個人事業主が事業資金を借りるとき、申込先は本人の個人信用情報を照会する場合があります。法人の借入でも、代表者が連帯保証人になる場合などは、代表者個人の信用情報が照会や登録の対象になる場合があります。日本政策金融公庫の借入申込書は、照会の対象を「お申込人本人(法人の場合は代表者本人。以下同じ。)」と書いています。
ただし、何がいつまで残るかは機関と情報の種類で違います。延滞の記録、代位弁済、破産の官報情報では、起算日も期間も別です。全銀協センターは、信用情報機関は審査を行っていないと説明しています。審査は申込先が行うため、記録があるから必ず断られる、という話にもなりません。
最初にやることは、3つの信用情報機関に本人開示を申し込み、自分の記録を確かめることです。延滞が今も続いているなら、開示や新しい申込みより先に、いまの借入先へ連絡してください。
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日本政策金融公庫の国民生活事業の借入申込書には、裏面に個人信用情報機関の利用についての同意事項があります。公庫は、申込人本人(法人なら代表者本人)を特定する情報で信用情報を照会し、支払能力・返済能力の調査に利用すると書いています。申込みの事実の登録先は公庫が加盟するCICで、期間は6か月間です。提携する機関として、全国銀行個人信用情報センター(以下、全銀協センター)と日本信用情報機構(JICC)が挙げられています。
法人の借入で代表者が連帯保証人になると、その事実が個人の記録に載る場合があります。全銀協センターの開示報告書には「法人連帯保証」という取引種類があります。これは法人名義の借入に代表者等の個人が連帯保証人となるものです。同センターは、会員が連帯保証人の同意を得て照会した場合等に、その情報が登録されると説明しています。JICCも、法人の代表者が法人の契約の保証人になっている場合は、保証を引き受けた事実が登録される場合があるとしています。
信用保証協会も、全銀協センターの加盟資格の一つです。たとえば東京信用保証協会は、所定の同意書でお客さまの同意を得て、加盟する全銀協センターの情報を返済能力の調査などに利用すると公表しています。どの機関の情報をどう使うかは申込先ごとに違うため、申込書の同意事項を読んでおきましょう。
各機関が公式に示している登録期間を、主な情報ごとに並べました。表現は機関ごとの原文に合わせています。
| 情報の種類 | CIC | JICC(個人) | 全銀協センター |
|---|---|---|---|
| 申込み・照会の記録 | 申込情報は照会日から6か月間 | 照会日から6か月以内 | 利用日から、本人開示の対象は1年を超えない期間、会員への提供は6か月を超えない期間 |
| 契約内容・返済状況(延滞を含む) | 契約期間中および契約終了後5年間 | 契約日2019/10/1以降は契約継続中及び契約終了後5年以内。2019/9/30以前は完済日から5年を超えない期間(延滞情報は延滞継続中、延滞解消の事実は発生日から1年を超えない期間) | 契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間。「延滞」は延滞解消日から5年経過後に「成約」に変更 |
| 債務整理・保証履行・代位弁済など | 異動(延滞・保証履行・破産)の有無を、お支払状況の項目としてクレジット情報と同じ期間保有 | 債権回収、債務整理、保証履行、破産申立等は、契約日2019/10/1以降は契約継続中及び契約終了後5年以内(債権譲渡は1年以内) | 代位弁済・強制回収手続等も取引情報として5年を超えない期間 |
| 官報情報(破産等) | 官報に掲載される自己破産の情報は登録しない | 登録期間表に官報情報の項目なし | 破産・民事再生手続開始決定の日から7年を超えない期間 |
CICは、自己破産で免責許可決定が確定した場合、契約が免責により終了した日を契約終了日として登録すると説明しています。その情報は契約終了日から5年間保有されます。弁護士や司法書士に債務整理を依頼した事実は、コメントとしては登録されません。ただし、契約ごとの支払状況は記録に残ります。
JICCの「以内」という表記は、通常は契約終了から5年間登録されるという意味です。会員会社の退会などで、5年より前に削除されることがあるための表現だと説明されています。全銀協センターの官報情報は、開始決定の日から7年後の応当日の前日まで登録されます。
なお、信用保証協会などの同意書には、作成時期によって期間の表記が異なる例があるので注意が必要です。東京信用保証協会の公表ページでは、官報情報が「10年を超えない期間」と記載されています。期間は各信用情報機関の公式ページで確かめてください。
JICCは個人の情報に加えて、会員会社から提供を受けた法人の信用情報も登録しています。法人名、代表者名、所在地、契約内容、返済状況などが対象です。法人の契約の返済状況は完済日から5年以内、延滞解消の事実は発生日から1年以内です。債務整理や保証履行などの取引事実は、発生日から5年以内とされています。
法人の情報の開示を申し込めるのは、その法人の代表者か代理権を持つ人に限られます。手続きは郵送で、登記事項証明書か印鑑証明書(発行から3か月以内の原本)と、代表者の本人確認書類2点が必要です。手数料は2,177円(税込)で、結果は代表者宛てに会社の住所へ届きます。
開示はそれぞれの機関に申し込みます。全銀協センターは、登録情報の開示はセンターでのみ受け付けており、会員の金融機関では受け付けていないと案内しています。
| 機関 | インターネット・スマホ | 郵送 |
|---|---|---|
| CIC | 500円。署名用電子証明書が有効なマイナンバーカードと、登録されている電話番号が必要 | 1,500円。コンビニの開示利用券か定額小為替証書で支払う |
| JICC | スマホアプリで700円(税込) | 2,177円(税込)。法人代表者の開示も同額 |
| 全銀協センター | 800円。マイナンバーカードで本人確認 | 利用券2,403円(開示手数料2,060円と発券手数料343円) |
申込みの流れや開示結果の位置づけは、融資に落ちた理由の確かめ方と次の相談先でも紹介しています。この記事では、開示した後に記録をどう読み、申込みの前に何をするかを中心に扱います。
3つの機関とも、記録を直すのは情報を登録した会員会社です。CICは、登録内容が事実なら訂正も削除もできないとしています。事実と異なり心当たりがない場合は、登録元のクレジット会社等に問い合わせます。調査で誤りが分かれば、訂正・削除するのは登録元です。
JICCでも、まず登録元の会員会社に調査を依頼します。それで解決せず誤りの可能性が高いときは、開示日から2か月以内ならJICCを通じた調査依頼ができます。全銀協センターでは、登録した会員かセンターに異議を申し立てられます。誤りと分かれば会員が訂正・削除し、事実なら訂正・削除は行われません。
JICCは、手数料を払えば登録情報を削除できるという話について、削除はできないと明記しています。「記録を消せる」と持ちかける業者には応じないでください。破産の免責が確定したのに残高が残っている場合は、免責確定を証明する資料を用意して会員会社に連絡するよう案内されています。
状況ごとに、信用情報への影響の目安と、申込みの前にやることを整理しました。期間は各機関の公式表記にもとづく目安で、審査の結果を示すものではありません。
| 自分の状況 | 信用情報への影響の目安 | 申込前にやること | 相談先 |
|---|---|---|---|
| 延滞が今も続いている | 延滞の記録は解消するまで残る(JICCは2019/9/30以前の契約の延滞情報を「延滞継続中」と明記) | 新たな借入より先に、いまの借入先へ連絡し返済の相談をする | 借入先の金融機関、保証協会付きなら信用保証協会 |
| 延滞を解消して数年たった | 全銀協センターは延滞解消日から5年経過後に「成約」へ変更。CIC・JICCは契約期間中と契約終了後5年 | 3機関に開示を申し込み、延滞解消日と契約終了日を確かめる | 各信用情報機関 |
| 債務整理の手続き中 | JICCは債務整理を取引事実として登録。全銀協センターは破産・民事再生の開始決定を官報情報として登録 | 新規の借入は手続きを任せた専門家に相談してから判断する | 依頼している弁護士・司法書士 |
| 債務整理が終わった | CICは免責による契約終了日から5年。全銀協センターの官報情報は開始決定日から7年を超えない期間 | 開示で残高や終了日の表示を確かめ、誤りは登録元へ申し出る | 登録元の会員会社、各信用情報機関 |
| 保証人として代位弁済された | 全銀協センターは代位弁済を取引情報として登録し、完了区分発生日から5年後に抹消 | 保証会社・信用保証協会と返済方法を話し合う | 代位弁済した保証会社・信用保証協会、弁護士 |
延滞中の段階で別の借入により穴を埋めると、返済の負担が増えるおそれがあります。返済日の前にすべき連絡や条件変更の申込みは、融資の返済に遅れそうなときの記事で扱っています。保証協会が代位弁済した後の返済の流れは、信用保証協会付き融資とプロパー融資の違いで確認してください。
保証債務の整理や、個人と会社のどちらの債務をどう扱うかは、個別の法的判断が要ります。代表者の保証を外せるかどうかを検討しているなら、経営者保証なしの融資の要件も参考になります。具体的な手続きは弁護士や認定経営革新等支援機関に相談してください。
仮の日付を置いて、各機関の表記から登録期間の終わりの目安日を計算しました。式は「起算日に年数(または月数)を足した応当日」です。応当日がない日付(2月29日など)は、その月の末日に置き換えています。全銀協センターの官報情報だけは、公式の説明どおり応当日の前日としました。
| 記録(仮定) | 起算日(仮定) | 計算 | 終了の目安日 |
|---|---|---|---|
| CICの申込情報 | 2026年10月10日(照会日) | 照会日+6か月 | 2027年4月10日 |
| JICCの延滞解消の事実(契約日2019/9/30以前) | 2025年12月15日(延滞解消日) | 発生日+1年 | 2026年12月15日 |
| 全銀協センターの代位弁済 | 2024年9月30日(代位弁済日) | 完了区分発生日+5年 | 2029年9月30日 |
| 全銀協センターの「延滞」表示 | 2025年12月15日(延滞解消日) | 延滞解消日+5年で「成約」に変更 | 2030年12月15日 |
| CIC・JICC・全銀協センターの契約の記録 | 2026年3月31日(完済日) | 契約終了日(完済日)+5年 | 2031年3月31日 |
| 全銀協センターの官報情報 | 2024年6月10日(開始決定日) | 開始決定日+7年の応当日の前日 | 2031年6月9日 |
同じ日に完済しても、延滞を解消した日や代位弁済の日が別にあれば、記録ごとに終わる日がずれます。全銀協センターの「5年を超えない期間」やJICCの「5年以内」は、上限を示す表現です。実際の削除日は開示で確かめましょう。消える日を待つ間も、決算書と資金繰り表をそろえて、申込先に経緯を説明できるようにしておくと準備が進みます。
延滞や代位弁済がある場合は、まず借入先や信用保証協会へ相談したうえで、返済の見通しが立ってから資金調達先を比べてください。Tasukari(タスカリ)は、CrowdLoan(クラウドローン)が運営する小規模事業者向けの事業資金の融資マッチングサービスです。スマホで3分程度入力すると、保証会社の事前審査で借りられる見込みを先に確認でき、その結果を見た銀行から融資条件の提案が届きます。診断・事前審査は無料で、融資が実行された場合は銀行所定の金利がかかります。審査は保証会社・金融機関が行い、CrowdLoanが融資の可否・条件・提案を約束するものではありません。延滞・代位弁済の記録は審査で不利になる場合があります。
調査日:2026年10月10日。登録期間・手数料・手続きは変わる場合があります。最新の内容は各機関の公式ページで確認してください。
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