セーフティネット保証5号は、国が指定した業種の事業を行い、売上高等の減少などで経営が不安定になった中小企業者が使える信用保証です。最近3か月の売上高等が前年同期比5%以上減っていることなどの要件を満たし、市区町村長または特別区長の認定を受けると、一般の保証枠とは別枠で信用保証協会の保証を申し込めます。
2026年10月9日時点で確認できる最新の指定期間は、令和8年10月1日から12月31日までです。この期間の指定業種は526業種あります。2027年1月以降の指定業種と指定期間は、まだ公表されていません。手順は、指定業種の確認、売上資料の準備、認定申請、認定書を持って金融機関か保証協会に申し込む、の順です。認定を受けても融資や保証が約束されるわけではありません。
目次
中小企業庁の「認定の概要」(令和6年12月1日以降の認定申請分の取扱い)では、要件が売上高要件、原油高要件、利益率要件の3つに分かれています。どれか1つの基準を満たせば認定の対象です。指定業種の事業だけを行うか、指定業種以外の事業も兼ねるかで、使う基準が変わります。
| 要件 | 比べる数字 | 基準 |
|---|---|---|
| 売上高要件(①②) | 最近3か月の売上高等と前年同期 | 5%以上減少 |
| 売上高要件・創業者等(③④) | 最近1か月の売上高等と、その直前3か月の月平均 | 5%以上減少 |
| 原油高要件(⑤⑥) | 最近1か月の売上原価に占める原油等の仕入額、原油等仕入単価の前年同月比、最近3か月の売上高に占める原油等の仕入額の割合 | 仕入額が売上原価の20%以上、単価が20%以上上昇、割合が前年同期を上回る(3つすべて) |
| 利益率要件(⑦⑧) | 最近3か月の月平均売上高営業利益率と前年同期 | 20%以上減少 |
減少率は「(前年同期の売上高B-最近3か月の売上高A)÷B×100」で計算します。概要の例では、1,000万円が950万円になると減少率は5%です。前年同期900万円が860万円になった場合は約4.4%で、基準に届きません。
利益率要件も概要に計算例があります。前年同期の月平均売上高営業利益率が10%、最近3か月が8%なら、(10-8)÷10×100で20%の減少です。個人事業主の場合、販売管理費には経費を当てはめる想定です。原油高要件の例では、売上原価1,000万円のうち原油等の仕入額が200万円で20%、仕入単価が10万円から12万円に上がって20%の上昇としています。
指定業種以外の事業も兼ねる場合は、条件が増えます。指定事業の売上高等が全体の5%以上を占め、全体と指定事業の両方で売上高等が5%以上減っていることが条件です。「創業者等」に当たるかどうかは、申請先の窓口で確認してください。
指定業種は、日本標準産業分類の細分類番号(4桁)で決まります。まず、e-Statの日本標準産業分類検索で自社の事業の細分類番号を調べます。次に、その番号が指定業種一覧に載っているかを確かめてください。
一覧の業種名に「~に限る。」「~を除く。」と書かれていれば、指定の範囲もその記載に従います。一覧の業種区分は日本標準産業分類(令和5年7月改定)によるものです。一覧末尾には、風俗営業等に関する除外の注記も付いています。
令和8年10月1日~12月31日の一覧は通番1から526まであり、細分類番号の重複はありません。一般土木建築工事業や建築リフォーム工事業、喫茶店、無床診療所、通所・短期入所介護事業などが並んでいます。一方で、同じ大きな業種の中でも載っていない細分類があります。業種の大まかな名前で判断せず、4桁の番号で照合してください。
ここでいう指定期間は、市区町村長などに認定を申請できる期間です。中小企業庁は3か月ごとの期間で一覧を公表しています。直近では、令和8年1~3月分の一覧が2025年12月12日に、10~12月分が2026年9月16日に更新されました。2027年1~3月分は、2026年10月9日時点で公表されていません。
申請先は市区町村(特別区を含む)の商工担当課などの窓口です。法人は登記上の住所地か事業実体のある事業所の所在地、個人事業主は事業実体のある事業所の所在地で申請します。認定を受けたら、希望の金融機関か所在地の信用保証協会に認定書を持参し、保証付き融資を申し込みます。
練馬区が挙げる必要書類は次のとおりです。
練馬区では、窓口と郵送のほか、金融機関による代行申請も受け付けています。簡易な表計算は売上の根拠資料として扱われません。税理士の署名・捺印がある区の売上比較表は、原本に限り根拠資料として使えます。対象者の条件の1つは、東京信用保証協会の保証対象業種であることです。
練馬区の申請書様式の留意事項によると、認定を受けた日から30日以内に金融機関か信用保証協会へ保証を申し込む必要があります。認定とは別に、金融機関と信用保証協会による審査があります。申込期限や書類は自治体ごとに異なるため、所在地の窓口で確認してください。
電子申請システム(SNポータル)も使えますが、利用を認めた市区町村に限られます。中小企業庁の掲載では、令和8年9月30日時点で仙台市や名古屋市、豊島区など29の自治体が対象です。利用にはGビズIDが必要です。
4号は指定された災害等の影響を受けた中小企業者が対象で、5号は全国的に業況が悪化している業種が対象です。練馬区の案内では、5号の別枠は4号と同じ枠とされています。4号と5号で別々の枠が増えるわけではない点に注意してください。
| 項目 | 通常の保証(一般保証) | セーフティネット保証4号 | セーフティネット保証5号 |
|---|---|---|---|
| 対象 | 保証協会の利用条件を満たす中小企業者 | 指定を受けた災害等の影響を受けた中小企業者 | 指定業種を営む中小企業者 |
| 主な売上要件 | なし | 原則、最近1か月が前年同月比20%以上減少し、その後2か月を含む3か月も20%以上減少の見込み | 最近3か月が前年同期比5%以上減少など |
| 市区町村の認定 | 不要 | 必要 | 必要 |
| 保証限度額 | 普通2億円、無担保8,000万円 | 一般保証とは別枠で普通2億円、無担保8,000万円(4号・5号で同じ枠) | 同左 |
| 保証割合 | 原則、責任共有制度の対象(部分保証方式なら80%) | 責任共有制度の対象外(100%保証) | 80%保証(責任共有制度の対象) |
| 保証料率 | 経営状況に応じた9区分 | おおむね1%以内で協会・制度ごとに設定 | おおむね1%以内で協会・制度ごとに設定 |
4号は地域と災害ごとに指定されます。中小企業庁の4号ページには、2026年10月9日時点で令和8年熊本地震など7件の指定案件が載っています。災害の影響で売上が大きく減った場合は、5号と並べて4号の対象かも確かめてください。
責任共有制度には、金融機関が選ぶ部分保証方式と負担金方式があります。5号はこの制度の対象なので、金融機関も一定のリスクを負います。東京信用保証協会の案内では、セーフティネット保証の融資期間は最長で10年です。
別枠で借りられても、返済の負担は通常の借入と同じです。毎月の返済額を、今後の売上見込みと固定費から出せるかを先に確かめてください。売上減少が一時的か続くかで、借りる額と期間の考え方は変わります。
日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)も、最近3か月の売上高が前年同期などと比べて5%以上減少し、今後も減少が見込まれる方などが対象です。融資限度額は7,200万円、運転資金の返済期間は10年以内です。保証付き融資とプロパー融資の違いは信用保証協会付き融資とプロパー融資の違いで整理しています。赤字決算や債務超過のときの準備は赤字決算でも融資は相談できる?をご覧ください。
5号の保証付き融資と並べて、民間金融機関の融資条件も比べたい場合はTasukari(タスカリ)があります。CrowdLoanが運営する小規模事業者向けの融資マッチングサービスで、保証会社の事前審査の結果を見た複数の銀行から金利や返済期間の提案が届きます。診断・事前審査は無料ですが、審査は保証会社・金融機関が行い、融資の可否・金利・提案の数を約束するものではありません。
調査日:2026年10月9日。指定業種と指定期間は四半期ごとに見直されます。要件・様式・料率は変わる場合があるため、申請前に各公式ページで最新の内容を確認してください。
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