日本政策金融公庫が扱う「国の教育ローン」の金利が、2026年7月1日に年4.05%へ引き上げられました。2022年の年1.65%から約4年で2.4ポイント上昇し、国の教育ローンは低金利で安心というこれまでのイメージも、見直す必要がありそうです。
この記事では、金利上昇によって教育ローンの返済総額がどの程度増えるのかを具体的に試算しながら、教育資金を用意する3つの方法の選び方まで解説します。
目次

国の教育ローンは、日本政策金融公庫が運営する保護者向けの融資制度です。その金利が2026年7月1日に年4.05%へ引き上げられました。2026年に入ってからの引き上げは、これで3回目です。
金利は2022年の年1.65%から、2.35%、2.65%、3.15%、3.55%、3.75%と段階的に上昇し、現在の4.05%に至っています。4年間で2.4ポイント上昇したことになります。
背景にあるのは、長期金利の上昇です。10年国債の利回りが上昇すると、日本政策金融公庫の貸出金利にも影響し、国の教育ローンの金利にも反映されます。その結果、教育資金を借り入れる家庭の負担も大きくなっています。
以前は「国の教育ローンは低金利で安心」というイメージがありました。では、金利の違いによって、実際の返済負担はどれくらい変わるのでしょうか。同じ条件で借りた場合の返済額を比較すると、その差が見えてきます。
ここでは、350万円を10年間で借りた場合の返済額を比較します。
| ケース | 金利 | 月々の返済額 | 10年間の総利息 |
|---|---|---|---|
| 2022年当時の国の教育ローン | 1.65% | 約3.2万円 | 約30万円 |
| 2026年7月以降の国の教育ローン | 4.05% | 約3.6万円 | 約80万円 |
| 銀行教育ローン(低金利審査通過時) | 2.0〜3.5%程度 | 約3.2〜3.6万円 | 約37〜67万円 |
4年前と比較すると、国の教育ローンの毎月の返済額は約4,000円増えています。月々の差はそれほど大きく感じなくても、10年間の総利息では約50万円もの開きが生じます。
一方、民間の銀行が扱う教育ローンには、金利が2%台~3%台の商品もあります。現時点では、国の教育ローンより低い金利で利用できるケースもあります。
日本銀行は2026年6月に政策金利を1%へ引き上げました。年内にさらに利上げする可能性も指摘されており、今後も金利が上昇する可能性があります。
ただし、国の教育ローンは固定金利のため、いったん契約すれば、その後に金利が上がっても返済中の金利が変わることはありません。
注意したいのは、申し込む時期によって適用される金利が変わることです。次の入学シーズンとなる2月・3月には、現在より高い金利が適用されている可能性もあります。

教育資金を借りる方法は、大きく分けて「国の教育ローン」「奨学金」「銀行の教育ローン」の3つがあります。それぞれ、誰が借りるのかや、お金を受け取るタイミングなどに違いがあります。また、複数の方法を組み合わせて利用することも可能です。
借りるのは保護者で、入学金や授業料など、まとまった資金を一度に用意できます。融資の上限は350万円で、世帯年収に上限があり、一定以上の収入がある場合は利用できません。
一方、ひとり親世帯や年収200万円以下の世帯には、0.4%の優遇金利が用意されています。2026年7月時点の金利は年4.05%まで上昇しているため、優遇を受けても年3.65%と、決して低い水準とはいえません。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、学生本人が借り、返済義務も本人が負います。無利子と有利子の2種類があり、有利子タイプの金利も上昇傾向にあります。
毎月一定額が振り込まれる仕組みのため、入学時に一括で必要となる入学金や前期の授業料には充てにくい点が特徴です。国の教育ローンや銀行の教育ローンと組み合わせて利用することもできます。
借りるのは、国の教育ローンと同じく保護者です。融資の上限は1,000万円程度が目安で、私立大学の医学部などを対象に、2,000万円~3,000万円まで対応する商品もあります。
金利は変動金利と固定金利から選べ、現時点では2%台で借りられる商品もあります。所得が低いと返済能力の面から審査に通りにくい一方、国の教育ローンのような所得制限はありません。むしろ、収入が多いほど審査に通りやすく、金利の条件もよくなる傾向があります。
Web完結に対応する銀行も多く、申し込みから融資実行まで1週間~10日程度と、比較的スピーディーに利用できます。
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審査を通過すると、各銀行から固定金利・変動金利それぞれの条件や借入可能額の提案が届き、1つの画面で比較できます。金利や借入条件を見比べながら、より有利なローンを選びやすいのがメリットです。
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銀行の事前審査は、融資実行までの期間を最大2か月程度まで調整できる場合があります。一方で、あまり早い時期の申し込みには対応していないことが多く、審査から融資まで時間が空くと、その間に申込者の収入などの状況が変わる可能性があるためです。
そのため、基本的には合格発表後に申し込むのが現実的です。慌ただしい時期ではありますが、事前審査で自分に適用される金利や借入可能額を把握しておけば、国の教育ローンと具体的な数字を比較したうえで、どちらを利用するか判断できます。
教育費は、人生の中でも大きな支出の一つです。「国の教育ローンは低金利で安心」というイメージも、金利が年4.05%まで上昇した今、見直す時期にきています。借りる金額や期間によっては、金利の違いが返済総額に数十万円もの差を生むこともあります。
教育資金を借りる際は、国の教育ローンだけでなく、奨学金や銀行の教育ローンも含めて比較することが大切です。金利上昇が続く局面では、固定金利のローンを早めに比較・検討しておくのも一つの方法です。合格発表後は、国の教育ローンと銀行の教育ローンの条件を具体的な数字で比較し、家計への負担を考えながら、家族に合った借り方を選びましょう。
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