事業融資の申込みで最初にそろえる書類は、直近2期分の確定申告書と決算書です。日本政策金融公庫の標準の案内では、納税証明書は書類の一覧に載っていません。一方、信用保証協会を通す場合は、協会によって納税証明書や納付書の写しを求められることがあります。迷ったら、申込先に「納税証明書は必要か、どの種類か」を先に聞くのが確実です。
納税証明書は、税務署で取得します。オンライン請求なら1通370円、書面なら400円で、種類によって取得枠が違います。法人は履歴事項全部証明書を、最近6か月以内のものにします。試算表は、法人の場合に、決算から6か月以上たっているときなどに求められます。
この記事では、納税証明書の種類と取得方法、公庫と信用保証協会で書類がどう違うかを、公式資料にもとづいて整理します。融資の可否や必要書類は、申込先の最新の案内を優先してください。
目次
国税庁のタックスアンサーでは、納税証明書をその1からその4までの種類で説明しています。融資の場面で名前が出やすいのは、未納の税額がないことを示す「その3」の系統です。
| 種類 | 証明する内容 | 融資での使いどころ |
|---|---|---|
| その1 | 納付すべき税額、納付した税額、未納税額など | 税額の実績を示したいとき |
| その2 | 申告所得税・法人税の所得金額 | 所得の額を示したいとき |
| その3の2(個人用) | 申告所得税と消費税・地方消費税に未納がないこと | 個人事業主が未納なしを示すとき |
| その3の3(法人用) | 法人税と消費税・地方消費税に未納がないこと | 法人が未納なしを示すとき |
| その4 | 滞納処分を受けたことがないこと | 求められた場合のみ |
どの種類が必要かは、申込先が決めます。「その3の2でよいか」と自分で決めて取る前に、申込先へ確認してください。種類を間違えると、取り直しの手間と手数料がかかります。
請求先は、現在の住所地(納税地)を所轄する税務署です。方法は、e-Taxを使うオンライン請求と、書面での請求に分かれます。オンラインで請求した場合は、電子ファイルで受け取るか、税務署の窓口で受け取るか、郵送で受け取るかを選べます。窓口受取は電子証明書が不要な方法があり、郵送受取には電子証明書が必要と案内されています。電子ファイルをコンビニなどで印刷して提出する場合は、あらかじめ提出先に提出方法を確認するよう書かれています。
手数料は、オンライン請求が1通370円、書面請求が400円です。その1とその2は、「税目数×年度数×枚数」に単価を掛けます。たとえば、個人事業主が所得税と消費税の2税目について、直近1年度分のその1を1枚、書面で請求すると、2×1×1×400円で800円、オンラインなら740円です。3税目を2年度分なら、オンラインで3×2×370円=2,220円になります。その3系統は枚数に単価を掛けるだけなので、その3の2を1枚なら370円(オンライン)か400円(書面)です。郵送請求では、返信用の封筒と切手も必要になります。
税務署の窓口の受付時間は、国税庁のページで、令和8年10月1日から原則として午前9時から午後3時までと案内されています。窓口に行く場合は、時間に余裕をもってください。災害の復興資金の借入れでは、手数料が免除される場合があります。
公庫の国民生活事業の案内では、個人事業主は直近期とその前期の確定申告書一式を用意します。青色申告なら青色申告決算書、白色申告なら収支内訳書を含みます。税務申告が1期しか完了していなければ、1期分で足ります。そのほか、設備資金の場合のみ見積書、送金先の預金通帳、代表者の本人確認書類、必要な業種のみ許認可証などが並びます。初めて利用する場合は、創業計画書または企業概要書も出します。
法人は、直近期とその前期の確定申告書・決算書の一式です。確定申告書と決算書の両方が必要で、勘定科目明細書が含まれているかを確認するよう案内されています。試算表は、決算後6か月以上たっている場合や、事業を始めたばかりで決算を終えていない場合に準備します。履歴事項全部証明書は、最近6か月以内のものです。マル経融資や生活衛生改善貸付など、制度によっては手続きや書類が異なる場合があります。
| 書類 | 公庫(国民生活事業)の案内 | 保証協会の案内(大阪・埼玉・愛知・神奈川) |
|---|---|---|
| 確定申告書・決算書 | 直近期とその前期の2期分 | 直近2期分(4協会で共通) |
| 試算表 | 法人は決算後6か月以上などの場合。個人事業主は要否を支店に確認 | 決算から6か月以上たっている場合に提出(大阪・埼玉・愛知の案内。神奈川は案内に記載がないため、金融機関に確認) |
| 納税証明書 | 標準の案内に記載なし | 大阪は金融機関に確認、埼玉・愛知は納税証明書または納付書の写しを必要に応じて |
| 履歴事項全部証明書 | 法人は最近6か月以内 | 法人は初回に必要(写し可の協会あり) |
| 見積書 | 設備資金の場合 | 協会・金融機関で確認 |
表のとおり、公庫の標準の案内に納税証明書は載っていませんが、面談で追加の書類を求められる可能性は否定できません。「不要」と決めつけず、事前に支店へ確認しましょう。保証協会は、大阪が申込金融機関に納付状況を確認できる書面を出すよう案内し、埼玉と愛知は納税証明書か納付書の写しを、初回などの場合に求めています。納税証明書を発行から何か月以内のものにするかは、提出先ごとの指定です。取得の前に申込先へ確認し、取得する時期は、申込みの直前に合わせると無駄が出にくくなります。
決算書や確定申告書は、納税証明書より先に見直しておきたい書類です。確定申告書は、税務署の受付印や、電子申告なら受信通知がそろっているかを確認します。保証協会の案内でも、電子申告の受信通知などで申告した事実が確認できるものが求められています。決算書は、公庫の案内で勘定科目明細書が含まれているかの確認が挙げられているので、抜けがないかを見ます。個人事業主は、青色申告決算書か収支内訳書が、申告書の一式に含まれているかを見てください。申告から日数がたっていて、直近の事業の状況が変わっている場合は、最新の試算表があると、数字の変化を説明しやすくなります。
書類の準備は、決算書より納税証明書のほうが、日数がかかることがあります。窓口が混む時期もあるので、郵送やオンラインも含めて、余裕のある日程を組んでください。融資の審査にかかる日数と流れは、銀行融資の審査期間と着金までの流れの記事で確認できます。
| 状況 | 先にやること | 注意点 |
|---|---|---|
| 公庫に初めて申し込む | 直近2期分の確定申告書・決算書、本人確認書類、創業計画書または企業概要書 | 追加書類を面談で求められる場合がある |
| 保証協会付きの融資を申し込む | 申込先の金融機関に、協会の必要書類を確認 | 納税証明書の種類・要否は協会ごとに違う |
| 決算から半年以上たっている | 最新の試算表を作る | 法人は特に求められやすい |
| 税金の納付が遅れている | 融資より先に、税務署へ猶予を相談 | 未納があると、証明書に載る |
| 設備資金を借りる | 見積書を取得 | 見積書の日付と有効期限を確認 |
書類のそろえ方は、金融機関や制度で変わります。案内の書面と、窓口で聞いた内容が違うときは、書面の記載を優先して、担当者に確認してください。
まず取引銀行や日本政策金融公庫に相談したうえで、ほかの金融機関の条件も比べたいときの選択肢があります。Tasukari(タスカリ)は、CrowdLoan(クラウドローン)が運営する売上500万〜3億円クラスの小規模事業者向けの融資マッチングサービスです。スマホで3分程度の入力をすると、保証会社の事前審査で借りられる見込みを確認でき、その結果を見た銀行から融資条件の提案が届きます。診断・事前審査は無料で、融資が実行された場合は銀行所定の金利がかかります。審査は保証会社・金融機関が行い、CrowdLoanが融資の可否・条件・提案を約束するものではありません。既存の借入に延滞がある場合は、審査で不利になることがあります。
調査日:2026年10月11日。必要書類は申込先・制度・時期で変わります。手数料や受付時間も改定されることがあるため、取得前に国税庁と申込先の最新の案内を確認してください。
「どの銀行が融資をしてくれるか分からない」をクラウドローンが解決
クラウドローン(https://crowdloan.jp/)は、個人が銀行から低金利でマイカーローン、教育ローンなどの融資を受けられる国内唯一のプラットフォームです。
融資の目的や時期、金額などをクラウドローンに登録すると、各銀行が融資可能な金額や金利のプランの直接提案してくれます。時間と労力をかけずに複数の銀行からより条件のよい融資を見つけることができます。
詳しくはこちら