日本学生支援機構(JASSO)は2026年に、2027年春に進学する人向けの給付奨学金の予約採用を行いました。給付奨学金は原則として返還不要で、授業料と入学金の減免も一緒に申し込む仕組みです。
ただし、給付奨学金も減免も、実際にお金が動くのは進学した後です。入学金や前期授業料の納付期限には間に合わないため、多くの家庭で立替えが必要になります。2026年の申込みの流れと家計基準、進学前の資金のずれを整理します。根拠は2026年10月8日時点のJASSOの公表資料です。
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予約採用は、在籍する高校等を通じて申し込みます。JASSOの資料では、2026年4月下旬以降に申込みが始まると案内されていました。締切は高校ごとに決まり、JASSOは期限を高校に確認するよう求めています。
申込みはスカラネットというインターネットの画面で行い、本人と生計維持者のマイナンバーも提出します。そのうえで、確認書と身元確認書類を簡易書留でJASSOへ郵送します。
選考の結果は秋から冬にかけて、高校を通じて届きます。JASSOは2026年9月に、採用候補者向けのしおりや通知の見方を掲載しました。採用候補者になった人は、進学後に進学届を出して正式に採用されます。
高校の締切を過ぎてしまった場合は、進学後に大学等で申し込む在学採用が主な選択肢になります。在学採用の募集時期は、進学先の案内で確認してください。
予約採用の家計基準は、2025年の収入に基づく2026年度の住民税の情報で判定します。計算に使うのは、課税標準額の6%から調整控除額などを差し引いた「支給額算定基準額」です。本人と生計維持者の分を合計し、次の区分に当てはめます。
| 支援区分 | 支給額算定基準額の合計 | 4人世帯の年収目安 |
|---|---|---|
| 第Ⅰ区分 | 100円未満(非課税) | 約271万円まで |
| 第Ⅱ区分 | 25,600円未満 | 約303万円まで |
| 第Ⅲ区分 | 51,300円未満 | 約378万円まで |
| 第Ⅳ区分 | 154,500円未満 | 約635万円まで |
年収目安は、本人、収入のある親、収入のない親、中学生の4人世帯の例です。世帯構成や保険料の支払い状況で結果は変わるため、目安を少し超えていても対象になる場合があります。
資産基準もあり、本人と生計維持者の資産の合計が5,000万円未満であることが条件です。預貯金や有価証券、NISAでの投資額も資産に含まれます。土地や建物、解約前の学資保険は含まれません。
予約採用では、2026年中の失業などによる減収は判定に反映されません。急な収入減があった場合は、進学後の家計急変採用を検討することになります。
支給額は区分と進学先、自宅通学か自宅外通学かで決まります。私立大学の場合、第Ⅰ区分の月額は自宅通学で3万8,300円、自宅外通学で7万5,800円です。第Ⅱ区分は満額の3分の2、第Ⅲ区分は3分の1になります。
第Ⅳ区分の給付奨学金は、多子世帯に限って満額の4分の1が支給されます。多子世帯とは、生計維持者が扶養する子どもが3人以上いる世帯です。多子世帯は所得制限なく授業料と入学金の減免を受けられ、私立大学の上限は入学金26万円、授業料70万円です。
多子世帯に当たらない第Ⅳ区分の人は、給付奨学金を受け取れません。ただし、私立の理工農系の学科などでは授業料等の減免を受けられる場合があります。
給付奨学金の初回振込は、進学後に進学届を出した時期で決まります。4月分の振込日は4月21日、5月分は5月16日です。初回が5月以降になる場合は、4月分からまとめて振り込まれます。
自宅外通学の月額を選んだ人も、最初は自宅通学の月額が振り込まれます。アパートの賃貸借契約書などを提出し、審査が終わった後に差額がまとめて入ります。
授業料等の減免も、進学先の大学等で別に手続きをしてから適用されます。合格発表から入学手続きまでの期間に、入学金や前期授業料の納付を求める学校は少なくありません。この時点では減免も給付も確定していないため、いったん全額を用意する場面が出てきます。
以下は仮定の例です。第Ⅰ区分で私立大学に自宅外から通う場合、給付奨学金は月7万5,800円で、年間では90万9,600円です。初回振込が5月16日なら、4月分と5月分の15万1,600円がまとめて入ります。ただし、自宅外の証明が済むまでは自宅通学の月額で計算されます。
入学金と前期授業料に、引越し代と敷金が加わると、3月までの支払いが数十万円から100万円を超える場合も珍しくありません。給付奨学金は4月以降の生活費や後期の学費に回る資金と考え、入学前の支払いは別に手当てする必要があります。
まず、進学先に入学金や授業料の納付猶予の制度がないか確認してください。JASSOも、学校によっては入学金等の支払いを猶予する制度があると案内しています。猶予の条件や申出の期限は学校ごとに違うため、合格前に問い合わせておくと安心です。
低所得世帯は、社会福祉協議会の生活福祉資金で入学時の費用を無利子で借りられる場合があります。上限は50万円で、受験料は原則として対象外です。
国の教育ローンは、入学前の学校納付金や住居費に使えます。金利は2026年10月8日の確認時点で年4.05%の固定金利です。この値は2026年7月1日時点のもので、借入日の金利が適用されます。減免される授業料や入学金の分は、国の教育ローンの使い道に含められない点にも注意してください。
貸与奨学金の入学時特別増額の採用候補者は、労働金庫の入学時必要資金融資も使えます。進学後に入る増額分で一括返済する約束で、進学前に借りる仕組みです。どの方法も審査があり、利用できない場合もあります。
入学金の納付日が奨学金の初回振込より早い場合は、国の教育ローンの申込み時期も確認し、借入れが必要な期間と金額を絞ってください。
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