2024年07月29日
日本政府は、2035年までに新車販売で電動車100%を実現する方針を掲げています。
2024年7月現在では未だ方針の変更はないことから、近い将来、日本ではガソリン車を新車で購入できなくなるかもしれません。
そのような背景から、次回購入する車をEVにしようと考えている方も多いと思いますが、どの時期に買い替えるべきなのかについては色々な意見があります。
この記事では、日本でEVに買い替えるタイミングについて、複数のケースを想定して解説します。
目次
車の買い替えを検討するにあたっては、本体価格・ランニングコストともに、できるだけ負担が少ないタイミングで購入を済ませたいところです。
以下、EVへの買い替えを検討するにあたり、特に良いとされるタイミングについて解説します。
EVを購入する際は、国や地方自治体から補助金を受け取れます。
国が交付する補助金「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」は、EV(電気自動車)・PHEV(プラグインハイブリッド自動車)・FCV(燃料電池車)などのクリーンエネルギー自動車を購入する際に交付される補助金です。
地方自治体に関しては、それぞれの自治体で補助金を交付しており、金額も様々です。
いずれの補助金に関しても、いつまで申請を受け付けてもらえるかは分からないため、本体価格がネックになっている場合は、補助金が受け取れる間に購入を決断する必要があるでしょう。
EVは新車の車両価格が比較的高めということもあり、それがEV普及を妨げている一因だと考える人もいます。
その一方で、近い将来には高品質低価格のEV用バッテリーの登場が期待されており、安価なバッテリーがEV市場に投入されれば、その分車両価格も下がることが予想されます。
より多くの人がEVに乗るようになると、新しいEVに乗り換える人も増え、中古EVが登場する可能性も十分考えられます。
技術革新や中古市場が充実する時期を、ニュースや中古車販売サイトなどの情報を見て確認し、手が届く価格帯になってから購入するのも良いタイミングといえるでしょう。
経済産業省の資料によると、日本における充電器設置基数は、2013年3月の時点で普通充電器が5,692台、急速充電器が1,674台でした。
そこから2019年までは右肩上がりで台数を増やし、2023年3月の時点では普通充電器が20,974台、急速充電器が8,995台となっています。
数だけを見ると、充電インフラは充実しているように見えますが、都市部以外の地方に目を向けると、必ずしも十分とは言い切れません。
EVの航続距離やエネルギー補給の面で購入を見送っている方は、自宅近辺やよく行く地域の充電インフラが充実したのを見計らってから、真剣に購入を検討することをおすすめします。
先にあげたタイミングにつき、自力で見計らうのが難しいと感じている方は、当面は「2025~2030年」頃まで様子を見るのも一手です。
2025年以降は、日系メーカーが新たな軽乗用EVを市場に投入する動きも見られ、本格的にEV投入が進むものと考えられています。
5年間でリチウムイオンバッテリーの大幅なコストダウンが進み、エンジン車とのコスト差が埋まれば、2030年にかけてEVの普及が加速することも十分期待できます。
自力で購入のタイミングを判断する自信がない場合は、2025~2030年のEV関連の動きを観察し、その上で検討してみましょう。
自分以外の人が、EVへの買い替えを検討しているかどうかチェックすることも、購入のタイミングをはかることにつながります。
デロイトトーマツが行った「2022年 次世代自動車に関する消費者意識調査」では、いつかはEVを購入したいと考えている消費者の割合が43%となっており、EVに対して興味を抱いている消費者は一定数存在していることが見て取れます。
別のアンケートを見てみると、CCCMKホールディングス株式会社が2023年に行った「電気自動車(EV)に関するアンケート調査」においては、現在EVを所有している人の割合は回答者全体の1%にとどまるものの、今後の購入に関心のある車にEVをあげた人の割合は47.1%となっており、やはり一定数の消費者がEVに興味を示す結果となっています。
近い将来、近隣の駐車場によくEVが停まっているのを見かけたら、それは“EVが普及し始めた”タイミングと考えられるかもしれません。
ここまで、EV購入を検討すべきタイミングについて述べてきましたが、実際にEVが普及する段階に至るまでには相応の時間がかかるものと予想されます。
以下、日本でEVを購入する際のハードルについて、少し掘り下げて考察します。
消費者にとって、EV購入における最大の懸念事項は、車両価格の高さかもしれません。
なぜなら、ガソリン代よりもEVへの充電の方が、燃料代という観点からは安く済む可能性が高いからです。
世界情勢や円相場などの影響を受けやすく、高騰のリスクがあるガソリン代に比べると、EVの充電にかかるコストはガソリンよりも変動は少ないものと推察されます。
一軒家であれば、自宅で太陽光発電した電気を充電することもでき、エネルギー補給の選択肢はガソリン車に比べて多様です。
しかし、そもそも車両価格が高くなってしまうと、まとまったお金を用意しなければならず家計への負担が大きくなります。
そこで注目されるのが中古EVですが、バッテリーの劣化・保証期間が切れた後の修理コストが懸念されるEVは、リセールバリュー(車を手放すときの価値)が下がるリスクも高く、中古車市場で良い状態のEVを探すのは簡単ではないものと推察されます。
EVの充電方法は、主に自宅のコンセント等で充電できる「普通充電」と、急速充電器を使って充電する「急速充電」の2種類に分かれます。
自宅で充電する場合、戸建住宅であれば充電設備を用意するのはそれほど難しくありませんし、車を動かさない時間を使って満充電にすることも十分可能です。
しかし、車でどこかに出かける場合、外出先によっては充電設備を見つけられないリスクがあります。
高速道路などで急速充電器を見つけて充電したとしても、急速充電器はその仕様上、1度の充電で満充電にすることはできません。
宿泊先の駐車場に普通充電ができる設備がないと、最悪の場合、満充電ができないまま帰宅しなければなりません。
外出先で充電できる環境が限られることは、EV購入を見送る大きな理由の一つになるでしょう。
EVへの買い替えを検討するにあたり、充電インフラ不足に加えて、航続距離の短さを懸念する人も一定数存在しています。
ガソリン車の場合、軽自動車クラスは給油タンクの容量に限りがあっても低燃費のものが多く、長距離も安心して走ることができます。
これに対して軽EVは、積めるバッテリーの容量が小さいため、その分航続距離が短くなる傾向にあります。
もちろん、バッテリー容量が多いEVもありますが、それらは総じて車両価格が高くなるため、購入に至らないケースが多いものと考えられます。
先ほど、自宅であれば普通充電は難しくないと述べましたが、それはあくまでも「戸建住宅」の場合に限られます。
アパート・マンションなどの賃貸住宅に住んでいる人の多くは、駐車場も月極で借りていることが多いため、その駐車場に充電設備が整っていないと普通充電はできません。
残念ながら、入居者の意向だけで駐車場の充電設備が改善されるケースはまれなため、例えば「国内の全駐車場に充電設備を設けることが法律で義務化される」などの動きが見られない限り、賃貸住宅で暮らしている人がEVに乗るのは厳しいものと考えられます。
本記事の冒頭でお伝えした通り、日本政府は2035年までに新車販売で電動車100%を実現する方針を掲げていますが、実際に新車での販売が禁止されるのは「ガソリン車及びディーゼル車」です。
つまり、EVの新車販売はもちろん認められますが、日本で普及しているHV(ハイブリッド自動車)の新車販売も引き続き認められることになります。
また、ガソリン車の中古車に関しては販売中止とされていないため、2035年以降もしばらくの間はガソリン車を購入できるものと考えられます。
このことから、日本においてEV購入のハードルが高いことは、おそらく日本政府もある程度認識しているものと思われます。
すでに国内で一定のシェアを持つHVは、2035年以降も日本で売れ続ける可能性が高く、EVがその牙城を崩すのは決して簡単なことではありません。
HVの燃料となるガソリンが高騰したとしても、メーカー側がそれを上回る燃費性能を実現すれば、多くの消費者がHVを選ぶことでしょう。
そもそも、電力の多くを火力発電に頼る日本にとっては、EVを「環境に配慮している車」として運用するのが難しいという一面も否定できません。
このように、消費者がEV以外の選択肢に魅力を感じやすい日本では、諸外国に比べてEV普及までに時間がかかるものと推察されます。
2035年の変化を見据えたとしても、日本でEVが主流となるかどうかは不透明です。
しかし、EV関連の技術が進化したり、周辺環境が整備されたりすることで、EV購入のメリットがHV購入のメリットを上回る可能性は十分考えられます。
以下、EV購入という選択肢を捨てるべきではない、具体的な理由をいくつかご紹介します。
コモディティ化とは、市場に参入した時点では高価値だった商品が、市場の活性化にともない一般的な商品になる(商品価値が低下する)ことをいいます。
EVにおいては、すでにこのコモディティ化が進んでいるという意見もあり、具体的には中国EVメーカーの世界進出が一因と考えられています。
バッテリーに関しては、現在の主流であるリチウムイオンバッテリーよりも高い性能を持つ「全固体電池」が登場し、全固体電池が普及すればEVの価格もより安価になることが期待されています。
EVのコモディティ化・バッテリーの進化にともない、やがてガソリン車よりも安価にEVを購入できるようになれば、消費者の多くはEVを選ぶことでしょう。
経済産業省の資料によると、2023年3月時点での急速充電器・普通充電器の合計台数は、約30,000台となっています。
しかし、日本政府は2030年までに台数をさらに増やす予定でおり、公共用充電スタンド(急速)は30,000基、全体では150,000基の設置を目指しています。
150,000基となれば、2023年の5倍の台数が増えることになり、その数は2022年3月末時点での全国の給油所数28,475ヵ所を大きく上回る計算になります(※)。
このように、急速充電器を含む充電設備の拡充が進み、それにともない全国の給油所数が減少することがあれば、必然的にEVユーザーの数も増えることが予想されます。
※資源エネルギー庁:「令和3年度末揮発油販売業者数及び給油所数を取りまとめました」
これまでEVには慎重な姿勢を見せていた日本の大手メーカーも、新型EVを市場に投入することを決めており、EV登場当時に比べてデザインが洗練されている車も増えてきました。
また、0kmから一気にフルトルクでパワフルに走れるという、その走行性能に注目が集まっているEVもあります。
他にも、使い勝手や乗り心地、先進性といった部分でも、EVはガソリン車に劣らず進化を続けています。
かつてHV車が登場した時のように、時代のニーズに沿うEVが誕生すれば、一気に普及が進むことも十分考えられます。
EVを語る上で欠かせないトピックの一つに、ドライバーなしで運転ができる「自動運転」があげられます。
自動運転車は、従来の自動車に比べて電力を多く消費する傾向があることから、バッテリー容量の小さいガソリン車は不向きと考えられています。
また、EVはモーターを採用していることから、ガソリン車に比べてコンピュータの判断をより早く反映させるのに適しています。
少子高齢化が進みドライバー人口が減少する中、将来的に自動運転に対応したEVを保有・利用する必要性が増す可能性を考慮すると、ガソリン車・HVに依存するのは一定のリスクがあるものと考えられます。
EV購入は、日本で暮らす人にとって差し迫った課題ではありません。
充電インフラや航続距離などに不安を抱えている人は、バッテリー性能や充電インフラの充実が期待できる2025~2030年まで様子を見て、その後に購入を決断する方法もあります。
しかし、直近でEVへの買い替えを検討している場合は、補助金がもらえるうちに購入手続きを進めておくと、初期費用を抑えられるでしょう。
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