2023年12月14日
長年書き溜めてきたエッセイや、旅でおきたできごとを綴った旅行記、研究結果を論文にまとめたものや小説、絵本など、自分が記した文章を形にして残しておきたい、と思ったことはありませんか。
著者が自分で費用を負担し出版する「自費出版」であれば、その夢をかなえることができます。現在は、紙に印刷した本だけではなく電子書籍も普及し、自費出版がより身近になりました。多くの出版社や印刷会社、自費出版専門会社が自費出版を扱っており、出版に関する知識がない方でも気軽に挑戦することができます。
では、実際に自費で出版するにはどの位のコストがかかるのでしょうか。今回は、自費出版に必要な費用やその内訳について詳しくご紹介します。
目次
一概に自費出版といっても、文庫本かハードカバーか、写真集なのか、その種類やページ数、発行部数などによって金額は大きく変わります。依頼する会社によってもサービス内容や金額が異なり、大手出版社は比較的高い金額に設定されているようです。大手出版社で文庫本を出版した場合、1,000部で200〜300万円程度が相場ですが、デザインや装丁にこだわったり、発行部数が増えると1,000万円を超えることもあります。
1冊の本を仕上げるまでには、表紙や帯のデザイン、印刷、流通や在庫の管理など様々な作業があり、それぞれに金額が設定されています。
原稿を本の形に整えていく作業にかかる費用です。編集者に構成や執筆の相談にのってもらったり、本文作成をライターさんに依頼することもできます。原稿が手書きで作成されている場合は入力作業費が必要です。また、本文のレイアウトや表紙、帯のデザインにも費用がかかります。ここでかかる費用はおおよそ30~50万円程度ですが、内容が仕上がっていてあまり編集者の手を借りる必要がない場合は安く、逆に頻繁に相談にのってもらう必要がある場合は高くなる可能性があります。
ライターさんへのライティング費用や、表紙、挿絵に使用するイラストや写真をプロに依頼する場合は別途費用がかかります。
文章のチェックをしてもらう費用です。誤字脱字や「てにをは」、表記ゆれをチェックし、修正してもらいます。5〜10万円が相場ですが、文字数や修正個所の多さによって金額が変動します。
表記ゆれとは、同じ言葉を違う表現で表してしまうミスです。例えば、「子供」「子ども」「こども」という表記がひとつの本の中に混在してしまう状態のことを言います。
本を印刷し、製本する費用です。本のサイズやページ数、紙の種類によって金額が変わります。例えば、特殊紙(特別な紙)や特色(金銀や蛍光色など)を使用すると費用が高くなり、発行部数が増えるほど1冊の印刷・製本の費用が安くなります。
自費出版した本を実店舗の書店の棚に置いたり、ネット書店の販売ページを作成するために必要な費用です。出版の販売は取次という卸業者が仲介し、出版社と書店をつなぐ流通を担っており、その委託販売料も含まれます。また、本を販売するにはISBN(国際標準図書番号)の取得が必要です。
ISBNとは、日本図書コード管理センターへ申請し発行してもらう番号で、一般の商品についているJANコードと似た、書籍専用のコードです。出版社から出版する場合は出版社のISBNコードが割り当てられるため、個人で取得する必要がない場合もあります。また、イベント会場で直接販売したり、家族や友人に配布するなど、書店に流通させないのであれば取得する必要はありません。
出来上がった本を保管するための費用です。出版社の倉庫を借りて保管してもらいます。保管料は、1年で5,000円〜1万円程度が目安です。この費用は、在庫がある限り毎年発生します。また、出版社によっては更新料が必要なところもあります。
自費で出版するには、主に以下の4つの方法があります。
「自分の本を広く知ってもらいたい」「家族だけで楽しみたい」「利益を上げたい」など、出版の目的によって最適な出版方法が異なります。ここでは、それぞれのメリット、デメリットを詳しく説明します。
しっかりとした本を作りたい、自分の本を広く販売したい、という目的には、総合出版社からの出版がおすすめです。商業出版も手掛ける総合出版社の編集者は経験豊富で、企画からデザインまでの的確なアドバイスや、大型書店への配本、効率的なプロモーションが期待できます。
反面、じっくりと時間をかけて丁寧に制作するため時間がかかります。また、費用が高い傾向にあるため、安く仕上げたい、今すぐ出版したい、という方には不向きです。
手間や費用を抑えつつ出版できる自費出版専門の出版社は、ある程度自分の力で出版物の体裁を整えることができる方や、費用を抑えたい、という方におすすめです。電子書籍やオンデマンド印刷(少量の印刷に対応した印刷方法)による出版に力を入れている出版社も多く、低コスト、低リスクでの出版が叶います。
しかし、編集や流通に関する手厚いサポートが期待できない会社も多く、思ったほどの販売が見込めないこともあるようです。
自分で全データを用意し、印刷と製本のみを印刷会社に依頼すれば、最小限の費用で本を作ることができます。一方で、販促や流通のサポートは期待できないので、家族や友人に配布する本を作りたい時などにおすすめの方法です。
本の形にこだわらないのであれば、印刷代や流通費をカットできる 電子書籍での出版が可能です。自分の作品を気軽に出版してみたい方や、できる限り低コストで出版したいという方に適した出版方法です。
ただし、日本での電子書籍の市場規模はまだまだ成長過程にあり、本による出版と比べて広く人の目にふれるのは難しいという点や、本という形で残すことができないというデメリットがあります。
自費出版には、100~500万円前後の費用がかかります。更に、ライターやイラストレーターへの依頼や装丁へのこだわり、ページ数によって、もっと高額になる可能性もあります。では、どうすれば費用を抑えることができるのでしょう。必要なものには費用をかけつつ不要なものは節約し、予算内で満足のいく1冊を作る方法を考えてみましょう。
完全データ原稿を入稿することで、大幅に費用を抑えることができます。完全データ原稿とは、出版社や印刷会社が一切データに手を加える必要なく、そのまま印刷することができる状態の原稿のことです。手書きの原稿を入稿した場合と比べて、10万円以上抑えることができることもあるようです。ただし、縦書きなのか横書きなのか、フォントの種類やサイズ、行間や改行など、様々な設定や確認が必要になるうえ、誤字やレイアウトのミスもそのまま印刷されてしまいますので、完全データでの入稿には、製本に関する高度な知識が必要になります。
ハードカバーではなくソフトカバーを選ぶ、カラー印刷のページは極力減らしモノクロ印刷にする、紙質を下げる、などの工夫で印刷費を抑えることができます。ただし、絵本や写真集、画集などは、紙質や色味で仕上がりが大きく左右しますので、印刷費用を抑えることはおすすめできません。
出版費用は出版社によって異なります。ホームページにておおよその費用を掲載している会社もありますが、その金額に含まれるサービスが異なっていたり、発行部数が違ったりで正確に比較することができません。そこで、希望する発行部数やページ数、本のサイズ、必要なサービスをあげて、複数の会社に見積もりを依頼するとよいでしょう。
自費出版の費用の支払いのタイミングは、契約時に全額払う、印刷に入る直前に払う、契約時に半金支払い、残りは印刷に入るまでに納めるなど、出版社によって異なります。また、出版社によってはローンを用意しているところもあるようです。
今すぐには費用を用意できないが、できるだけ早く出版したい、という方は、銀行が用意するフリーローンを利用する方法があります。フリーローンは、使い道を限定しない個人向けのローンなので、もちろん自費出版費用としても活用することができます。フリーローンは、カードローンとは違い1回の審査で1回しか借り入れることができません。その代わり、カードローンより金利が低く設定されていますので、自費出版のように決まった金額をまとめて借りたい、という場合にはおすすめのローンです。
金利や返済期間は銀行によってさまざまです。より負担の少ないローンを探すには、多くの銀行を比較検討する必要があります。
自費出版のように、予め必要な金額がわかっている場合、借入金額などの希望条件を登録するだけで、借り入れ可能な銀行を一覧化してくれるクラウドローンでの比較がおすすめです。また、銀行から直接融資可能なローンの提案を受けることもできます。
申し込みから融資までWEBで完結しますので、銀行まで足を運ぶ必要がなく、忙しい方にも便利です。
満足のいく出版を実現するには出版社選びが大切です。自分が出版したい本のジャンルに強い出版社を選ぶことで、納得のいくサポートを受けることができるでしょう。また、編集サポートだけではなく、販促サポートも大切なチェックポイントです。過去には、ローンを組んで自費出版した本がベストセラーになった、という例もあります。
多少費用がかかっても、とことんこだわった1冊を作り上げたいのか、それとも費用をおさえて複数冊の本を出版したいのか、などによっても依頼する出版社が変わってきます。
自分の出版の目的や本のジャンルをしっかり把握し、後悔のないよう、希望に合った出版社選びをしましょう。
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夢の自費出版を実現しようと考えている方にとって、この記事は必読です。自分のエッセイ、旅行記、研究論文から小説や絵本まで、幅広いジャンルの作品を形にする方法として、自費出版の可能性を探ります。紙の本はもちろん、電子書籍としても出版可能で、出版初心者でも手軽に挑戦できる方法を詳しく解説。自費出版の費用相場や、それに伴うさまざまなコストについても具体的に説明しています。