金とは、高校生等がいる非課税世帯に対して授業料以外の教育費の支援を行う制度のこと。教育費とは、教科書や教材費、PTA会費、修学旅行費、通信費といった費用になります。費用の目安としては、年額3~5万円ほど支給されます。各都道府県によって、支給額や申請手順などが異なりますので、お住まいの都道府県へお問合せください。
石澤奨学会奨学金は、定時制及び通信制の高校生に限定した奨学金です。特別な場合を除き、返済義務はなく、給付額は1ヶ月2万円です。採用後は、送金毎の受領書と近況報告、毎年1月に生活状況報告書を送付する必要があります。
あしなが育英会奨学金は、遺児や親が障がい認定を受けている家庭のお子様への奨学金であり、ほかの奨学金との併用も可能です。月額3万円の給付型奨学金が受けられます。私立高校入学一時金として30万円の貸与制度もあり、20年以内の無利子返済です。毎年度末に成績や進級の状況確認があります。
交通遺児育英会奨学金は、保護者が道路における交通事故での死亡や著しい後遺障害を持つ世帯のお子様への貸与・一部給付する奨学金です。支給額の月額は選択制であり、通信制高校の場合は2~4万円(うち1万円は支給)になり、入学一時金制度もあります。条件付きではありますが、海外語学研修や進学受験費用補助、自動車運転免許補助、家賃補助、学生寮などの制度があります。
日本学生機構奨学金は、低所得者世帯のお子様が大学・短期大学・高等専門学校(4年・5年)・専門学校へ進学希望の場合の給付型奨学金です。入学金や授業料の免除または減額と給付型奨学金の支給を受けられ、貸与型奨学金との併用も可能です。支給条件は、住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯であること、及び進学先で積極的に学ぶ意欲についても判定されます。自宅通学の受給額は、17,500~38,000円ほど、自宅外通学の場合は34,000~76,000円ほどかかります。
特待生を歓迎している通信制高校の中には、施設利用費が半額免除になったり、授業料以外の学費を一部免除してくれる学校もありますが、受給には条件があります。
「スポーツで全国大会に出場した経験がある」「学業で優秀な成績を修めている」が、全日制には行けない理由がある場合は、特待生制度を利用することができる通信制高校を探してみると良いでしょう。
高等学校等就学支援金制度を利用すれば、少ない負担で通信制高校へ進学することが可能になります。ただし、入学金は対象外のため、初年度授業料はいったん立て替える必要があります。万が一、支払いに余裕がない場合は、次にご紹介する教育ローンのご利用をおすすめします。
日本政策金融公庫が取り扱う国の教育ローン(正式名称「教育一般貸付」)は、低金利かつ固定金利で安心です。借入限度額は、350~450万円まで借り入れ可能であり、最長18年間の返済期間を設定可能です。通信制高校の受験料や交通費などにも利用できるため便利です。
ただし、ローンの申込は「世帯主」のみに限定されており、保護者に融資されます。低所得世帯でも申し込めるため、競争率が高めの傾向です。
銀行の教育ローンは、大きく分けて「証書貸付型(一括借入)」と「カードローン型」の2つに分類されます。借り入れ条件は、一定の収入と安定した職業である必要があり、借入限度額の目安は、300〜1,000万円程度になります。
必要な時に都度借り入れできるなど、利便性が高く充実したサービスを用意しています。なかには、団体信用生命保険付きの商品もあるため、万が一保護者が死亡または高度障害になった場合でも、お子様が継続して勉学を続けることができます。
利便性の高い銀行の教育ローンを探すのなら、クラウドローンがおすすめ。クラウドローンは、お金を借りたい人と融資したい金融機関をつなぐ日本初のプラットフォームです。全ての手続きもオンラインで完結し、最短3分で無料診断ができます。
公立か私立か、スクーリングの頻度によっても費用は変動していきますが、通信制高校に進学のためには、まとまった資金が必要になってくるため、しっかりとした資金計画が必要になります。
そのためには、中学生活の早いうちに学びたい分野や志望校、必要となる概算を早めに出すと良いでしょう。概算が出たところで、クラウドローンの無料診断をお試しください。お得なローンのご提案がまとめて届くため、多忙な受験生の親御さんでも情報収集にご活用いただけます。
貯蓄や奨学金、クラウドローンを上手に活用すれば、学費負担や精神的ストレスも軽減され、安心してお子様の進学を応援することができるでしょう。
「どの銀行が融資をしてくれるか分からない」をクラウドローンが解決
クラウドローン(https://pre.crowdloan.jp/)は、個人が銀行から低金利でマイカーローン、教育ローンなどの融資を受けられる国内唯一のプラットフォームです。
融資の目的や時期、金額などをクラウドローンに登録すると、各銀行が融資可能な金額や金利のプランの直接提案してくれます。時間と労力をかけずに複数の銀行からより条件のよい融資を見つけることができます。
詳しくはこちら
クラウドローンとは
“借りたい”を登録して
お得な提案を待つだけ
融資をしたい銀行から、直接プラン提案を受けることで、
資金を必要としている一人でも多くの人に、融資の機会を提供します。
通信制高校は柔軟な学習スタイルを提供し、生徒数が増加しています。この記事では、公立と私立の通信制高校の学費相場を詳しく比較し、特に経済的な負担を軽減する制度についても紹介しています。これから通信制高校への進学を検討している方々にとって、どのような費用がかかるのか、またどのようにして費用を抑えることができるのかを理解する手助けになる内容です。この情報をもとに、賢い選択をするための参考にしてください。