2027年4月に私立小学校へ入学する場合、受験や入学金の支払いは2026年の夏から秋に始まります。学校に納める学費が年100万円を超える学校もあり、入学前の数か月にまとまった出費が集中します。
この記事では、文部科学省の学習費調査と、私立小学校3校が公表している納付金の例をもとに、初年度に必要なお金と支払いの時期を整理します。金額は学校ごとに大きく違うため、3校の数字は「例」として読んでください。
目次
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」は、2023年4月から2024年3月までの1年間に保護者が支出した費用を集計したものです。2024年12月25日に公表され、2026年1月16日に私立小学校などの数値が訂正されました。以下は訂正後の数値です。2026年10月8日時点の文部科学省の結果ページでは、これが最新の結果です。
| 区分(年額・1人あたり) | 公立小学校 | 私立小学校 |
|---|---|---|
| 学習費総額 | 366,599円 | 1,741,516円 |
| うち学校教育費 | 74,336円 | 978,271円 |
| うち学校給食費 | 35,774円 | 53,578円 |
| うち学校外活動費 | 256,489円 | 709,667円 |
総額は公立の4.8倍、学校教育費だけでみると13.2倍です。私立の学校教育費978,271円のうち、授業料が510,823円、授業料以外の学校納付金等が168,731円、通学関係費が111,053円です。塾や習い事などの学校外活動費も年約71万円あり、学校に払うお金だけで計画すると不足しやすい構成です。
学年別では、私立小学校1年生の学習費総額は2,165,693円で、調査対象の全学校種・全学年で最も高い額です。2年生は1,493,663円なので、入学年に負担が大きく偏ることがわかります。6学年分を単純に足した額は、私立10,457,700円、公立2,197,261円です。
2027年度入学の募集要項を公表している3校の例です。いずれも学費は2026年度の参考額または予定額を載せており、2027年度の学費は2026年10月8日時点で公表を確認できません。
| 学校(所在地) | 入学手続時 | 年間の学費など | 寄付金の記載 |
|---|---|---|---|
| 立教小学校(東京都豊島区・男子校) | 入学金340,000円 | 授業料804,000円、維持資金318,000円など計1,206,000円(2026年度参考) | 教育環境改善資金 一口100,000円・複数口任意 |
| 新渡戸文化小学校(東京都中野区) | 入学金300,000円 | 月額78,000円(授業料50,000円、教育充実費、施設費、後援会費)(2026年度予定) | 入学後に任意で募集 |
| 関西学院初等部(兵庫県宝塚市) | 入学申込金200,000円 | 学費1,035,000円とその他の諸費で計1,260,000円(2026年度参考) | 要項に記載なし |
立教小学校は、年間の学費に加えて校外行事等費用が年140,000円(1年生)、PTA会費年4,800円、給食費年約110,000円かかります。入学金と合わせると約180万円です。2027年度から学費の改定を予定していると要項に書かれています。
新渡戸文化小学校は、月額78,000円の12か月分で936,000円です。ほかに教育活動費が4月と5月に各50,000円、アフタースクール入会金100,000円、父母会費3,000円、後援会入会金5,000円、卒業生名簿の登録維持管理費10,000円、給食費が月11,880円かかります。給食費を除いても初年度は1,454,000円です。
関西学院初等部は、入学申込金と年額1,260,000円を合わせて1,460,000円です。年額には修学旅行費積立金120,000円が含まれます。制服や体操服、iPadなどの購入費は別に必要です。
東京の2校は、10月に出願を受け付けて11月上旬に試験を行います。立教小学校は出願期間が2026年10月1日から3日で、入学検定料は30,000円です。試験は11月2日・3日、合格発表は11月5日9時です。入学金340,000円の納入期限は11月6日16時で、発表から約31時間しかありません。入学金を除く学費の案内は、11月9日の手続きで行われます。
新渡戸文化小学校は、第1回試験が11月3日、合格発表が11月4日9時、入学手続きの期限が11月7日16時です。受験料は1回30,000円で、2回目以降は各25,000円です。
関西学院初等部のA入試は時期が早く、出願は2026年6月29日から7月13日、検定料は20,000円です。合格発表は9月8日で、入学申込金は9月11日まで、1学期分の学費など(2026年度参考で422,000円)は9月28日までに納めます。地域や学校によって、秋ではなく夏に支払いが始まる点に注意が必要です。
複数校を受ける場合、検定料は校数分かかります。入学金は辞退しても返還しないと3校とも定めています。併願先の発表日と納付期限を並べ、どの学校にいくら払うかを事前に決めておくと慌てずにすみます。
国の授業料支援である就学支援金は高等学校等が対象で、私立小学校は対象外です。年収400万円未満の世帯に年最大10万円を支援した文部科学省の「私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関する実証事業」は、2017年度から2021年度までの事業で、すでに終わっています。
都道府県には、私立小中学校の授業料を軽減する補助があります。長野県は年最大336,000円、愛知県は月最大28,000円です。ただし、対象は主に生活保護世帯や、入学後の失職などで家計が急変した世帯です。長野県は入学前に不登校やいじめなどの事情がある場合も対象にしていますが、一般的な入学前の資金計画に組み込める性質ではありません。
区市町村では、区立校の給食無償化の対象外となる私立校の児童に、給食費相当額を支給する例があります。杉並区は2026年度、小学生1人あたり月6,500円を、8月を除く11か月分支給するとしています。税法上は雑所得として扱われます。世田谷区や港区も同様の給付を予定していますが、2026年10月8日時点で確認できたのは検討・予定段階の資料です。私立小学校の授業料そのものを入学前から補助する区市町村の制度は、調べた範囲では確認できませんでした。
学校独自の軽減もあります。新渡戸文化小学校は、卒業生の子や在学生の兄弟姉妹の入学金を30%軽減し、3人目以降は全額免除しています。
日本政策金融公庫の国の教育ローンは、対象を「中学校卒業以上の方を対象とする学校」としています。私立小学校の費用は国の教育ローンの対象外です。
借入を考えるのは、貯蓄と上の支援を使っても足りない分に限るのが基本です。たとえば三菱UFJ銀行の教育ローンは、幼稚園から大学院までの授業料に使えます。借入額は30万円以上500万円以内、期間は10年以内、金利は変動です。ただし進学先が決まった後に納付書などを提出する必要があり、納付期限まで日数が短い場合は手元資金で立て替えた後の借入になると案内しています。ドコモSMTBネット銀行の教育ローンは、2026年10月8日の案内で年3.025〜5.225%(毎月見直し、下限は他商品の利用による引下げ適用後)、借入額は10万円から1,000万円です。資金使途は、学校や塾などに納める入学金・授業料・施設費・寄付金などと案内されています。
確認した3校では、入学金の納付期限が合格発表から1〜3日以内です。そのため入学金はローンでは間に合わない可能性があります。入学金と検定料は手元資金で用意し、4月以降の授業料などに借入を充てる形が現実的です。どの銀行も審査があり、希望額を借りられるとは限りません。
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