小規模事業者持続化補助金は、従業員の少ない事業者が販路開拓に使う経費の一部を補助する制度です。2026年10月8日時点の公式情報で確認したところ、一般型・通常枠(第20回)と創業型(第4回)は公募要領公開済み・受付前の段階にあります。申請受付は2026年11月5日から12月15日17時までの予定です。
先に結論をまとめます。通常枠の補助上限は50万円で、特例を使うと最大250万円になります。創業型の上限は200万円で、インボイス特例を加えると250万円です。補助率はどちらも原則3分の2です。商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)は、申請締切より早い12月4日に発行受付が締め切られます。
補助金は返済不要です。一方で公募要領は「自己負担が必要となり、補助金は後払い」と明記しています。採択から入金までは1年以上かかる場合もあり、経費を先に払う資金が必要です。この記事では、申請前の準備と入金までの資金計画を順に説明します。
目次
対象者は業種ごとの従業員数で決まります。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下が基準です。宿泊業・娯楽業と、製造業その他は20人以下が基準になります。
ここでいう従業員は「常時使用する従業員」で、申請時点の人数で判断します。会社役員や同居の親族従業員は数えません。日雇労働者、2か月以内の期間を定めて雇う人、試用期間中の人も含みません。たとえば役員2人と正社員4人の小売店なら、数える人数は4人です。
個人事業主は商工業者であることが条件です。医師・歯科医師、医療法人、社会福祉法人、一般社団法人などは対象外とされています。補助事業が終わるまで小規模事業者であり続けることも求められます。
2つの型は同時に申請できません。どちらか1つを選んで申請します。主な違いを表にまとめます。
| 項目 | 一般型・通常枠(第20回) | 創業型(第4回) |
|---|---|---|
| 主な対象 | 従業員基準を満たす小規模事業者 | 特定創業支援等事業の支援を受け、開業1年以内の小規模事業者 |
| 補助上限 | 50万円 | 200万円 |
| 上乗せ特例 | インボイス特例+50万円、賃金引上げ特例+150万円、両方で+200万円 | インボイス特例+50万円 |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4) | 2/3 |
| 事業開始前の申請 | 不可(開業届を出していても事業開始前は対象外) | 可(補助事業終了までに提供開始が必要) |
| 申請受付 | 2026年11月5日〜12月15日17時(予定) | 2026年11月5日〜12月15日17時(予定) |
創業型では、産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業」の支援を受けていることが要件です。この事業は、認定市区町村や連携する認定連携創業支援等事業者が実施します。第4回では、支援を受けた日と開業日の両方が2025年12月15日から2026年12月15日の間に入っていることが条件です。
支援を受けるのは、法人なら代表者本人、個人事業主なら本人に限られます。申請時には、認定市区町村が発行した証明書の写しが必要です。開業前後に創業融資も検討している場合は、創業融資の相談先と準備する書類もあわせて確認してください。
対象経費は8区分です。機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費が該当します。経費は、経営計画に基づく販路開拓か、それと併せて行う業務効率化に使うものに限られます。
広報費とウェブサイト関連費の上限は、それぞれ補助金交付申請額で30万円です。どちらも単独では申請できず、ほかの経費と組み合わせる必要があります。
対象外の例も多くあります。パソコンやタブレット、事務用プリンターのように汎用性の高い機器は対象外です。自動車やキッチンカーも認められません。商品の仕入、老朽化した機械の単なる取替え、通信費、人件費も対象外です。計上した経費の大半が対象外だと、不採択や採択取消になります。
受付開始は11月5日ですが、準備は今から進められます。まず電子申請に必要な「GビズIDプライム」のアカウントを取得してください。次に電子申請システムで経営計画と補助事業計画を入力します。そのうえで、地域の商工会または商工会議所に様式4の発行を依頼する流れです。
様式4の発行受付締切は12月4日(金)です。締切後の依頼は、理由を問わず受け付けられません。商工会地区では、発行のために窓口で面談を行います。社外の代理人だけで相談や発行依頼をすることもできません。
決算書類も早めにそろえてください。法人は直近1期分の貸借対照表と損益計算書が必要です。個人事業主は直近の確定申告書の写しを出します。決算期を迎えていない場合は、開業届や売上台帳などで代える扱いです。
採択通知を受けた段階では、まだ発注できません。経費の発注・契約・支払いができるのは、交付決定通知書に記載された交付決定日以降です。交付決定前の発注や前払いは補助対象外になります。例外は展示会の出展申込みで、交付決定前でもかまいません。ただし請求書の発行日は交付決定日以後である必要があります。
支払方法にも決まりがあります。支払いは銀行振込が原則で、1取引10万円(税抜き)を超える現金払いは認められません。クレジットカード払いは事業者名義に限られ、期間内に引き落としまで終える必要があります。1件50万円(税込)を超える発注では、2者以上の見積も必要です。厨房機器などを入れる場合は、設備資金を契約・支払いの前にどう準備するかも参考にしてください。
通常枠の第20回と創業型の第4回は、同じ日程で進む予定です。
| 段階 | 時期・期限(予定) |
|---|---|
| 様式4の発行受付締切 | 2026年12月4日 |
| 申請受付締切 | 2026年12月15日17時 |
| 採択発表 | 2027年3月頃の予定 |
| 交付決定 | 採択発表から概ね1〜2か月が目安 |
| 見積書等の提出期限 | 2028年2月29日 |
| 補助事業の実施期限 | 2028年3月31日(支払い完了まで) |
| 実績報告の提出期限 | 事業終了から30日経過日と2028年4月10日の早い方 |
| 補助金の受取り | 実績報告の審査と補助金額の確定、精算払い請求の後 |
補助金は、実績報告をもとに補助金額を確定してから支払われます。商工会議所地区の交付規程も、額の確定後に支払うと定めています。受け取りには精算払請求書の提出が必要です。公募要領と交付規程を確認した範囲では、概算払いの記載は見当たりませんでした。
商工会地区の事務局は、実績報告の審査に3〜4週間かかると案内しています。不備の修正が重なると、確定まで3か月程度かかる場合もあります。
以下は仮定の数字による計算例です。通常枠で、特例を使わずに税抜90万円の経費を計上したとします。90万円×2/3=60万円となり、上限の50万円を超えるため補助額は50万円です。自己負担は90万円から50万円を引いた40万円です。ただし事業期間中は、90万円全額を先に支払います。
創業型で税抜300万円の経費を計上した場合は、300万円×2/3=200万円で上限と同額です。自己負担は100万円ですが、先に300万円を払う必要があります。200万円の入金は、実績報告と額の確定の後です。課税事業者は消費税等を除いた金額で計算します。
立替が必要な期間は、最初の支払いから補助金の入金までです。準備の方法は主に3つあります。1つ目は自己資金で、運転資金を削りすぎない範囲に抑えます。2つ目は発注先との支払条件の調整です。ただし支払いは事業期間内に終える必要があり、期限を越える分割払いは使えません。3つ目は日本政策金融公庫や金融機関の事業性融資です。
採択や交付決定は、融資の審査とは別の手続きです。採択されたからといって、融資が受けられるとは限りません。融資を使う場合は、交付決定の時期と発注日から逆算して早めに相談してください。補助金は確定した事業年度の収益として計上され、法人税・所得税の課税対象になる点も資金計画に入れておきます。複数の金融機関の条件を比べたい場合は、Tasukariで提案を比較する方法もあります。
公募要領には、不採択や交付取消になる条件が具体的に書かれています。事業者自身が経営計画を検討した形跡がない場合は、評価に関わらず不採択です。商工会・商工会議所以外の第三者から支援を受けたのに、相手方や支援料を書かないと虚偽の報告として扱われます。複数応募はすべて不採択となり、過去の補助事業と同じ内容の事業も不採択の対象です。
採択後にも注意点があります。見積書等を期限までに出さないと採択取消です。特例を希望した場合、要件を1つでも満たさないと補助金全体が交付されません。過去に持続化補助金を受けた事業者は、事業効果等の報告書を提出済みでないと申請できません。
今回の採択発表と事業期間は2027年にかかる予定ですが、その次の公募内容は未公表です。公募要領は今後の公募予定を「第20回公募申請受付締切以降に追ってご案内します」としています。2027年度も同じ上限額や補助率で募集があるかは、公式発表を確認してください。なお中小企業庁の公募一覧には、受付期間が9月16日から10月16日の災害支援枠も掲載されています。要件が異なる別枠のため、本記事では扱っていません。
補助金の立替資金を融資で準備するか迷う場合は、Tasukariで金融機関の提案を比較する方法があります。TasukariはCrowdLoanが運営する、法人・個人事業主(小規模事業者)向けの金融機関マッチングサービスです。複数の金融機関から提案が届いて比較でき、事前審査で借りられる見込みがわかります。売上500万〜3億円クラスの小規模事業者が対象です。融資の可否や金利、届く提案の数は保証されません。
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