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【2026年版】信用保証協会の代位弁済後はどうなる?求償債務の返済相談と再び保証を使う条件

信用保証協会が金融機関へ代位弁済すると、銀行からの借入は保証協会に対する「求償債務」に変わります。返済の相手が替わるだけで、返済義務は消えません。代位弁済の通知や予告が届いたら放置せず、保証協会の担当部署へ連絡してください。

連絡したら、売上と資金繰りの見通しを示して返済方法を相談します。代位弁済の前であれば、まず金融機関と保証協会に返済条件の変更を相談するのが先です。事業を続けたい場合や保証人の負担が重い場合は、中小企業活性化協議会などの公的窓口や弁護士へ早めに相談してください。

この記事では、代位弁済の後に事業者と保証人に起きることを、契約書と公的資料の原文に沿って整理します。延滞前の連絡やリスケの申し込み方は融資の返済に遅れそうなときの記事で扱っています。

代位弁済で借入は保証協会への求償債務に変わる

全国信用保証協会連合会の説明では、代位弁済とは、保証付きの貸付金が返済できなくなったとき、保証協会が金融機関へ貸付残額を支払うことです。保証協会はこれによって、事業者と保証人に対して代位弁済額を元本とする債権を持ちます。この債権が求償権です。

代位弁済の後は、事業者が保証協会へ返済します。連合会は、保証協会が「実情に即して」返済を受けると説明しています。回収業務の一部は、全国の保証協会が共同出資した保証協会債権回収株式会社への委託です。通知の差出人がこの会社でも、保証協会の求償権に関する連絡です。

契約上の条件は協会ごとの信用保証委託契約で決まります。例として、東京信用保証協会の契約書では次の定めがあります。

  • 金融機関から履行を求められたとき、協会は通知・催告をしなくても代位弁済できる(第6条)
  • 代位弁済額に、弁済日の翌日から年14%の損害金(年365日の日割)と費用が加わる(第7条)
  • 仮差押えや強制執行、法的整理の申立てなどがあると、代位弁済の前でも求償権を行使できる(第5条)
  • 差し入れた担保は、法定の手続によらず協会が処分できる(第4条)

同じ契約書の第8条では、返済した金額をどの債務に充てるかは「貴協会が適当と認める順序・方法」です。元本と損害金のどちらから減るかは、協会に確認してください。

段階別にまずやることと相談先

今どの段階にいるかで、最初に連絡する相手が変わります。代位弁済の前なら、まだ金融機関との条件変更で止められる可能性があります。

段階まずやること相談先注意点
延滞中で代位弁済の前入金予定を整理し、返済条件の変更を申し込む借入先の金融機関、次に保証協会別の借入で穴埋めする前に相談を済ませる
代位弁済の予告や通知が届いた通知の期限と金額を確認し、すぐ連絡する通知に書かれた保証協会の担当部署無視すると催告や法的措置に進むおそれがある
代位弁済後に分割で返済中約束した額を守り、業況の変化を早めに伝える保証協会またはサービサー損害金の扱いと充当の順序を確かめる
返済の継続が難しい事業と保証債務の整理を検討する中小企業活性化協議会、弁護士、認定支援機関手続ごとに要件があり、使えるとは限らない

代位弁済の前にできる条件変更の手順は、上の延滞前の記事を参照してください。この記事では、通知が届いた後の対応を中心に説明します。

代位弁済後の返済相談で準備すること

大阪府の監査報告(令和3年度)は、大阪信用保証協会の回収業務の流れを記録したものです。担当者はまず相手方の資産や収入の状況を把握し、実情を踏まえて返済交渉をします。返済が滞れば催告をし、弁済約束の不履行が続く場合は法的措置を検討する流れです。

この流れから、相談の前に次の資料をそろえておくと話が進めやすくなります。

  • 直近の決算書または確定申告書と、月ごとの資金繰り表
  • ほかの借入の残高と返済額、税金や社会保険料の滞納の有無
  • 毎月確実に払える金額と、その根拠になる売上の見込み

払える額を大きく見せて約束すると、守れなかったときに信頼を失います。少額でも続けられる額を示し、業況が変われば見直しを申し出るほうが現実的です。

求償債務を分割で返すときの試算

損害金が付く契約では、月の返済額が小さいと残高がなかなか減りません。次の表は仮定の数字による試算です。求償債務の元本を600万円、損害金を年14%とします。年14%は東京信用保証協会の契約書第7条の率で、協会によって違う場合があります。

1か月を30日とし、月の損害金は「残高×14%×30÷365」で計算して円未満を切り捨てました。600万円なら1日あたり約2,301円、1か月で69,041円です。表の「損害金から充当」は、毎月の返済をまず損害金に充て、残りで元本を減らす仮定です。実際の充当順序は協会が決めます。

月の返済額(仮定)元本だけに充てた場合の返済月数(損害金は別に残る)その間に生じる損害金の合計損害金から充当した場合の初月の元本減少額損害金から充当した場合の完済月数
5万円120か月4,176,928円減らない(損害金に19,041円不足)完済しない
10万円60か月2,105,724円30,959円103か月
15万円40か月1,415,324円80,959円54か月
20万円30か月1,070,122円130,959円38か月

月5万円では、損害金から充当すると元本が1円も減りません。月の返済額が月の損害金を下回っていないかを、相談の前に計算しておきましょう。損害金の扱いや返済額は、協会との協議で決まります。

連帯保証人と担保はどうなるか

代位弁済の後は、連帯保証人も求償債務の請求先です。東京信用保証協会の契約書第13条では、保証人は事業者と連帯して償還債務などの全額を払う責任を負います。

保証人が金融機関に担保を差し入れていた場合も、同じ契約書は協会がその担保について金融機関に代位すると定めています。自宅などに担保を設定している保証人は、事業者と一緒に協会へ相談してください。

経営者である保証人には、経営者保証に関するガイドラインによる保証債務の整理という道があります。東京信用保証協会の契約書第13条第6項には、保証人がガイドラインに則った整理を申し立てた場合、協会がガイドラインに基づき誠実に対応するよう努める旨の定めがあります。要件は後の節で取り上げるので、あわせて確認してください。

求償債務が残る間に新たな保証は使えるか

東京信用保証協会は、保証を利用できない主な例を公表しています。そこには「当協会およびほかの保証協会の代位弁済先で、協会に求償債務が残っている方」が挙がっています。例:東京信用保証協会では、求償債務が残っている間は原則として新たな保証を利用できません。協会の求償権の保証人になっている人も、原則として同じ扱いです。

ただし、再建を目指す事業者向けに「求償権消滅保証」という制度があります。中小企業庁によると、対象は保証協会に求償債務を負い、事業再生を図ろうとする中小企業者です。協会の求償権の全部または一部を消滅させるための保証で、保証割合は100%です。

利用には、次のいずれかの計画が求められます。経営サポート会議の検討に基づく事業再生計画、中小企業活性化協議会の支援で作った再建計画、認定経営革新等支援機関が経営改善計画策定支援事業で策定を支援した事業再生計画などです。中小企業庁は、事業を続けて求償債務の弁済を誠実に行っている事業者の金融取引を正常化する目的だと説明しています。限度額・期間・保証料率は使う保証制度の所定によります。審査があるため、利用できない場合もある点に注意してください。

事業再生と保証債務の整理の選択肢

返済の継続が難しい場合は、事業と保証債務をどう整理するかを考えます。主な公的な枠組みを表にまとめました。どれも要件や審査があり、利用できるとは限りません。

枠組み対象・要件の要点相談先
中小企業活性化協議会収益力改善・再生・再チャレンジを支援。民事再生・破産等を申し立て済みの企業は対象外だが、その保証人が保証債務の整理を相談することはできる各都道府県の協議会(相談無料・事前予約制)
経営者保証に関するガイドライン主たる債務者が中小企業、保証人が経営者等の個人であること、双方が弁済に誠実で財産状況を開示していることなど。整理には主たる債務者の法的整理か準則型私的整理の手続も要る債権者、弁護士、中小企業活性化協議会
求償権消滅保証求償債務を負い事業再生を図る中小企業者で、所定の再生計画があること保証協会、引き受ける金融機関

中小企業活性化協議会は、すべての都道府県に設置された公的機関です。相談は無料で、事前予約が必要です。

ガイドラインで保証債務を整理するには、ほかの要件も満たす必要があります。破産手続による配当よりも多く回収できる見込みがあるなど、債権者にとって経済的な合理性が期待できることが一つです。保証人に破産法の免責不許可事由が生じていないことも求められます。自分が当てはまるかは、弁護士や認定支援機関に確認してください。経営者保証のない融資の条件は経営者保証なしの融資の記事で解説しています。

個人の信用情報への影響

全国銀行個人信用情報センターは、登録する返済状況に「延滞、代位弁済、強制回収手続、解約、完済等の事実」を含めています。登録期間は契約期間中と、契約終了日(完済していない場合は完済日)から5年を超えない期間です。

東京信用保証協会は、保証審査の適正化などを目的に、このセンターと日本信用情報機構に加盟していると公表しています。どの情報を誰が登録するかは、契約時の同意書や各機関への本人開示で確かめてください。一方、ガイドラインには、ガイドラインで債務整理をした保証人の代位弁済に関する情報を、債権者が信用情報登録機関に登録しないという定めがあります。

まとめ:通知の後は協会への連絡と計画づくりを先に

代位弁済の後も、事業者と保証人の返済義務は残ります。通知が届いたら保証協会へ連絡し、続けられる返済額を資料とともに示してください。再建を目指すなら、中小企業活性化協議会や認定支援機関と計画を作ることが、求償権消滅保証などの選択肢につながります。

求償債務が残る段階で、ほかの借入で返済を穴埋めすることは勧めません。保証協会の仕組みそのものは保証協会付き融資とプロパー融資の違いの記事で整理しています。

まず保証協会や専門家に相談し、求償債務の整理や再生の見通しが立った後で、将来ほかの金融機関の条件を比べる段階が来たときの選択肢として紹介します。Tasukari(タスカリ)は、CrowdLoan(クラウドローン)が運営する小規模事業者向けの融資マッチングサービスで、保証会社の事前審査で借りられる見込みを先に確認でき、結果を見た銀行から融資条件の提案が届く仕組みです。診断・事前審査は無料ですが、審査は保証会社・金融機関が行い、融資の可否や条件、提案を約束するものではありません。代位弁済の履歴や残っている求償債務、延滞があると、審査で不利になる場合があります。

出典・確認先

調査日:2026年10月10日。保証制度・契約条件・利用要件は協会や時期によって異なり、変わる場合があります。最新の内容は各機関の公式情報と、ご自身の契約書で確認してください。


POINT

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