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ホリエモン「車は現金で買うな」は本当?発言の文脈と現金・ローンの判断基準

「ホリエモンが、車は現金で買うなと言っていた」という話を見聞きしたことがある人もいるでしょう。元になっているのは、堀江貴文氏のYouTubeチャンネルで2022年6月に公開された動画です。

この記事では、まず動画の中で実際にどんな流れで車の話が出たのかを確認します。そのうえで、手元資金を残すことの意味と、現金とローンの損益分岐を数字で整理します。確認日は2026年10月8日です。

現金とローンの一般的なメリット・デメリットは、車を現金で買うのはバカ?現金とローンそれぞれのメリット・デメリットを徹底検証で解説しています。本記事は、発言の文脈と、家計の条件ごとの判断方法に絞ります。

元動画で話されていたこと

そのクルマ、契約する前に比べよう。銀行・ディーラー・残クレの月々の返済・総支払額・維持費を比較。無料・登録不要のシミュレーターを使う。

動画の基本情報

対象の動画は「車を現金で買う人はバカ?賢くない人が搾取される実態とは【小笠原治×堀江貴文】」です。チャンネル「堀江貴文 ホリエモン」が2022年6月12日に公開した、約10分の動画です。

概要欄には、音声配信アプリ「ZATSUDAN」で配信されたトークの一部を公開したと書かれています。ゲストは実業家の小笠原治氏です。

まず押さえておきたいのは、「車は現金で買うな」という言い回しは動画タイトルそのものではないという点です。実際のタイトルは「車を現金で買う人はバカ?」で、末尾に疑問符が付いています。「車は現金で買うな」は、話題になる過程で広まった要約と考えるのが自然です。

車の話が出た流れ

この動画から確認できる範囲では、車の話は単独のテーマではありません。お金に困っている人の中には、契約を見直さずに損をしているケースが多いという話の中で出てきます。

会話はおおむね次の順で進みます。最初に携帯電話料金の話があり、高いプランのままにせず安いプランへ変えれば、毎月の支出を大きく減らせるという内容です。続いて、高校でお金の授業が始まったことに触れ、家計の見直しを子どもに教える意義が語られます。

その流れで「カモにされているのは携帯電話料金だけではない」として、自動車の話に移ります。例に挙がったのは「自動車をキャッシュで買っちゃう人」でした。続いて、社用車をサブスクリプションにしている話や、残価設定ローンで車を買った話が出てきます。

さらに、自動車ローンは今の世の中で優遇されているローンだという趣旨の発言があります。そのうえで「自動車のローンは絶対使った方がいい」「手持ちのキャッシュは大幅に増える」という趣旨の言葉が続きました。その後、話題は保険の見直しへ移ります。

この動画から確認できること、できないこと

上の内容は、YouTubeの自動生成字幕をもとにまとめた要旨です。自動字幕には話者の表示がなく、数字の誤変換も起こり得ます。

そのため、本記事ではどの発言を堀江氏と小笠原氏のどちらがしたのかを特定していません。残価設定ローンで買った車の金額や残価率も、断定を避けて引用しません。上の「」内の言葉も、逐語の引用ではなく発言の趣旨として扱ってください。

また、動画で語られていたのは「現金一括で買う必要はない」という考え方です。どの金利までなら借りるべきか、といった具体的な条件は、この動画からは確認できませんでした。

2022年と2026年では金利の前提が違う

動画が公開された2022年6月、日本銀行の短期の政策金利はマイナス0.1%でした。日銀は2022年6月17日の金融政策決定会合でも、この方針を維持しています。

その後、日銀は利上げを重ねました。2026年9月の金融政策決定会合では、短期金利の誘導目標を「1.0%程度」から「1.25%程度」に引き上げています。

政策金利の変化が、そのまま個々のマイカーローン金利に反映されるわけではありません。それでも、ゼロ金利に近い時期の「借りた方が得」という感覚を、そのまま今に当てはめるのは注意が必要です。2026年に判断するなら、自分が実際に借りられる金利で計算し直すことが出発点になります。

「現金を残す」ことの2つの意味

機会費用:残したお金を何に使うか

ローンを使って現金を手元に残す利点は、そのお金を別の用途に回せることです。例えば運用に回せば、利回り次第でローンの利息より多く増える可能性があります。この「現金で払うと失う、別の使い道の利益」を機会費用と呼びます。

ただし、運用の結果は約束されていません。金融庁も、株式や投資信託は預貯金より高いリターンを期待できる一方で、元本割れのおそれもあると説明しています。一方、この記事の計算例のように固定金利で借りる場合は、利息の総額が契約時に決まります。固定金利の借入コストは確定していて、運用収益は確定していないという非対称性を忘れないでください。なお、変動金利のローンでは、市場金利の動きによって将来の返済額が変わる可能性があります。

手元資金:急な出費への備え

もう一つの意味は、生活防衛資金としての役割です。貯金のほとんどを車に使うと、病気や失業、家電の故障などに対応しにくくなります。

運用をしない人でも、利息を払って手元の現金を残すという考え方は成り立ちます。適した選択は、どちらの意味を重視するか次第です。

数字で見る:300万円を5年で借りた場合

ここからは説明用の仮定で計算します。実在する商品の金利ではありません。条件は、車両の支払総額300万円、頭金0円、返済期間5年(60回)、元利均等返済、ボーナス払いなし、固定金利の年2%と年5%です。

月々の返済額はPythonで計算し、円未満を四捨五入しました。総支払額は月々の返済額に60を掛けた概算です。実際の契約では、初回や最終回の金額で端数を調整するため、数十円程度の差が出ることがあります。

条件月々の返済額総支払額利息の合計
現金一括-3,000,000円0円
ローン 年2%52,583円3,154,980円154,980円
ローン 年5%56,614円3,396,840円396,840円

単純な支払額で比べると、現金一括が最も少なくなります。年2%なら約15.5万円、年5%なら約39.7万円が、現金一括より多く払う金額です。金利が3ポイント違うだけで、利息は約24万円変わります。

手元に残した300万円はどうなるか

次に、300万円を手元に残し、そこから毎月の返済額を引き出して払う場合を考えます。元金も毎月取り崩していくモデルです。取り崩した後の残りが年0%から年6%の利回りで増えたと仮定しました。利回りは税金や手数料を引いた後の値とし、月ごとの複利で計算しています。

利回りによっては、5年の途中で手元のお金が尽きます。例えば利回り年0%なら、年2%のローンは58回目、年5%のローンは53回目の返済で足りなくなります。表では、60回の返済を終えた時点の差引残額を示し、足りなかった金額はマイナスで表しました。不足分には利回りを付けず、千円単位に丸めています。

残したお金の利回り(仮定)年2%で借りた場合の差引残額(不足はマイナス)年5%で借りた場合の差引残額(不足はマイナス)
年0%(運用しない場合)-155,000円-397,000円
年1%-80,000円-327,000円
年3%86,000円-175,000円
年6%378,000円97,000円

現金一括で買った人は300万円を使い切るので、差引残額は0円です。表の数字がプラスならローンを使った方が手元に多く残り、マイナスなら現金一括の方が有利だったという意味です。

表の利回りはあくまで仮定で、実際の運用成績は保証されません。この計算は、運用を目的にお金を借りることを勧めるものではありません。

損益分岐は「借入金利と同じ利回り」

この計算では、残したお金の利回りがローン金利とちょうど同じとき、差引残額がほぼ0円になります。つまり、年2%で借りるなら年2%を上回る利回り、年5%で借りるなら年5%を上回る利回りが必要です。

ここでの利回りは税金を引いた後の値です。課税口座で運用する場合は運用益に税金がかかるため、税引き前ではさらに高い利回りが必要になります。年6%で5年間増え続けるという想定も、相場次第では実現しません。

年2%のローンなら、損益分岐の利回りは比較的低めです。年5%を超えるようなローンでは、運用でその差を埋めるのは簡単ではありません。

家計条件別の判断の目安

ローンを検討しやすい人

次の条件がそろう人は、ローンで手元資金を残す選択を検討しやすいでしょう。

  • 比較的低い金利で借りられる見込みがある
  • 車を買っても、生活費の数か月分を別に残せないほど貯金が少ない
  • 収入が安定していて、5年間の返済額を無理なく払える
  • 残したお金の使い道(生活防衛資金、教育費、運用など)が決まっている

現金の方が向く人、借りない方がよい条件

反対に、次のような場合は現金一括の方が合理的なことが多いです。

  • 提示された金利が高く、残したお金で利息分を取り返せる見込みが低い
  • 車を買った後も、十分な貯金が残る
  • 残したお金を結局使ってしまい、目的なく減りそうだ
  • 収入が不安定、またはほかの借入れがあり、毎月の返済が家計を圧迫しそうだ

特に最後の条件に当てはまる場合は、購入する車の価格帯から見直してもよいでしょう。動画の「現金で買う必要はない」という考え方は、返済に余裕がある人を前提にしたものと受け止めるのが安全です。

銀行・ディーラー・残価設定型の支払い方法を比べる

ローンを使うと決めた場合も、借り方によって条件が変わります。主な3つの方法を比べると次のとおりです。金利の水準は金融機関や販売会社、時期、審査結果によって異なります。

支払い方法主な特徴確認したい点
銀行のマイカーローン銀行・信用金庫などから借りて、販売店に代金を払う。一般に車は購入者名義で登録できる金利、審査にかかる日数、販売店への支払い時期
ディーラーローン販売店で購入と同時に申し込める。手続きが一度で済む実質年率、総支払額、所有権の扱い。キャンペーン金利の有無
残価設定型クレジット数年後の下取り価格(残価)を差し引いた金額を分割で払うため、月々の支払いを抑えやすい返却時の走行距離や車の状態の条件、残価を払って乗り続ける場合の再ローン金利

りそな銀行の解説では、ディーラーローンは銀行ローンより金利が高めに設定される傾向があるとしています。ただし、あくまで傾向です。金利は販売会社や時期、車種、審査結果で変わるため、ディーラーローンが常に不利とは限りません。提示された実質年率と総支払額を、銀行の条件と並べて比べるのが確実です。

残価設定型クレジットには、返却時の条件があります。例えばホンダファイナンスの残価設定型クレジットでは、車を返却して最終回の支払いを不要にするには、月間走行距離が契約の上限以下であることなどの条件があります。上限は一律ではなく、1,000kmのほか1,500kmを選べる場合もあります。条件を超えた分は、1kmごとや内外装の減点ごとに負担金が発生する仕組みです。

また、りそな銀行の解説では、残価は車体価格の約40〜70%程度とされています。契約期間の支払いを終えても車は自分のものにならず、残価を払って買い取る場合は改めてローンを組むこともあります。このときの金利も比較の対象です。

自分が借りられる金利を確かめるには

今回の計算で分かるとおり、判断の分かれ目は「自分が何%で借りられるか」です。広告に載っている最低金利より、審査を経て実際に提示される金利で比べてください。

クラウドローンは、借りたい金額や目的を登録すると、提携する銀行・信用金庫などの金融機関からローンの提案が届くサービスです。複数の提案を比べて、自分に合うものを選べます。

審査を行うのは、クラウドローンと提携する保証会社です。事前審査を通過しても、金融機関の本審査の結果によっては融資を受けられないことがあります。保証会社の事前審査は、信用情報機関に記録が残ります。届いた提案の金利や返済期間、手数料などの契約条件は、ディーラーで提示された条件と並べて比べてください。

現金で買うか、ローンを使うかを決める前に、まず借りられる金利を知っておく。そのうえで、上の表のように総支払額と手元に残るお金を比べれば、動画の主張が自分の家計に当てはまるかを判断できます。

出典・確認先


POINT

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