フリーローンの金利は、年収だけでは決まりません。「年収500万円なら年○%」という早見表は、金融機関の公式ページには見当たりませんでした。提示される金利は、金融機関が審査したうえで決めるものだからです。
この記事では、静岡銀行・京都信用金庫・百十四銀行の商品ページと、全国銀行協会、CICの資料をもとに、金利が決まる仕組みを整理します。年収以外に見られうる点、同じ年収でも金利が変わりうる理由、金利の差が返済額にどれだけ響くかも、仮定の計算で確認します。
目次
理由は大きく3つあります。
1つ目は、金利が「審査結果」で決まる商品が多いことです。商品ページには「審査結果により決定」と書かれていて、年収が何万円ならどの金利、という対応表は示されていません。
2つ目は、審査の中身が公開されていないことです。審査で何をどう見るかは、金融機関と保証会社が決めています。年収が見られることは確かですが、年収のほかに何が、どの程度効くのかは外からは分かりません。
3つ目は、金利が取引の状況でも変わることです。給与振込や住宅ローンの利用で金利が下がる商品があり、同じ年収でも条件が違えば結果が変わりえます。
なお、年収が無関係というわけではありません。年収は収入や返済能力を見る材料の1つとして、書類の提出を求められる場面もあります。ここで言いたいのは、年収だけを見て金利を言い当てることはできない、という点です。
2026年10月15日に、3つの金融機関の商品ページを確認しました。金利や条件は変更されることがあるため、申し込む前に最新のページで確認してください。順位付けや優劣の比較はしていません。
静岡銀行の「しずぎんフリーローン」は固定金利で、年4.5%、7%、9%、10%、12%、14.5%の6段階があります。ページには「審査結果により当行で決定させていただきます」と書かれています(商品概要は2026年5月21日現在)。保証会社の保証を利用する商品で、保証料は金利に含まれます。
同じページのFAQには、年収が低いと不安という質問への回答があります。「実際にお借り入れ可能かどうかは、年収そのものよりも『年収に対して、無理のない返済プランかどうか』が重要です」とあり、年収の額だけでなく、返済計画との釣り合いを見ていると読めます。
京都信用金庫の「京信LINEフリー」は変動金利です。通常金利は、同金庫の審査で5段階(年4.300%から14.500%)のいずれかに判定されます。さらに、給与振込を受けている場合や住宅ローンを利用している場合などに、最大で年1.000%引き下げられます。
同じ金庫には、金利の段階が1つの「ライフアシストフリー」という別の商品もあります。同じ金融機関でも、商品によって金利の決め方が違うということです。また、パート、アルバイト、主婦(主夫)の方は借入額が50万円以内という取扱いも書かれています。
百十四銀行の商品ページには、金利について次の趣旨の注意書きがあります。お客さまのお取引状況やお借入れ状況などをローン自動審査システムで審査し、その結果をもとに金利を設定するため、希望の金利にならない場合もある、というものです。
この商品は保証会社(株式会社百十四ディーシーカード)の保証付きで、ページには「金利は保証会社の審査結果および取引優遇サービスに応じて決定します」とも書かれています。取引優遇サービスと限定特別金利により、基準の金利から最大2.4%引き下げられる場合があるとされています。
表1 3つの商品ページで確認できた金利の決まり方(2026年10月15日確認)
| 金融機関 | 金利の決まり方(公式記載) | 取引による引下げ | 保証会社 |
|---|---|---|---|
| 静岡銀行 | 固定金利6段階。審査結果により銀行が決定 | このページでは確認できず | 保証会社の保証を利用。保証料は金利に含む |
| 京都信用金庫 | 変動金利。金庫の審査で5段階のいずれかに判定 | 給与振込、住宅ローン利用などで最大年1.000%引下げ | 指定の保証会社の保証を利用。保証料は金利に含む |
| 百十四銀行 | お取引状況・お借入状況を自動審査し、金利を設定 | 取引優遇サービス・限定特別金利で最大2.4%引下げ | 保証会社の保証付き。保証料は金利に含む |
出典は各金融機関の商品ページです。数値は調査日時点のもので、変わりうるものです。
金融機関や信用情報機関の公式記載から裏付けられる範囲で整理します。ただし、どの項目をどれだけ重視するかという審査基準は公開されていません。ここから先の記述は「見られうる」という意味で、「この条件なら金利がこうなる」という意味ではありません。
CICは、信用情報を「クレジット会社等がお客さまの『信用力』を判断するための参考資料として利用するもの」と説明しています。登録されるお支払状況には、残債額、請求額、入金履歴、延滞などの異動の有無が含まれます。申込みの際の情報(照会日、商品名、契約予定額など)は、照会日から6か月間保有されます。
全国銀行協会の申し合わせ(2017年)にも、審査で信用情報機関の情報を活用し、他の貸付けを勘案して返済能力を確認するよう努める、という趣旨の記載があります。静岡銀行の5秒診断でも、年齢、前年度年収に加えて、他社のお借入れ件数を入力する形になっています。
どの金融機関や保証会社がどの信用情報機関に照会するかは、会社ごとに異なります。
各ページには「安定継続した収入がある方」「継続安定した収入のある方」という申込条件が書かれています。京都信用金庫のようにパート、アルバイトの方の借入額に上限を設けている例もあります。勤務先への在籍確認が行われる場合があると明記している金融機関もあります。
金利そのものが雇用形態でどう変わるかについては、確認した範囲では記載がありませんでした。
商品ごとに借入額の上限と返済期間が決まっています。静岡銀行は最高500万円・6か月以上10年以内、京信LINEフリーは最大1,000万円です。百十四銀行は保証会社の審査で減額承認される場合があるとしています。金額や期間が金利区分にどう影響するかは、ページからは分かりませんでした。
給与振込や住宅ローンの利用などで金利が下がる商品があることは、先ほどの表1のとおりです。取引がある金融機関では条件が良くなる場合があるため、年収とは別の要因になります。
貸金業者が対象の貸金業法には、年収の3分の1までという総量規制があります。一方、銀行の貸付けは貸金業法の対象外です。ただし、全国銀行協会の申し合わせには、貸金業法の対象外であっても、多重債務の抑制や顧客保護の観点から態勢を整えることが求められている、と書かれています。
申し合わせの例示には、年収証明書などでお客さまの収入状況や返済能力を把握することや、保証会社と審査の方針を協議することが挙げられています。この文書は銀行カードローンの残高増加を背景にしたもので、例示にもカードローンが多く出てきます。フリーローンの審査が同じ水準で運用されているかは、この文書だけでは分かりません。
保証会社の役割や、保証料が金利に含まれる仕組みについては、個人ローンの保証会社とはの記事で詳しく説明しています。
ここからは仮定の例です。実在の金融機関の結果ではなく、金利の数値も説明のための仮定です。
年収が同じ500万円のAさんとBさんが、同じ金融機関に100万円を申し込むとします。Aさんは他社の借入がなく、その金融機関に給与振込口座があります。Bさんはカードローンの残高があり、取引は初めてです。
表1のように、取引による引下げがあり、審査で段階が判定される商品なら、Aさんの方が低い段階に判定され、さらに引下げも受けられる可能性があります。仮にAさんが年5%、Bさんが年10%と提示されたとすると、5年返済の返済額は次の表のとおりです。
表2 仮定の例:100万円・5年(60回)・元利均等返済
| 人 | 前提 | 仮定の金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| Aさん | 他社借入なし、給与振込口座あり | 年5% | 18,871円 | 1,132,260円 | 132,260円 |
| Bさん | カードローン残高あり、取引なし | 年10% | 21,247円 | 1,274,820円 | 274,820円 |
計算式は、月額=P×r/(1−(1+r)^−n)です。Pは借入額、rは年利を12で割った月利、nは返済回数です。月額は円未満を四捨五入し、総返済額は月額×60回、利息の合計は総返済額から元金を引いて求めています。実際の金融機関では端数処理や初回の日数計算が異なるため、数円から数十円の差が出ることがあります。
この例は、AさんがBさんより必ず有利になるという意味ではありません。金融機関の審査で何が見られるかは分からないため、結果は逆になることもありえます。同じ年収でも条件で変わりうる、ということを示すための例です。
金利の幅がどのくらい返済額に影響するのかを、年4%と年12%という仮定の金利で比べます。いずれも100万円を借り、元利均等で返済する場合です。
表3 仮定の金利による返済額の違い(100万円・元利均等)
| 返済期間 | 仮定の金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|---|
| 3年(36回) | 年4% | 29,524円 | 1,062,864円 | 62,864円 |
| 3年(36回) | 年12% | 33,214円 | 1,195,704円 | 195,704円 |
| 5年(60回) | 年4% | 18,417円 | 1,105,020円 | 105,020円 |
| 5年(60回) | 年12% | 22,244円 | 1,334,640円 | 334,640円 |
| 10年(120回) | 年4% | 10,125円 | 1,215,000円 | 215,000円 |
| 10年(120回) | 年12% | 14,347円 | 1,721,640円 | 721,640円 |
丸め方は表2と同じです。5年で見ると、年4%と年12%では毎月の返済額に3,827円、総返済額に229,620円の差が出ます。
返済期間を延ばすと毎月の負担は軽くなりますが、利息の合計は増えます。年12%で10年借りると、利息の合計は元金の7割を超えます。毎月の返済額だけを見て期間を決めると、総返済額が想定より膨らむことがあります。金利が高めに出た場合は、期間を短くできないかも一緒に検討してください。
年収から推定できない以上、実際に審査を受けて提示条件を見るのが確実です。ただし、提示された金利は仮のものという場合があります。静岡銀行のFAQも、事前審査で分かる金利と限度額は「あくまでも仮のものであり、実際のご融資条件とは異なる場合があります」としています。
申込みをするときは、次の点に気をつけてください。
複数の金融機関の条件を並べて比べる方法の1つとして、CrowdLoanのようなサービスもあります。クラウドローンは、入力した情報を提携の保証会社に連携するサービスで、融資の審査は保証会社と金融機関が行います。クラウドローン自体は融資の審査をしません。
CrowdLoanの事前審査を通過した場合でも、有効期間があります。公式ヘルプでは、マイカー以外は1か月、マイカーは3か月とされています。入金希望日が1か月より先の人は、タイミングが合わないことがあります。
また、提案は提携する保証会社単位で届き、選べる金融機関は限られます。すでに給与振込口座や住宅ローンのある取引銀行で、大きな金利優遇が見込める人は、その銀行に直接相談した方が条件が良くなる場合もあります。資金が必要な日まで日数がない人も、事前審査から本申込み、融資実行までにかかる日数を考えると、間に合わない可能性があります。
年収だけで金利が決まらないなら、実際に提示される条件を見て比べる方法があります。CrowdLoanは、複数の金融機関から提案が届くサービスです。提案の金利や借入可能額は確定ではなく、金融機関の最終審査で変わる場合があります。詳しくはCrowdLoanの公式サイトをご確認ください。
必ずとは言えません。金融機関の商品ページでは、金利は審査結果や取引の状況に応じて決まると書かれています。年収は審査の材料の1つですが、それだけで金利が決まるとは書かれていません。
一概には言えません。静岡銀行は、年収や職業に関係なく申し込めるとしたうえで、年収に対して無理のない返済計画かどうかが重要だと説明しています。ただし、結果は審査によります。借入額に上限を設ける金融機関もあります。
京都信用金庫や百十四銀行のように、給与振込などの取引で金利を引き下げる商品はあります。金融機関や商品によって異なるため、申込み前に商品ページの条件を確認してください。
確定とは限りません。事前審査や診断で示される金利は仮のものとされ、本審査で変わる場合があります。CrowdLoanの公式FAQも、提案された金利や借入可能額は確定ではないとしています。
調査日:2026年10月15日。金利や条件は変更されることがあります。
「どの銀行が融資をしてくれるか分からない」をクラウドローンが解決
クラウドローン(https://crowdloan.jp/)は、個人が銀行から低金利でマイカーローン、教育ローンなどの融資を受けられる国内唯一のプラットフォームです。
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