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EVの自動車保険はガソリン車より安くなる?保険料を決める要素についても解説

EVに乗っている人や、EVの購入を検討している人からは、EVはガソリン車に比べて税制優遇を受けられ、ランニングコストの削減にもつながるという意見が聞かれます。
しかし、自動車保険に関しては、ガソリン車と比べて保険料にどのような差があるのか、よく分からない方も多いのではないでしょうか。

自賠責保険のように、ドライバーが必ず加入しなければならない保険は別として、任意保険の場合はEVが優遇されるケースもあります。
この記事では、EVユーザーが加入する自動車保険のプランや、任意保険の保険料を決める要素などを解説します。

EV関連の自動車保険の種類

EVのドライバーが加入しなければならない保険の種類は、基本的にガソリン車と大差はありません。具体的には、すべてのドライバーが加入する義務がある「自賠責保険」と、車との付き合い方によってプランが変わる「任意保険」の2種類に加入することになるでしょう。

自賠責保険

自賠責保険とは、自動車損害賠償保障法に基づいて、すべての自動車の保有者(ドライバー)が加入しなければならない保険です。
こちらはガソリン車・EVなど車種の違いに限らず加入しなければならず、普通自動車だけでなく原動機付自転車や電動キックボードなどに乗っている人も同様です。

自賠責保険の補償内容はガソリン車とEVで差はなく、車検証上の用途・車種別に保険料が区分されるため、保険料は基本的にガソリン車と同じイメージで考えてよいでしょう。

自賠責保険は別名「強制保険」とも呼ばれており、自賠責保険に加入しない状態で人身事故を起こした場合、本来であれば自賠責保険から支払われる賠償金が全額“自己負担”になります。仮に事故を起こさなかったとしても、自賠責保険に加入していない「無保険」の状態で車を走らせた場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

任意保険

任意保険とは、その名が示す通り「ドライバーが任意でプランを選んで加入する」タイプの自動車保険です。

任意保険を広く「自動車保険」と呼ぶケースもあり、自賠責保険では補いきれない損害をカバーする目的で加入することから、実質的にドライバーが加入するのは義務に近い部分があります。

一般的に、高額の修理代を保険で支払う人が多い車種・盗難以外の多い車種などは、保険料率が高くなる傾向にあります。そして、EVの中には高級グレードのものも少なくないため、車種によっては保険料率が高いケースが見られます

しかし、任意保険の保険料率の区分・適用方法は基本的にガソリン車と同じであるため、一概にEVであることを理由に保険料が高くなることはないと考えてよいでしょう。
なお、詳細は後述しますが、EVを含むエコカーにつき「エコカー割引」を設けている保険会社もあるため、EVを購入する際はエコカー割引が適用されるプランを選んだ方が保険料はお得になります。

任意保険におけるエコカー割引の種類

任意保険を取り扱う保険会社の中には、地球環境に配慮した車種の保険料を割り引くプランを用意しているところがあります。一般的に、そのような割引は「エコカー割引」と呼ばれ、主に次のような車種が対象となります。

  • 電気自動車(EV)
  • ハイブリッド車(HV)
  • プラグインハイブリッド車(PHV)
  • 天然ガス自動車(NGV) など

大まかな割引額としては、1,000~1,500円ほどが想定されますが、保険会社によっては数千円以上の割引が期待できるケースもあります。
他には、3%ほどの割引率を設けているプランもあり、EVドライバーは保険料に応じて自分に有利なものを選びたいところです。

ただし、エコカーであればすべて割引対象になるわけではなく、多くのエコカー割引では「契約車両の初度登録」のタイミングが指定されている点に注意が必要です。
具体的には、保険開始月が契約車両の初度登録後13ヶ月~37ヶ月以内といった形で定められていることが多く、例えばHVを中古で購入したとしても、初度登録から年数が経過しているとエコカー割引の恩恵を受けられない可能性があります。

エコカー割引以外で任意保険の保険料に影響する要因

任意保険の保険料は、主に次の2つの要素で決められています。

純保険料事故が起きた際の保険金を支払うための保険料
付加保険料事業運営や保険会社の利益などのために充当する保険料

これらの要素のうち、純保険料は各種データを根拠とする保険料で、事故が起きる頻度・損害額など様々な情報をもとに保険料が決まります。
EV購入時に任意保険を選ぶ際は、このようなエコカー割引以外の要素にも注目して、各種プランを選ぶことが大切です。

以下、任意保険に影響する主な要因について解説します。

年齢

自動車保険の保険料は、一般的にドライバーの年齢が高くなるほど安くなる傾向にあります。一見、若い世代の方が「とっさの判断能力に優れるため保険料が安い」気もしますが、実際のところ若い世代は経験不足などの理由から事故を起こすリスクが高いとされます。

任意保険を契約する際も、運転者の年齢条件を設定することが求められます。例えば、21歳以上、26歳以上、35歳以上といったように、一定の年齢にならなければ条件を設定できないケースが一般的です。

ちなみに、18歳で免許を取得した場合「年齢を問わず補償」という扱いになり、21歳の誕生日を迎えるまで21歳以上の補償に変更することはできません。

性別

自動車免許は男女平等に取得できますが、一部の自動車保険では、主に自動車を運転する人の性別によって保険料が異なる場合があります。
ただし、保険業法上、性別による格差は1.5倍以下となっており、極端な差が付く自動車保険はないものと考えてよいでしょう。

使用目的

自動車保険の契約において、自動車の使用目的は、大きく次の3つに分けられます。

日常・レジャー旅行に出かけたり、買い物に行ったりするのに自動車を使用するケース
通勤・通学学校または会社に行くために自動車を使用するケース
業務月の半分(15日以上)は仕事のため自動車を使用するケース

もし、契約時に選んだ目的と実際の目的が異なっていた場合は「告知義務違反」と判断されるおそれがあり、最悪の場合は保険金が支払われないかもしれません。仮に、保険料が他の目的に比べて割高になったとしても、使用目的は正しいものを選びましょう

過去の事故・違反歴

自動車保険は、ドライバーの運転歴によって保険料が変わる仕組みが採用されており、制度名を「ノンフリート等級制度」といいます。具体的には、ドライバーの事故歴の有無により、保険料が割引・割増される仕組みとなっています。

初回の契約では、誰もが「6等級」からスタートし、その後1年間無事故だった場合は7等級(1等級アップ)になります。しかし、7等級になった年に事故を起こして保険を使用した場合、翌年は4等級にまで下がります(3等級ダウン)。

ノンフリート等級制度では、等級が高くなるほど割引率が大きくなり、保険料も低くなります。また、等級が同じだったとしても、事故あり・無事故の2パターンで保険料が異なるため注意が必要です。

走行距離

自動車保険の申込時は、ドライバーの年間走行距離を申告します。
申告する走行距離に関しては、保険会社によって次の2パターンが考えられます。

  • 「過去1年間」に走った走行距離
  • 「予想される1年間」の走行距離

特に注意したいのは、予想される1年間の走行距離を申告するケースで、適切な走行距離を申告しなかった場合は保険金が支払われなかったり、契約が解除されたりする可能性があります。
プランによっては、予想した走行距離を超えても保険会社への連絡・差額保険料の支払いが不要なものもあるため、あらかじめ走行距離を想定して契約するのが難しい場合は検討してみましょう。

自動車を運転する場所

自動車保険の保険料は、全国を複数の地域に区分し、その地域ごとに算出されます。
これは「自動車を運転する場所によって事故のリスクが異なる」と言い換えることができ、ドライバーが主に車を運転する地域によって保険料が異なります

ただし、保険業法上で区分される地域は次の7地域以内と定められており、その格差も1.5倍以下となっています。

  • 北海道
  • 東北
  • 関東・甲信越
  • 北陸・東海
  • 近畿・中国
  • 四国
  • 九州

型式

自動車を識別する情報の一つに「型式」があり、自動車の車種やモデルを分類するため、アルファベット・数字の組み合わせが用いられます。
自動車保険では、この型式ごとの事故実績をもとに保険料が区分され、これを「型式別料率クラス制度」といいます。

型式別料率クラス制度においては、用途車種が「自家用普通乗用車」または「自家用小型乗用車」の車を17区分(クラス1~17)に分けています。また、自家用軽四輪乗用車は3区分(クラス1~3)に分かれており、それぞれ数字が高いほど保険料が高くなります

安全装備を搭載しているかどうか

安全装置の有無も、自動車保険の保険料に少なからず関係しており、多くの自動車保険では「ASV割引」という仕組みが導入されています。
ASVとは「Advanced Safety Vehicle」の略で、ASV割引は契約する車が先進安全自動車である場合に適用されます。

ASV割引が適用されるには、契約する車が次の条件を満たしている必要があります。

  • 自家用普通乗用車、自家用小型乗用車、自家用軽四輪乗用車のいずれかであること
  • AEB(衝突被害軽減ブレーキ)が装備されていること
  • 型式の発売年月が「保険始期日の属する年から約3年以内」であること

なお、型式の発売年月に関するルールは保険会社で異なり、例えば「型式が発売された年度に3年を加算した年度の12月末日」といった形で条件を定めているケースもあります。

保有する自動車の数

普段家族で使用する自動車の他、セカンドカーとして家族の誰かが利用する車を持っているケースもあるでしょう。そのような場合、一定の条件を満たすと「複数所有新規特則(セカンドカー割引)」が適用される場合があります

セカンドカー割引の対象となった場合、その契約では7等級からスタートでき、自動車保険料も安くなります。

自動車保険を含むEV購入のコストを安くするには?

ここまで、主に自動車保険について述べてきましたが、自動車保険を含むEV購入のコストを安くするためには、どのような点に注意すべきなのでしょうか。
以下、EV購入時に押さえておきたい主なポイントをご紹介します。

本体価格が安い車両を選ぶ

ガソリン車と同じように、例えばEVも軽自動車を選べば、普通自動車よりも本体価格が安くなる可能性が高いでしょう。加えて、EVを購入すると自動車税がグリーン化特例により軽減されるなどの優遇を受けられ、東京都では新車登録時と翌年から5年度分の課税が免除(自動車税)されます。

近所の買い物や実家との行き来など、車の用途が限定的である場合は、本体価格が安いものを選び、その分を維持費に回すことも検討してみましょう。

ネット自動車保険を検討する

近年では、主に店舗で契約するタイプの自動車保険だけでなく、インターネット経由での契約が主体となっている自動車保険も増えてきています。ネット型保険は、代理店手数料が発生しない分だけ、月々の保険料を安く抑えることができます。

その分、詳細に補償内容を確認して補償内容を決めなければなりませんが、多くのネット型保険ではコールセンターを介して不明点・不安な点などを確認することができます。
注意点として、分割払いを選ぶ際にクレジットカードでの支払い以外はNGとなるケースもあるため、現在クレジットカードを持っていない人は別の選択肢を検討する必要があるでしょう。

金利の安いマイカーローンを利用する

予算面でEVを一括購入するのが難しい場合、マイカーローンを利用する方法がありますが、自動車販売店・ディーラーなどであっせんされるマイカーローンは金利が高い傾向にあります。少しでも金利を安くしたい場合、銀行などの金融機関でマイカーローンを組むのが理想的です。

しかし、金融機関の中でもマイカーローンの金利には差がありますし、近所の金融機関では審査に通らない可能性もあります。このような問題を解決するには、低金利ローンのマッチング・比較が可能なクラウドローン」の利用がおすすめです。

クラウドローンを利用すると、全国各地の借入額・金利などの希望を満たした金融機関の中から、自分に合ったマイカーローンを選べます。1度の登録で複数の金融機関を選べるため、マイカーローンを選ぶ時間がない方も安心して利用できます。

まとめ

EVに乗る場合も、自賠責保険や任意保険に加入する必要があり、任意保険にはEVなどエコカー向けの割引が設けられているものもあります。
ただし、保険料は様々な要因によって決まっているため、エコカー割引だけにこだわらず、補償内容と月々の保険料を天秤にかけ慎重に選ぶことが大切です。

EV購入にかかるコストを安く抑えるためには、本体価格を安く抑える努力をしたり、ネット型の自動車保険を検討したりするのも良い方法です。
マイカーローンを利用する際は、少しでも金利の安いプランを探すと、将来のランニングコストを減らすことにつながります。


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