埼玉県は2026年度、国の就学支援金に上乗せする「父母負担軽減事業補助金」を実施しています。対象は県内に住み、県内の私立高校に通う世帯で、所得に応じて施設費や入学金まで補助されます。
年収目安約500万円未満の世帯では、1年生の補助の上限が88万200円になります。一方、約609万円以上の世帯では県の上乗せがなく、国の授業料支援だけになります。授業料、施設費等納付金、入学金のどれがいつ補助されるのかを、埼玉県の2026年度の資料から整理します。施設費まで対象に含む点にも注目します。確認日は2026年10月8日です。
目次
埼玉県の補助は、世帯の所得に応じて3つの区分に分かれます。全日制の私立高校に通う場合の上限額は次のとおりです。
| 区分(年収目安) | 授業料 | 施設費等納付金 | 入学金(1年生のみ) | 合計上限 |
|---|---|---|---|---|
| 生活保護・家計急変 | 全額 | 全額 | 223,000円 | 実額 |
| 基準①(約500万円未満) | 457,200円 | 200,000円 | 223,000円 | 1年880,200円、2・3年657,200円 |
| 基準②(約609万円未満) | 457,200円 | なし | 100,000円 | 1年557,200円、2・3年457,200円 |
| 上記以外 | 457,200円 | なし | なし | 457,200円 |
授業料の45万7,200円は国の就学支援金で、それより上の部分が県の補助です。基準①の1年生なら、45万7,200円に20万円と22万3,000円を足して88万200円になります。基準②の1年生は、45万7,200円に入学金の10万円を足した55万7,200円です。
実際の授業料や施設費、入学金が上限より低い場合は、実際の額が補助の上限になります。年収は両親と高校生、中学生の4人家族で、一方だけが働く場合の目安です。
実際の判定は、年収ではなく判定額で行います。判定額は、市町村民税の課税標準額に0.06を掛け、調整控除の額を引いて計算します。保護者が2人いる場合は、2人分の合計が判定額です。
基準②は判定額が11万3,700円以上16万2,300円未満の世帯です。基準①は原則として11万3,700円未満ですが、扶養する子どもの数で基準が上がります。たとえば16歳以上19歳未満の子を2人、16歳未満の子を2人扶養していれば、15万600円未満で基準①になります。
判定は県が審査するため、自分で計算できなくても申請できます。県のサイトには、判定額を試算できる表も掲載されています。
以下は仮定の数字です。授業料が年43万2,000円、施設費が年18万円、入学金が25万円の学校に入学したとします。1年目の学費は合計86万2,000円です。
基準①の世帯は、授業料43万2,000円と施設費18万円が全額、入学金は22万3,000円が補助されます。自己負担は入学金の残り2万7,000円です。基準②の世帯は、授業料は全額補助、入学金は10万円の補助で、施設費18万円と入学金15万円の計33万円が自己負担です。上記以外の世帯は、施設費と入学金の計43万円を負担します。
県の補助は、生徒と保護者がともに埼玉県内に住み、県が認可した私立高校などに在学していることが条件です。県外の私立高校に通う場合、県の補助は受けられません。保護者は原則として生徒の親権者です。
保護者が単身赴任や介護、長期入院で県外にいる場合は、例外として対象になることがあります。海外への単身赴任も含まれます。
年度の途中で県外へ転居した場合、補助は県内に住んでいた月数分の月割りになります。県外から転入した場合も、転入後の月から月割りで対象です。ただし、入学金の補助は月割りされません。
通信制高校は、県が認可した学校だけが県の補助の対象です。県の通信制向けリーフレットでは、授業料補助として国の就学支援金の額が示されています。全日制の表とは別の扱いになるため、学校に確認してください。
保護者の失職や死亡、離婚、被災があった世帯は、家計急変世帯として扱われる場合があります。この場合、授業料と施設費等納付金は実際の負担額が補助されます。収入の要件は、失職の場合で前年所得が少ない方の保護者の年収が約590万円未満相当です。死亡や離婚の場合は約720万円未満相当になります。
対象になる期間も決まっています。失職の場合、1年生は2024年1月2日以降、2・3年生は2026年1月1日から12月31日までの発生が対象です。定年退職や有期雇用の満了は原則として失職に当たりません。年度の途中で該当した場合は、翌月分から補助されるため、すぐに学校へ相談してください。
補助金の申請は入学後に学校を通じて行います。入学前に受け取ることはできません。国の就学支援金は4月頃、授業料以外の教育費を支える奨学のための給付金は7月頃が例年の申請時期です。県の補助金の申請時期と書類は学校から案内されます。
補助金は県から学校に交付され、学校から家庭に渡ります。方法は、補助分の授業料等を後で返す還付と、未納や将来分の授業料等に充てる相殺の2通りです。時期と方法は学校ごとに違います。
入学金は合格後の手続きで納めるのが一般的です。基準①の世帯でも、22万3,000円の入学金補助が戻るのは入学後の審査が終わってからになります。それまでの数か月は、家計で立て替える前提で準備してください。
補助は毎年度の申請が必要です。2・3年生になっても、学校の案内に従って手続きを続けてください。
ここで紹介した金額と基準は2026年度のものです。2027年度の補助額や基準は、2026年10月8日時点で県から発表されていません。県は、制度に変更がある場合はサイトで知らせるとしています。
志望校の学費は、県が公表している学校別の初年度納付金の一覧で確認できます。入学金と施設費の額を把握しておくと、自分の区分での自己負担額を早めに見積もれるでしょう。
まずは学校に、入学金の分納や納付期限の延長ができないか尋ねてください。それでも足りない場合は、国の教育ローンや銀行の教育ローンが候補になります。国の教育ローンの金利は、2026年10月8日の確認時点で年4.05%の固定金利です。これは2026年7月1日時点の値で、借入日の金利が適用されます。
県の補助を足す前に、全国共通の高校就学支援金の対象と上限額を確認すると、授業料と施設費の負担を分けて計算しやすくなります。
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