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でんさいの支払不能・手形の不渡りを回避するには?期日前にやることと処分のルール

振り出した手形やでんさいの決済資金が期日に足りないなら、今日のうちに取引銀行と受取人へ連絡してください。期日に決済されなければ、1回目でも参加金融機関に通知されます。6か月以内に2回目が起きると取引停止処分となり、2年間は参加金融機関から借入ができなくなります。

期日を過ぎてから払っても、記録は自動では消えません。でんさいの場合、支払不能の情報は後日の支払後も削除されず、処分の回数に数えられたままです。残された手段は、期日前に資金を集めるか、受取人の同意を得て期日を変える手続を間に合わせるかです。

最初にやることは3つあります。期日の決済額と口座残高の差を数字で出すこと。取引銀行の担当者に状況を伝えること。受取人に期日変更や入金の前倒しを相談することです。新たな借入で穴埋めすることを前提にせず、まず条件の交渉から始めてください。

期日までにやること(残り日数の順)

でんさいの手続には、銀行営業日で決まった期限があります。手形も、期日当日の口座残高で決済されるかどうかが決まります。残り日数が多いうちほど選べる手段は増えるので、次の順で動いてください。

  1. 今日中に不足額を確定する

期日に引き落とされる手形・でんさいの合計額を出します。そこから期日前日までの残高見込みと、期日前に入ると決まっている入金を差し引きます。たとえば決済額300万円、残高見込み120万円、確実な入金100万円なら、不足は80万円です(仮定の数字)。入金が確実かどうかは、相手先に入金日を確認したうえで判断してください。

  1. 取引銀行に連絡する

手形なら当座預金のある銀行、でんさいなら窓口金融機関に連絡します。期日の何時までに入金すれば決済に間に合うかは、銀行ごとに確認が要ります。でんさいでは、支払期日の2銀行営業日前に送金の準備が始まるため、相談はそれより前に済ませてください。

  1. 受取人に期日変更を相談する

でんさいの支払期日は、変更記録で変えられます。譲渡や保証の記録がまだないでんさいなら、支払期日の7銀行営業日前までに請求します。相手方の承諾は、5銀行営業日以内に得なければなりません。譲渡などの記録があるでんさいでは、関係者全員による書面の請求が、支払期日の3銀行営業日前までに必要です。窓口金融機関によって、書類の受付期限が早い場合があります。

手形の期日延長(ジャンプ)や、でんさいの期日変更に応じるかは、受取人が決めることです。断られる前提で、ほかの手段も並行して進めてください。でんさいを譲り受けた会社がいれば、その会社の承諾も要ります。

  1. 入金予定の前倒しを頼む

売掛先に、期日前の入金をお願いできないか相談します。上の例で50万円の前倒しが得られれば、不足は30万円まで縮みます。残る不足は、取引銀行や受取人と引き続き相談してください。

  1. 期日当日と、その後

でんさいは、支払期日に口座から自動で送金されます。決済されなければ、支払期日の3銀行営業日後に支払不能が通知されます。受取人と話がついて支払を猶予してもらった場合でも、銀行への手続は欠かせません。債権者が支払を猶予しても、その旨を事前に取引金融機関へ届け出なければ支払不能になります。

手形の場合は、受取人側の銀行が依頼返却という手続を使うことがあります。これは「別途支払済」など真にやむを得ない理由があるときに、銀行どうしで協議して手形を返す仕組みです。依頼返却による返還は、不渡情報登録が要らない0号不渡事由として扱われます。使えるかどうかは受取人と銀行が判断するもので、振出人が求められる手続とは位置づけられていません。

残り日数で見る判断表

例として、でんさいの支払期日を2026年12月18日(金)とした場合の日付も示します。この期間に祝日はないものとして、土日だけを除いて数えました。実際の期限は窓口金融機関に確認してください。

期日までの残り例(期日12/18の場合)まずやること相談先
7銀行営業日より前12月9日より前不足額の確定、受取人への期日変更の相談、売掛先への前倒し依頼取引銀行、受取人、売掛先
7銀行営業日前まで12月9日まで譲渡等の記録がないでんさいは、変更記録をこの日までに請求窓口金融機関、受取人
3銀行営業日前まで12月15日まで譲渡等の記録があるでんさいは、関係者全員の書面による変更記録請求をこの日までに窓口金融機関、関係者全員
2銀行営業日前12月16日銀行が送金準備を開始。猶予の合意があれば銀行への届出を確認窓口金融機関
期日当日12月18日入金の時限を銀行に確認し、決済資金を入れる窓口金融機関
期日の3銀行営業日後12月23日支払不能の通知。受取人への支払と支払等記録の相談受取人、弁護士

変更記録の承諾は、請求から5銀行営業日以内に得る必要があります。この例だと、承諾を待つ期間は期日の2銀行営業日前ごろまでです。請求が遅れるほど、相手の承諾を待つ余裕は減っていきます。

不渡りと支払不能の処分ルール

手形の不渡処分は、全国銀行協会が運営する電子交換所の規則で決まっています。でんさいの支払不能処分は、でんさいネットが別に設けた制度です。2つは別々に数えます。手形の不渡り1回とでんさいの支払不能1回が6か月以内に重なっても、でんさいの取引停止処分にはなりません。

項目手形(電子交換所)でんさい(でんさいネット)
資金不足の扱い第1号不渡事由。不渡情報登録の対象第1号支払不能事由。取引停止処分の対象
1回目交換日から4営業日目に不渡報告に掲載し、参加銀行へ通知支払期日の3銀行営業日後に、全参加金融機関へ支払不能を通知
2回目で取引停止となる期間1回目の交換日から6か月後の応当日の前日までを交換日とする手形6か月以内に2回
取引停止処分の内容処分日から2年間、当座勘定と貸出の取引ができない(債権保全のための貸出を除く)2年間、債務者としてのでんさいの利用と、参加金融機関との貸出取引ができない
異議申立第2号不渡事由(契約不履行など)が対象。交換日の翌々営業日午後3時まで第2号支払不能事由(契約不履行など)が対象
異議申立預託金手形金相当額でんさいの債権金額相当額。支払期日までで、窓口金融機関が定める日までに預け入れ

資金不足は、手形でもでんさいでも第1号の事由です。異議申立は契約不履行などの第2号事由が対象で、資金不足の不渡りや支払不能は異議申立で止められません。異議申立を検討するのは、相手の契約違反などで支払を拒む場合です。その場合も、手形金や債権金額に相当する預託金が要ります。事情によって判断が分かれるため、弁護士への相談を前提にしてください。

でんさいの取引停止の期間は、2回目の支払不能となったでんさいの支払期日から数えます。3銀行営業日を経過した日から、2年後の応当日の前日までです。処分中にさらに支払不能が出ても、期間は延びません。

手形では、取引銀行が交換所に処分の解除を請求できる規定があります。信用を著しく回復したときなど相当な理由がある場合に限られ、交換所の委員会の審議を経ます。請求するのは銀行で、預金残高証明書などの資料が要るため、解除されるとは限りません。

期日に払えなかった時点で、受取人は支払を請求できます。でんさいネットの説明では、支払不能でんさいの請求は売掛金の延滞と同様の手続です。遅延損害金も請求の対象になりえます。期日後は、受取人と早めに支払方法を話し合ってください。

手形交換の終了と電子化の流れ

全国銀行協会は、電子交換所での手形・小切手の交換を2027年3月31日で廃止すると明確にしました。4月1日以降も手形がすぐ使えなくなるわけではありません。ただし郵送などによる相対決済になり、扱いは金融機関の判断で変わる可能性があります。電子交換所の取引停止処分制度は使えなくなる予定で、でんさいの支払不能処分制度は続きます。

最終振出期限を公表した金融機関の多くは、2026年9月30日を期限としました。その金融機関では、10月1日以降に振り出した手形・小切手は、原則として当座勘定から支払えません。新しい手形を振り出して期日を延ばす方法は、取引銀行によっては使えない可能性があります。自社の銀行の期限は、全国銀行協会の一覧と取引銀行で確認してください。

2026年1月1日に、下請法は取適法(中小受託取引適正化法)に改められました。対象の取引では、手形の交付による支払が禁止されています。受領日から60日以内に定めた支払期日までに代金を払わないことも禁止です。自社が委託する側で取適法の対象になるなら、期日延長の依頼そのものが問題になりえます。公正取引委員会の相談窓口や弁護士に確認してください。

資金繰りが続かないときの相談先

期日の不足が一度きりでなく、毎月続きそうなら、資金繰り全体の見直しが要ります。各都道府県の中小企業活性化協議会は、収益力改善や事業再生の相談に応じています。窓口相談までの第一次段階は無料です。相談内容によっては支援の対象にならない場合もあるため、まず窓口で確認してください。協議会が行う私的整理は、金融機関などの債権者以外に窮状を知られにくい方法を取り入れています。

手形の不渡りやでんさいの支払不能を起こすと、その後の融資の審査で不利になります。不足を埋めるためだけに新たに借りると、次の期日の負担が増えかねません。手形貸付など借入の種類ごとの違いは、当座貸越・証書貸付・手形貸付の違いで整理しています。税金や社会保険料の支払も重なっているなら、税金・社会保険料が払えない事業者へで猶予の相談先を確認してください。

まず取引銀行と受取人へ相談して期日の対応を決めたうえで、今後の運転資金を見直したい場合の選択肢です。Tasukari(タスカリ)は、CrowdLoan(クラウドローン)が運営する小規模事業者向けの事業資金の融資マッチングサービスです。スマホで3分程度の入力で、保証会社の事前審査により借りられる見込みを確認でき、結果を見た銀行から融資条件の提案が届きます。診断と事前審査は無料で、融資が実行された場合は銀行所定の金利がかかります。審査は保証会社と金融機関が行い、融資の可否や条件、提案を約束するものではありません。延滞や不渡り、支払不能がある場合は、審査で不利になることがあります。

出典・確認先

調査日:2026年10月9日。処分の規則、手続の期限、手形交換の終了時期は変わる場合があります。最新の内容は各公式ページと取引金融機関で確認してください。


POINT

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